「予防接種をしないと学校に入れない?」 山田ローラさんの日米子育てリポート
2015年にラグビー日本代表の山田章仁選手と結婚、2016年9月に男の子と女の子の双子を出産したモデルの山田ローラさん。日米のハーフでご実家がアメリカにあります。そんなローラさんが、アメリカの子育て事情や、日米の育児の違いなどをリポート。今回のテーマは、予防接種です。
アメリカでは、定期接種を受けていない子どもは公立高校に入れません
日本とアメリカを行ったり来たりの生活をしていて、予防接種にはとくに気を使いました。アメリカではここ数年で“アンチ予防接種”の人が増えてきてしまい、絶滅しかけていた病気が再流行してしまったりして、今とても議論されています。双子が生まれる前から日本とアメリカの予防接種の種類を調べたり、副作用について医師と相談したり、いろいろと勉強するようになりました。
アメリカでは基本的に、定期接種を全種類受けていない子どもは特別な理由(予防接種アレルギーや、接種することが命にかかわる場合など)がない限り公立学校へ通うことが禁止されていて、親の都合で予防接種をしていない子どもたちの大半は、ホームスクールで親が家で勉強を教えています。なので、将来的にアメリカの学校へ通う可能性がある双子は、予防接種を受けることが必須なのです。
生まれてすぐに予防接種スタート。費用は保険でカバー
アメリカで生まれた双子は、出産直後にB型肝炎ワクチンを接種。日本だと2カ月から予防接種が始まるので、アメリカのほうがかなりスピーディーです。アメリカでは2カ月健診でB型肝炎の2回目、ロタウイルス、DTaP(ジフテリア・破傷風[はしょうふう]・百日ぜき[ひゃくにちぜき]の3種混合)、ヒブ、小児用肺炎球菌(しょうにようはいえんきゅうきん)、ポリオを受けます。
双子はアメリカで受けましたが、ロタウイルスは、日本だと任意接種になることをあとで知ってビックリしました。ロタウイルスのほかにも、おたふくかぜ、A型肝炎など、アメリカでは必ず受けるものは一般の保険でカバーされています。しかし、日本では任意のものは自治体からの補助金が出ないことも多いため、自腹…。ただでさえ高い予防接種代が双子だと倍になってしまうので、ちょっと考えてしまいます。子どもの健康を考えたら、受ける選択技以外はないのですが。
住んでいる国に合わせてワクチンを受けることが大切と実感!
予防接種のスケジュールに若干のズレがあり、受ける種類も多少違いますが、数にさほど差はありません。アメリカは結核(けっかく)の症例がもうほとんどないため、BCGは受けません。アメリカの小児科医にたずねたところ、日本ではまだBCGを接種することにビックリされました。ただ、日本ではまだ結核にかかる恐れもあるので、もし日本で暮らす可能性があるなら帰ったときに受けることをすすめられました。
国によって流行している病気も違ってくるので、やはり予防接種は暮らしている国に合わせてちゃんと受けるのが大事なことだと思いました。接種するワクチンが違ったり、混合ワクチンの組み合わせが違ったりで悩むところもたくさんありますが、両国の医師と相談しながら双子にあった予防接種のスケジュールを組んでもらっています。そのためにも日本の医療がわかるアメリカの先生、またアメリカの医療を理解している日本の先生を探し、話し合いを毎回しています。
小さな体に何本もの注射をするのはとてもかわいそうだし、副反応のことももちろん気になりますが、やはり病気を予防できること、もしかかってしまっても軽症で済むことを考え、迷わず毎回予防接種を受けさせています。
定期接種をすべて受けていないと公立高校に入れないということで、アメリカは日本よりもワクチン接種について厳しい制度がとられているようです。また、日本よりも定期接種の種類も多いようです。わが子にきちんと予防接種を受けさせることで、わが子がその病気にかかるのを予防できるだけでなく、社会全体からも感染症をなくすことができます。ローラさんが書いているように、副反応など気になることもあるかもしれませんが、子どもの健康を考え、定期接種も任意接種も、しっかりと子どもに受けさせたいですね。(取材・ひよこクラブ編集部)
Profile●山田ローラ
1988年9月23日生まれ。アメリカで大学卒業後、日本でモデルデビュー。2015年3月にラグビー日本代表の山田章仁選手と結婚。2016年9月に双子のブライス・光一郎くんとグレース・桜子ちゃんを出産。
LINE BLOG:山田ローラオフィシャルブログ
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