ほどほどに見せるのが一番?テレビなし育児ってどう思う?
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かつてから教育によいというイメージがある“テレビなし育児”。けれども、最近ではスマホやテレビでみられるインターネットのテレビ番組も増え、ママたちの考えも徐々に変わってきている模様。
2018年にまとめられた第2回 乳幼児の親子のメディア活用調査レポート(ベネッセ教育総合研究所)によると、2017 年に行われた調査では「テレビ番組(録画を除く)」の視聴は、「ほとんど毎日」が0歳で67.9%と3分の2を超え、1歳以降は8割ほどに。
また、テレビ(録画を除く)の視聴時間は、「1時間くらい」が30.4%、「30分くらい」以下が23.5%、「2時間くらい」が23.3%、「3時間以上」が23.0%と、平日、テレビを1時間くらい見ている子がもっとも多いという結果でした。
完全にテレビを見ないという家庭は少数派のようです。
「テレビなし育児って本当にいいの?」ママたちの考えをのぞいてみましょう。
家の外ではテレビの虜に
いとこの家庭がテレビ禁止の育児をしているようで、年末年始にわが家に泊まりにきたときに、異常なほどテレビに執着していました。うちの子が「トーマス見たい」と言っても「トーマスはイヤ!!お家じゃ見られないから、今これが見たいのぉ!!」と怒り出し、ごはんの時間も「今はごはんの時間だからテレビはやめようねー」と電源消したら大泣き…。ゲーム禁止の子も同じく、ほかの家では異常なほどゲームの虜です。時間を決めてほどほどに好きな番組見せるくらいがちょうどいいと思っています。
ほかのことに興味を持てば執着しない
私がテレビをうるさいと感じてしまうため、上の子はほぼテレビなしで年中まできました。
上の子が年中の時に私が下の子を妊娠し、夏休みに悪阻で動けなかったため、amazonの動画配信のドラえもんに頼り、それがきっかけで解禁となりましたが、特に執着はしていません。
ハマらなかったのは、他に楽しみがたくさんあるからだと思います。未就園の頃から今まで、水族館や動物園や博物館、科学館、化石掘りなどに通いまくっていたこともあり、恐竜、宇宙、電車、車、動物、地球、鉱物、化石、ヘリコプター、飛行機などなど、ほかのことに興味がたくさんあります。
テレビ以外の楽しい世界をたくさん知っていれば、そんなにハマらないのかもと思っています。
テレビなしから急にスマホを持ったら…?
今時の高校生は、テレビに執着しません。スマホ動画やSNSで情報を集めます。見ないことはないけれどテレビ番組に固執していません。
今の子どもが中高生になるころにはもっとスマホ、パソコンが発達していると思います。持たない訳にいかないものと、どう付き合うか、どう制限するかの方が大変だと思います。テレビもなしで急にスマホ持ったらどうなるんだろう。興味ない子もいるでしょうが、ほとんどの子は執着するんじゃないかと思います。
テレビを特別視させない
テレビ漬けにしない一番の方法は“テレビが付いてることを特別視させないこと”です。生まれた時からいつでもついているテレビを特別視する子はいません。
たまにしかついてない、親の許可がないと見れないとなると、自ら「テレビって特別なんですよ」と子どもに教え込んでいるようなものな気がします。
見せた方がいい番組もある
うちは、録画したテレビを土日のみ見せています。生き物や自然のドキュメンタリーで、山奥や海底を見るとか、スポーツ(フィギュアスケート、バレーボール、体操とか?)だったら、お子さんにとっても勉強になる部分もあると思います。Eテレ(NHK教育テレビ)のピタゴラスイッチは見せてもいいと思いますよ。逆に、見せたほうがいいかも!中学生の娘も未だにみていますし、大人でも勉強になりますよ♪
見たいテレビは録画&時間制限
うちはすべて録画です。見たいアニメをリクエスト。平日は1本、お休みの日は2本OKにしています。平日はだいたい夕食後のお風呂前。時間にとらわれずに見たいアニメが見られ、終わると一覧の画面に戻るのでダラダラも見逃しもなし。しかもオープニング歌、CM飛ばして実質20分。録画はオススメです。
テレビのオフタイマーを利用
年少の息子と2歳の娘がいますが、わが家はテレビ、YouTubeは時間になると切れるように(YouTubeはアプリにロックがかかるように)設定しています。
「あっ、テレビ切れちゃったね~。テレビお昼寝したみたいだから、寝かせてあげようね」「もう夜だから、テレビも寝る時間だって」と言えば、子どもたちは「はーい。テレビさんおやすみ~」とすんなり納得します(笑)。 小さいうちなら、こういう誘導のしかたでも納得してくれそうです。
必ずしもテレビが悪ではない
中途半端に「テレビなしの方がいい」という程度なら、見せている方がよっぽど健全だと思います。時間を決めてとか、番組を決めてとも言いますが、私はダラダラとついていたテレビ番組をたまたま目にして、どん底から抜け出すきっかけになったこともあります。テレビだって悪者じゃないですよ。
見てないなら消す、やるべきときにやることをしないなら消す、それでもいいと思うんですよね。「~なし育児」をがんばっても、今の時代必ずどこかで触れることになると思います。そのときに、中毒にならないような付き合い方や、テレビが好きなら好きでいいと認めることも大事かなと思います。
テレビとの付き合い方を学ぶことが大切
自分自身が親の方針で、NHKしか見せてもらえなかったので、本当につらかったものです。いまだに同じ年代の人とテレビの話ができません。同年代の人と、文化を共有することができないのです。この歳になってもなお、欠乏感にさいなまれることがあります。
TV漬けになるのが嫌なら、見る番組を決めて、時間を守り、終わったら切るという習慣をつければいいのです。上手に付き合う方法を教えることのほうが、ずっと大事だと思います。
テレビがあっても、うちの子たちは絵本も読んだし、折り紙もしましたし、いい子に育ったと思います。良い番組を一緒に見て、笑ったり、感想を言い合ったりするのは、親子の楽しい時間でもありました。
スマホやパソコンが普及してきている現代において、テレビなし育児への考えも徐々に変わってきているようですね。一番大事なのはテレビを見ないことではなく、“テレビとの付き合い方”を子ども自身が学ぶことという声もありました。とはいえ長時間の視聴は身体によくありませんよね。そんなときは時間を決めたり、録画したものを見せたり、テレビのオフタイマーを利用する…など、先輩ママたちの意見を参考にしてみてはいかがでしょうか。
(文・清川優美)
■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。