【専門家監修】「ひとりっ子だからわがままになる?」ママの悩みに臨床心理士が回答
ひと昔前と比べて、今や「ひとりっ子」は珍しくない時代。ひとりっ子育児をしているママやパパたちに、育児で気がかりに思うことを聞いてみると、「わがままな子にならないか心配」「きょうだいがいないと寂しい思いをさせそう」「ついつい過保護になりがち」…など悩みをいろいろと抱えている様子。
そこで、ひとりっ子育児の悩みと気がかりについて、乳幼児の心理に詳しい、臨床心理士の帆足暁子先生に伺いました。
わがままな子にしたくない。何に気をつけたらいい?
「ひとりっ子だと、時間もお金も1人の子どもに思う存分かけてあげることができますが、その反面、その子の希望がかなえられやすい環境にいるため、わがままになりやすいといわれています。子どもに『なんでも思い通りになる』と思わせないようにして。子どもの望むままに与える、言いなりになるのではなく、ママやパパが判断し、大人の意見も反映させましょう。『泣いてもダメなものはダメ』と一貫して教えることが大切です」(帆足先生・以下同)
きょうだいがいないと子どもに寂しい思いをさせてしまうの?
「きょうだいがいない=寂しい、ということはありません。ひとりっ子にとって、きょうだいがいない環境は自然なこと。親の愛情を独り占めできるという点では、恵まれた状態です。ただし、子ども同士でかかわる経験はどうしても少なくなります。1才後半からは、ほかの子どもを意識する気持ちが芽生えるので、そのころから積極的に児童館などでお友だちと触れ合う機会をつくってあげたり、近所や親戚の年の近い子どもと遊ばせたりすると、社会性が育ちやすくなります。たりない経験は、親がフォローしてあげるといいでしょう」
ついつい過保護になりがち。どうしたらいい?
「親と子どもの1対1だと、過保護になってしまいがちですよね。さきほどの回答とも共通しますが、お友だちをおうちに招いたりして、子ども同士で遊ぶ機会を増やしてあげましょう。家族以外の人、ママやパパ以外の大人や、お友だちが家に遊びに来ることが自然になると、お友だちと刺激し合ってたくましくなりますよ。あとは、子どもが何かにチャレンジしているときは、親がすぐに手を出さないようにましょう。子どものやる気を見守ることも大切です」
「ひとりっ子は、きょうだいに自分のペースを乱されることがないので、マイペースに育ちやすい傾向があります。その子の生まれ持った気質が生かされやすいという面も。ママ・パパなど大人の中で育つことで、小さいころから大人と対等に話ができるようになり、心が安定しやすい特徴がありますよ」と帆足先生。
きょうだい家庭と比較して足りないところを数えるのではなく、ひとりっ子家庭ならではのよさや環境を生かして、子どもの成長を見守っていきたいですね。(取材・文/ひよこクラブ編集部)
初回公開日 2018/12/04
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