役に立たない防災グッズとは?赤ちゃんがいる家庭の防災で”最低限”知っておきたいこと
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近年、大きな地震や台風や水害など、大きな被害をもたらす災害がたくさん起こっています。自然災害は、予測がつきにくく、どこでどんな災害が起こってもおかしくありません。家族の命を守るために、ぜひ日ごろから災害対策を考えておきたいもの。とくに小さな子がいる家庭ではどのように準備をしておいたらいいのか、危機管理アドバイザーの国崎信江さんに伺いました。
防災のための準備
日ごろから準備しておくべきことや、実はあまり役に立たない防災グッズについても伺いました。
家族との連絡方法は何通りも決めておく
「万が一災害が起こったとき、どのように連絡を取り合ったらいいのか、保育園にはだれがお迎えにいくのか、自宅が被災したらどこに集合したらいいのか…。災害時にはどんな状況になるのかわかりません。1つの方法だけでなく、何通りも決めておいたほうがいいでしょう」(国崎さん・以下同)
大きい非常持ち出し袋は、まず持ち出せない
「災害が起きたときに持ち出せる重量は、男性で15kg、女性で10kgといわれます。赤ちゃんを抱っこして、そのうえで重い荷物を持ち出すのは、まず無理。非常持ち出し袋より、普段使っているバッグに手元にないと絶対に困る、必要最低限の防災グッズを入れておくほうが、現実的です」
自宅が被災したら、災害疎開
「自宅が災害で住めない状態になってしまったら、避難所で過ごす方法もあります。けれども、避難所では、精神的に不安定になっている人が少なくないですし、室温調整ができない、清潔でないなど、赤ちゃんが過ごしやすい環境でないところが多いのが現状です。そのため、災害の影響のない場所の親類・知人宅や宿泊施設などへ『災害疎開』するのがおすすめです」
準備しておきたいこと、これだけは!
「災害対策は、グッズを用意して置きっぱなし…というよりも、日々防災の意識を持って生活しているほうがためになります。つねに心の片隅に防災を意識できるよう、継続して行う対策を紹介します」
月1回、防災貯金をする
「防災グッズを購入するため、または災害疎開用のお金として、月に1000円札を1枚、『タンス』貯金しましょう。災害時はおつりが出せなくなるお店も多いので、1000円札や小銭は役立ちます」
大事な記録はデータ化する
「おくすり手帳や母子健康手帳の記録、家の権利書など、大事な記録は1日に1点ずつでも写真に撮るなどしてデータ化していきましょう。防災用のアプリなどもスマートフォンに入れておくと安心です」
防災準備というと、グッズや食料品や消耗品の備蓄に気を取られがちですが、知っておくべきことはほかにもいっぱい! 「まだ大丈夫」「うちのほうは大丈夫」と楽観せず、今日から対策を始めましょう。
『ひよこクラブ』2019年3月号「防災に強いファミリーになる!」では、ほかにもためになる防災対策をたくさん紹介しています。
■監修:国崎信江さん
危機管理教育研究所代表。危機管理アドバイザー。阪神・淡路大震災から女性や母の視点で防災対策を提唱。国や自治体の多くの防災関係の委員を務めるほか、全国各地で講演を行う。