貯金を殖やしたい人は必読!つみたてNISAとiDeCoが注目されるワケ
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「つみたてNISA(ニーサ)」や「イデコ(iDeCo)」という言葉を聞いたことはございますでしょうか。
比較的最近つくられ、導入されたときには話題になった制度ですが、何となく興味はあったけど調べていなかった人もいらっしゃるでしょう。
今回は、話題性の高い「つみたてNISA」と「iDeCo(イデコ)」について、ファイナンシャルプランナーの藤孝憲さんに紹介いただきました。
藤 孝憲
CFP(R)認定者・宅建士・住宅ローンアドバイザー・証券外務員2種・エクセルVBAエキスパート
商品販売をしない消費者目線のファイナンシャルプランナーとして、ご家族に合ったライフプランニングをもとに資産運用を含めたお金の使い方や住宅ローン・保険の選び方などアドバイス。
自分に合った商品選び
一般家庭でも投資が必要な理由
普段から買い物をしていると、値段の動きを実感できます。たとえば、野菜の値段が上がると量を減らしたり、より安い野菜に変更したりと、その場その場で家計への負担を減らす工夫をされていると思います。
商品の中でも野菜の値段は変動しやすいので、物価の変動に気づきやすいですが、ほかの商品の値段も少しずつ上昇しています。
物価が前年に比べ1%増加しても、貯金が1%増えれば、欲しいものは買えるでしょう。しかし、物価が1%増加しても貯金が0.5%しか増えなければ、欲しいものは買えなくなります。
これが30年続きますと、たとえば100万円の商品は135万円になりますが、100万円の貯金は116万円にしかなりません。何もしていないのに19万円を失ったことになります。
このように物価は変動しているため、一般家庭でも投資が必要になってきます。
「つみたてNISA」と「iDeCo」の特徴
物価上昇による「お金の目減り」を避けるために必要なのが資産運用で、その中で注目されているのが「つみたてNISA」と「iDeCo(イデコ)」を利用した方法です。それでは、それぞれの特徴を見ていきましょう。
「つみたてNISA」の特徴
「つみたてNISA」は名前から分かるように、少額の「積み立て」をしながら長期投資を支援するための制度です。普通、投資信託の利益に対して20.315%の税金がかかりますが、この制度を利用すれば非課税(年間投資額40万円が上限)となります。
10万円の利益なら、約2万円の節税ができますので、メリットは大きいです。
ただ制度を通して「損失」が出た場合は、不利な面がありますので、20年間長期の運用を基本とし、無理をせず少額投資をする人向けと言えるでしょう。
「iDeCo」の特徴
「iDeCo」は簡単に言えば、個人で準備する年金です。そのため受け取りは60歳以降となりますので、無理のない投資(拠出)が大前提となります。
「iDeCo」のメリットは、
(1)投資した金額を控除でき、
(2)税金は受取時だけ、
(3)受取時は公的年金と同じ控除が利用できることです。
(1)給与を受け取る際、支払った健康保険料や厚生年金保険料などの金額が差し引かれた上で税額を計算します。その分、税額は少なくなりますが、「iDeCo」を利用すると、健康保険料と同じく、投資した金額を差し引くことができます。
(2)投資信託を売却し再投資すると、税金を引かれた上で投資しなければなりません。「iDeCo」は受取時まで非課税ですので、効率よく投資することができます。
(3)税金は、退職金や公的年金など長期の努力の結果で受け取る収入に対して優遇されています。「iDeCo」も退職金や公的年金と同じ計算方法で税額の計算をしますので、その分、受取額が多くなります。
このように、「つみたてNISA」と「iDeCo」は短期で大儲けする人向けではなく、長期に渡り少しずつ投資する人向けに優遇された制度となり、投資経験のない人が始めやすい仕組みになっています。
投資はムリのない範囲で、長期運用が基本
商品によっては受取額が少なくなる場合がありますので、資産運用は、家計に影響の出ない範囲で、長期的に少しずつ投資することが基本です。
実際に利用する際には、投資信託のメリットやデメリットを検討し、商品を比較した上で、投資するようにしましょう。
1、2年の損益を気にせず、10年後、20年後を目標に資産運用をしてみてはいかがでしょうか。
将来の支出に備え、これから資産運用しようとお考えの人は、「つみたてNISA」や「iDeCo」の利用もご検討ください。少なからず投資信託に対する知識は必要となりますので、勉強しながら経済的にも精神的にも負担にならない程度から始めてみましょう。