きょうだい子育てのコツ【姉×弟編】
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夫婦で家族計画を話し合うときに、「もう1人、女の子が欲しいな」「上の子に弟ができたらどうなるかな?」など、想像するだけで夢や希望がふくらむもの。兄、姉、弟、妹の存在が、子どもの性格、生き方に影響を与えることもあるので、きょうだいの性別や年齢差は気になるところ…。今回は「姉×弟」の関係性の傾向や子育てのコツを、保育士経験があり家族関係に詳しい、大阪教育大学教育学部教員養成課程准教授(家政教育講座)小﨑恭弘先生に聞きました。
【姉×弟】は弟を意のままにしようとする姉と、姉の影響力を強く受ける弟の関係
姉×弟のきょうだいは、それぞれ次のように育つ傾向があります。
【姉の傾向】
姉はママをモデルに、「リトルママ」になる傾向があります。弟の世話をしながら、時にはママの口調やしぐさをまねすることもあるでしょう。姉はママの役割を演じることで、ママからの評価を得て、弟を自分の意のままにするポジションを確立しようとします。
【弟の傾向】
姉の遊び相手として、お絵かきやおままごとなど、女の子の好きな遊びを経験する機会が多くなるでしょう。女性らしい細やかさを兼ね備えた男の子に育つのは素晴らしいことですが、姉に支配されすぎてしまうと子分のようになってしまいます。
年齢差によってきょうだいの関係性はこう変わる
姉×弟のきょうだいは、年齢差によって次のような関係性が見られることが多いようです。
【1歳差の場合】
まだ姉も小さいため、リトルママにはなりにいくいかもしれません。そのため弟も、姉の影響を受けにくく、男の子の友だちと遊ぶことが多くなる傾向があります。
【2~3歳差の場合】
姉はママのまねの延長でミルクをあげるなどして、弟の面倒を見ようとします。普段は仲よく遊びますが、年齢差がさほど離れていないため、弟が自己主張したときは、けんかにつながることもあります。
【4歳差以上の場合】
姉のリトルママの傾向が強くなります。弟はそんな姉になついて、何でも言うことを聞きやすくなります。年齢差が大きいほど、姉の影響を強く受けやすい傾向があります。
姉×弟の育児で気をつけたいポイント
姉は弟を意のままにしようとしますが、それが行き過ぎると、子分のように扱ってしまいます。姉の積極性を評価しながらも、弟の自立心がしっかりと芽生えているか、注意して見るようにしましょう。また、姉の面倒見がいいからといって、何でも姉に任せてしまうと、姉が疲れてしまう原因にもなります。どこまで姉に任せるのか、どこからが親の仕事なのか、明確な線引きも必要です。
姉の支配力…というと少し大げさかもしれませんが、親が関与せずほうっておくと、弟が姉の言いなりにもなりかねないのが姉弟関係。親としては、「姉任せ」にできれば育児も楽になるかもしれませんが、姉の主導権が強すぎないかは注意して見ておくようにしましょう。また、何でも任される姉は常にプレッシャーを感じていたり、疲れていても言い出せなかったりすることが。姉も子どもであることを忘れず、親に甘えられる時間をつくってあげるとよさそうですね。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)
監修/小﨑恭弘先生
大阪教育大学教育学部教員養成課程准教授(家政教育講座)。西宮市初の男性保育士として活躍したのち、大学の准教授やNPO法人「ファザーリング・ジャパン」の顧問として活動中。3男の父。
参考/ひよこクラブ2018年5月号別冊付録「第2子 妊娠/出産/育児『こうすればうまくいく』」より
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
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