SHOP

内祝い

  1. トップ
  2. 赤ちゃん・育児
  3. 【新NISAの疑問】教育資金や老後の備えに始める人が急増。そもそも、投資って本当に儲かるの?今さら聞けない初心者の疑問にFPがお答えします

【新NISAの疑問】教育資金や老後の備えに始める人が急増。そもそも、投資って本当に儲かるの?今さら聞けない初心者の疑問にFPがお答えします

更新

黒板の財務チャート
eternalcreative/gettyimages

2024年から始まった新NISA。日本証券業協会によると2024年1~3月新規口座開設件数は、同年同期と比較して3.2倍※1となりました。「たまひよ」アプリユーザーのアンケートでも半数以上が「投資をやっている」と、回答。始めたキッカケのトップは「資産を増やしたい」でした。しかしNISAをすれば資産は増えるのでしょうか……。ライフスタイルアドバイザーで1級FP技能士の前田菜穂子さんに伺います。

長引く預貯金の低金利に辟易。「とにかく資産を増やしたい」という声

Q. 【新NISAをしている方に伺います】興味をもったキッカケは何ですか?あてはまるものをすべてお選びください。

1位 資産を増やしたいと思ったから
2位 以前から株や投資をやっていたから
3位 家族や友人がやっていたから&勧められたから
4位 銀行の金利に不満があったから
5位 テレビやネットで知って興味をもったから
6位 銀行や証券会社などで勧められたから
7位 その他

Q. 【新NISAをしている方に伺います】始めた理由を教えてください。あてはまるものをすべてお選びください。

1位 子どもの教育費のため
   老後の資金のため
3位 とにかく貯蓄を増やしたいから
4位 新NISAは非課税で低リスクだから
5位 お小遣いのため
6位 家族のレジャー費のため
7位 自分の趣味や娯楽費のため
8位 その他

NISAを始めた理由では、「子どもの教育費」「老後の資金」「とにかく貯金を増やしたい」がトップ3に。

「お小遣いのため」「レジャー費のため」「自分の趣味のため」など、娯楽や嗜好品が目的という人は圧倒的に少数派でした。
将来の収入に期待することができず、「手元にあるお金を1円でも増やしたい」とシビアな状況であることがわかります。

ライフスタイルアドバイザーで1級FP技能士の前田菜穂子さんに見解を聞きました。

リスクのない投資はありません。でも令和はリスクと上手に付き合いながら資産形成をする時代に

「昭和の時代、日本は経済発展の恩恵を預貯金で受け取ることができました。

郵便局(現・ゆうちょ銀行)の定額貯金(3年以上)の金利は最高で8%でした。100万円預けたら10年後には219万円(税引前)になる計算です。
しかし今は金利0.11%(6月5日現在)。100万円を10年預けても101万円にしかなりません。

リスクのない投資はありません。これは大前提です。

しかし現代では、私たち自身がリスクとの付き合い方を知って行動しないと、恩恵を受け取ることができないことも事実なのです。

2001年以降、政府は『貯蓄から投資へ』のスローガンを掲げており、NISAなどの優遇制度は『これからはリスクを考えながら資産形成してください』という国からのメッセージなのです※2」

これまでFP前田菜穂子さんには、NISA口座の開設の仕方、金融機関(銀行、証券会社、ネット証券など)のそれぞれのメリット・デメリットなどについてや投資信託について、投資信託の選び方や投資の相場などの解説をいただきました。
今回は買い付けの基礎知識「新NISAの限度額」について聞きました。

※2 出典:財務省広報誌

年間360万円、生涯では1800万円が新NISAの非課税枠

「新NISAで投資できる金額は1年間360万円。『つみたて投資枠120万円』『成長投資枠240万円』という2つの枠に分けられます。投資できる期間に制限はありませんが、生涯で使える枠は1800万円です。

1800万円をこえると、NISA口座で買い付けができなくなり非課税の優遇を受けられません。
そして注意すべき点は、成長投資枠の限度額は1200万円が上限ということ。

『ん?』ですよね(笑)

例えば、NISA口座で『つみたて投資枠120万円』『成長投資枠240万円』の計360万円を毎年買い付けすれば、5年間で限度額の1800万円(つみたて投資枠600万円+成長投資枠1200万円)となります。

しかし成長投資枠だけで新NISAの取引を5年間すれば240万円×5=1200万円。6年目、600万円NISA枠が残っていますが、『成長投資枠』の1200万円を超えてしまうので、買い付けができるのは『つみたて投資枠』のみとなります。

ちなみに『つみたて投資枠』は1800万円まで買い付けできます」

さて、ここからはアンケートに届いた疑問に、前田先生からのアドバイスです。

Q.「つみたて投資枠」はやっていますが、「成長投資枠」は知識が乏しいので損しそうで心配(とりっぴー)

前回、お話したとおり投資信託の数は5980本(2024年3月末)。しかしNISAで買える投資信託の銘柄は、政令によって要件が定められており約2000本に絞り込まれ、「つみたて投資枠」は、さらに“長期・積立・分散投資に適した投資信託”として約300本弱に絞り込まれています。
(さらに金融機関によって購入できる投資信託の数は絞り込まれています)

「知識がないと、成長投資枠は難しいのか?」という質問ですが、確かに「成長投資枠」では国内外の上場株式やREAT(リート)と呼ばれる上場不動産投資信託を個別に買えるため、よりハイリスクな金融商品があるという点では「損しそうで心配」※と言えます。
※前回、個別の会社の株式を1つずつ持つよりも、複数社の株式や値動きの異なる債券等を詰め合わせた投資信託の方がリスクが分散されることはご説明しました。詳しくはこちら

でも、「つみたて投資枠」で買える投資信託は「成長投資枠」でも買えます。一方で買い方は一括でも積み立てでもOKという自由さがあります。今持っている商品を買い増しする手段として使っても良いですね。

そして「つみたて投資枠の銘柄って“長期・積立・分散投資に適した投資信託”なら安心・安全なのね」と、安堵したくなりますが、金融商品の詰め合わせ内容に応じて「値動きに大小があります」。

とくに「長期」というキーワードを肝に銘じて利用してください。
詳しくは後半で解説します。

「投資に興味がない」理由は「知識がない」から

「たまひよ」アプリユーザーに投資への興味の有無、興味がない理由について聞いてみました。

Q. 【投資をやっていない方に伺います】投資に興味がありますか?

興味がある 48.9%
興味がない 41.5%
その他 9.6%

Q. 「興味がない」とお答えになった方に伺います。その理由はなんですか?あてはまるものをすべてお選びください。

1位 知識がなく、怖いから
2位 やり方がわからないから
3位 お金が減る可能性があるから
   資金に余裕がないから
5位 面倒くさそうだから
6位 その他

投資に興味がない理由は「知識がないから」「やり方がわからないから」、そして「お金が減る可能性があるから」でした。お金が手元にあれば減ることはないので安心です。誰だって損はしたくありません。

けれども“NISAで放置したら、こんなに資産が増えました”というSNSやネット配信を見ると、胡散臭いと思う一方で「本当に儲かるの?」という疑問が芽生えます。ズバリFP前田さんに聞きました。

Q.資産は確実に増えるの?(くっきー) 投資をしてる人のうち、どれくらいの人が結果としてプラスになってる?(かえで)

繰り返しますがリスクのない投資はありません。投資には値動き(上がったり下がったり)がつきものです。

ただ、20年の長期で見ると「増える」と説明することができます。

金融庁の投資教育ページ金融庁の投資教育ページには、過去の実績に基づいて5年間投資した場合と20年間投資した場合の元本割れが示されています。
「スタンダードな国際分散投資※2 を20年続けた場合、元本割れしたことはないんですよね」と、書かれています。

※2 1989年以降、毎月同じ金額ずつ国内外の株式と債券に積立投資を行い、 5年間と20年間それぞれ保有した場合についての年間収益率と運用結果を計算したもの
https://www.fsa.go.jp/news/r3/sonota/20220317/04-2.pdf

わかりやすく試算してみました。
毎月1万円をタンス預金すると20年後は240万円です。

NISAのつみたて投資枠で毎月1万円を年率3.3%で運用できたら20年後は340万円(+100万円)です。年率5.6%ならば440万円(+200万円)になります。

前回、私たちの年金を運用しているGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)が、投資によって約132兆円(2001年~2023年度第3四半期)の累積収益額を得たと紹介しましたが、今のところ年率は3.99%ですので、上記の数字はあり得る年率といえます。

相場は日々揺れ動きます。世界のどこかで戦争が起きたり、どこかの国で「●●ショック」と呼ばれる暴落がおきたり。それは今後もあるでしょう。

上記で紹介した金融庁の投資教育ページでは、保有期間5年のグラフでは元本割れしています。

しかし20年30年と長期で世界を見れば、相場は上昇してきました。日本もバブルではじけ飛んだ株価が、20年以上の時を経てアベノミクスで息を吹き返しました。
金融商品は日々上昇と下落を繰り返しながら徐々に相場が上がっていき、20年30年と長期で見て恩恵を感じるものです。

投資メディアで「近い将来に使うお金はローリスク・ローリターンの手堅い投資銘柄にしましょう」書かれていても、5年以内の暴落に驚いて解約してしまうような方は、投資には不向きなので預貯金をおすすめします。

「値下がりは怖いけれど投資をやりたい」のであれば、余裕資金でなおかつ少額から始めてみましょう。ただし、少額の投資は資金が増えるペースがゆっくりなので、恩恵の実感は薄いです(笑)

私としてはせっかく投資を始めるのなら「実際に金融商品を買って値動きを体感しながら」→「分散投資について理解を深め」→「徐々に投資の金額を増やしていく」ことを心がけてほしいと思います。

一般的にはリスクを減らす方法として4つの分散投資の手法があります。

①国や地域の分散
②株式や債券などの商品の分散
③円やドルなどの通貨の分散
④積立や長期保有による時間の分散


投資信託は運用方針に従って、これらの分散ができる構造になっています。

投資が難しいと感じる方は④、つまり20~30年の長期的視野が一番おすすめです。

【番外編】買い付けの際には目論見書は必ず読もう。「信託報酬」をチェック!

投資信託の買い付けで必ず読まなくてはいけないのが「目論見書(もくろみしょ)」です。
ネットで買い付けするとこれを開かないと先の画面に進めないため、安易に「同意する」にポチッとしたくなりますが、実はとても重要な記載を見落とすことになります。FP前田さんからのアドバイスです。

「目論見書は『読んでいて蕁麻疹が出そう』という方もいらっしゃるほど小難しい書面です(笑)でもぜひ慣れていただきたい。この目論見書にアレルギーがある方ほど”思ったより増えていないので不満”だったり”値下がりが続くので早々に手放した”という方が多いです。
この目論見書にはコストについても記載があり、特に注意したいのが『信託報酬』の項目です。『信託報酬』はその投資信託を持っている期間、預けているお金から差し引かれた後の基準価額が表示されています。直接目に見える支出ではないので気づかない人もいますが、私たち投資家が負担することになるお金なので、何%なのかしっかり確認しましょう。

たとえば、投資信託を100万円分持っていたとします。信託報酬1.5%なら1年間で1万5000円、10年なら15万円の信託報酬を負担することになります。ただし、15万円は投資信託の基準価額が変わらなかった場合で、基準価額が上がれば信託報酬も上がります。
しかし銘柄によっては0.05%の信託報酬もあります。1年で500円、10年で5000円です。

値段が異なる理由は、投資信託はプロが運用方針に従って投資するものなので、手間がかかる運用であるほど信託報酬は高くなるのです」

今年の新規口座開設がすでに3倍。乗り遅れないように……と、焦りは禁物

FP前田菜穂子さんの前々回・前回からの解説・アドバイスで見えてきたのは、NISA・投資をする最低限の心構えは、

①自分に合った金融機関でNISA口座を作る
②投資には“当面使わない”生活余裕金を使う
③リスクとは仲良く、20年以上の長期的な視野をもつ


2024年から始まった新NISAは多くの人を投資の道へと導いているようです。
日本証券業協会によると、証券会社10社(大手5社・ネット5社)の2024年1~3月新規口座開設件数は約170万件で、同年同期と比較して3.2倍となりました。2024年1~3月のNISAの累計買い付け額(成長投資枠+つみたて投資枠)は、前年同期比で2.9倍です。※1

※1「NISA口座数」は、3月末時点の値の比較。「新規口座開設件数」及び「買い付け額」は、1~3月の累計の値の比較。実数値を用いて算出しているため、端数処理された表中の数字を用いた計算結果とは合わない場合がある。
出典:日本証券業協会より

この数字は今後も伸び続ける可能性があります。しかし「たまひよ」のアンケートでは、NISAについて「とりあえず始めたけれど、よくわかっていない」人が続出していました。
そんな子育て世代へFP前田さんよりメッセージです。

「投資を始めるなら、まずは意思をもって投資対象を選択して、とにかく淡々と意思を貫いてください。今日明日の値動きを見て慌てたり、誰かの言っていることを鵜呑みにして売ったり買ったりを繰り返さないでください。
そして資産形成の方法はさまざまです。我が家では教育資金を保険・貯蓄・投資の3つの方法で用意しています。皆さんなりの組み合わせをじっくり探していただきたいと思います」

※本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。
※本コンテンツの記載内容に関するご質問等には一切お答えいたしかねます。
※本コンテンツは、作成時点において信頼できると思われる情報に基づき作成されていますが、その正確性および完全性を保証するものではありません。また、読者の皆様が本コンテンツに含まれる情報に基づきとったいかなる行動に対しても、当社および著者・監修者は責任を負いません。

前田菜穂子

PROFILE)
みつめFP事務所代表で、1級FP技能士(国家資格)、CFP®(日本FP協会)、育勉®インストラクター、日本学生支援機構認定スカラシップ・アドバイザー(平成29年10月~令和7年9月)FPmamaFriendsおこづかい教室認定講師。猛烈に働いた13年間の会社員生活での挫折や長く続いた不妊治療経験など、人生の壁にぶつかったことをきっかけに、金融業界未経験ながら5年間猛勉強してFPの資格を取得。“今より幸せで円満な家庭づくりのお手伝い”をモットーとし、娘として、妻として、母として、そして専門家として広い視野をもち、親子や夫婦でも話題にしづらい「お金のハナシ」に向き合うきっかけを提供しています。プライベートでは一児の母。

みつめFP事務所「みつめfp.com」

Amebaブログ「オンライン親子おこづかい教室|家計診断FPなおママ」

FPmamaFriends「おこづかい」から始めるこどもの自立教育

(取材・文/和兎 尊美、たまひよONLINE編集部)

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2024年4月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数147人)
※記事の内容は2024年6月の情報で、現在と異なる場合があります。

赤ちゃん・育児の人気記事ランキング
関連記事
赤ちゃん・育児の人気テーマ
新着記事
ABJマーク 11091000

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第11091000号)です。 ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら→ https://aebs.or.jp/

本サイトに掲載されている記事・写真・イラスト等のコンテンツの無断転載を禁じます。