5分の「ちょい抱き」で愛情は伝わる!幸せになれるスキンシップの秘密
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親子のスキンシップは大事だというけれど、どんな方法が効果的なの?
0歳から保育園に預けるのは、親とのスキンシップが減っちゃうからよくない?
赤ちゃんが幸せに育つためには親子のスキンシップが大切。その理由や、スキンシップで分泌されるホルモン「オキシトシン」のすごい効果については、前回の記事で紹介しました。読んでいない方はぜひチェックを!
今回はスキンシップ・愛着形成についてのママ・パパの疑問に、桜美林大学教授で『幸せになる脳は抱っこで育つ』(廣済堂出版)の著者の山口創先生が答えます。
Q. 1日にどのくらいスキンシップをしたらいいの?ずっと抱っこは疲れてしまいます。
A 1回につき5分の「ちょい抱き」で大丈夫です!
私は「ちょい抱き」というスキンシップの仕方をおすすめしています。1時間のうちの5~10分くらいでいいので、その時はお子さんと目を合わせ、集中して抱っこしたり、ほほずりしたり、頭をなでたりしてあげてください。
というのも、“幸せホルモン”や“愛情ホルモン”とも呼ばれる「オキシトシン」は、触れてから5~10分程度で分泌量がピークになり、そのあと1時間程度は、触れていなくても高い状態を維持できるのです。
ちょい抱きの時間には、見つめ合い声をかけ、抱っこしてあげる。そしてまた1時間くらいしたらちょい抱きをするという方法を、ぜひ実践していただけたらと思います。
子どもも、短くてもちょこちょことスキンシップすることで「自分のことをちゃんと見てくれている」と安心感を持つことができます。
Q 4月から復職予定の母です。0歳の時から保育園に預けるとスキンシップや愛着形成の面で問題がありますか?
A まったく問題ありません。安心してください
現代の心理学では、子どもが愛着の対象にできるのは母親だけでなく、数名の大人だといわれています。自分のことをよく見て守ってくれる大人であれば、父親や祖父母、保育士さんなどに対しても愛着の関係を築くことができるのです。
ですから、決してお母さんとの愛着関係だけが全てだと気負わなくても大丈夫。お子さんが保育園で保育士さんと良い関係を築けると、それが家庭にも波及して、お母さんとの愛着も安定するという研究結果もあります。
その代わり、家にいる時はギュっと抱きしめたり、ひざに乗せて本を読んだり、お風呂で触れ合うなど、子どもとの密なスキンシップを大切にしてくださいね。
Q どんなスキンシップをすると子どもが喜んでくれますか?
A その子がいちばん好きなスキンシップを見つけてあげましょう
私は特に「こちょこちょ遊び」をおすすめしています。多くの子どもは、くすぐるととても喜んでくれます。そうやって楽しいスキンシップをしてお互いに笑顔になると、「オキシトシン」が親子ともにたくさん分泌され、良い影響を心身に及ぼします。
ただ、子どもが好きなスキンシップはそれぞれ違うので、自分のお子さんがいちばん喜ぶスキンシップを見つけてあげるのも大事なことです。
私には2人の娘がいるのですが、上の子はあまりスキンシップが好きではありませんでした。肌の感覚が過敏だったので、ぴったり寄り添うスキンシップよりも、こちょこちょ遊びのような刺激的なスキンシップを好んでいたのです。逆に下の子は、ギューッと抱っこされるのが大好きで、同じきょうだいでも傾向が違うのだなあと実感したのを覚えています。
なでたり、さすったり、くすぐったり、高い高いをしてみたり……。お子さんの傾向をつかみながら、ぜひ親子で楽しくスキンシップをしてみてください。
この記事では、2019年2月にららぽーとTOKYO-BAY、ららぽーと立川立飛で開催されたイベント「たまひよカレッジ」で行われた山口創先生の講義『幸せになる脳は抱っこで育つ。』の内容を抜粋して紹介しました。
イベントでは、山口先生の講義に続いて保育士起業家・こどもみらい探究社の小笠原 舞先生による「親子の関係性がぐんとアップする!スキンシップあそび」の講演が行われ、いろいろなスキンシップあそびを実践しました。
「たまひよカレッジ」は、「ママになっても・パパになっても学びたい!」を実現する学びの場です。興味のある方は、こちらをチェック。(文・たまひよカレッジ運営事務局)
山口創先生 プロフィール
桜美林大学教授、臨床発達心理士。専攻は、健康心理学、身体心理学。
著書に『幸せになる脳はだっこで育つ。強いやさしい賢い子にするスキンシップの魔法』(廣済堂出版)、『子供の「脳」は肌にある』(光文社新書)など。