【1・2歳】お友だちトラブル かむ! たたく! ときの対処法
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言葉でのコミュニケーションが発展途上な1歳・2歳の子どもたち。お友だちと遊ぶ際にトラブルになると、気持ちが抑えられず「かむ」「たたく」といった乱暴な行動に出てしまうこともあります。「どうしてかみつくの?」「たたいてしまったときはどうしたらいい?」。そんなママ・パパたちの疑問・気がかりについて、子どもの言語・コミュニケーションの発達に詳しい発達心理学の専門家、荻野美佐子先生に聞きました。
お友だちを「たたく」のはなぜ? ― たたいた時の対処法
おもちゃの取り合いがエスカレートした時や、言葉でのやり取りが上手にできず、自分の気持ちが相手に伝わらなかったときに、興奮してたたいてしまうことがよくあります。相手を傷つけようとしているわけではなく、かかわりたい気持ちから起こることが多いようです。2歳代後半になると、おもちゃを取った子に「ダメ」を伝えるつもりでの正義感からたたく子も。
「たたいた」ときはどうする?
ママ・パパが感情的になるのはNG。「遊びたかったんだね」「イヤだったんだもんね」と自分の子の気持ちを代弁して落ち着かせます。原因が相手にあったとしても、「たたいたらイタイイタイよ」などと自分の子に注意し、相手の子と親に謝る姿を見せて。
「たたかれた」ときはどうする?
「痛かったね、ビックリしたね」と自分の子をいたわりつつ、「○○ちゃんも遊びたかったんだって」と落ち着いて状況を説明してあげて。相手の子にも「たたかないでね」とひと言注意するのが理想。その場に相手の親がいるなら、あとは任せましょう。
お友だちを「かむ」のはなぜ? ― かんだ時の対処法
言葉がうまく伝わらないもどかしさからなど、原因はたたくときと似ています。ただ、たたくときよりも、強い感情があるときや激しく興奮しているときにかむことが多いよう。歯形が残る、血が出るなど大ごとになりやすいですが、大人が大騒ぎするとかむ行動に効果があることを知って、繰り返してしまう子もいるので、冷静に対応して。
「かんだ」ときはどうする?
自分の子が興奮しているときは、少し離れたところで、「イヤだったよね」などと気持ちに共感しながら落ち着かせて。「○○ちゃんイタイイタイだよ」などと、かんだことで起きた結果を伝えながら、いけないことだとはっきり注意します。相手の子の傷の様子を確認し、相手の子と親に謝罪しましょう。
「かまれた」ときはどうする?
自分の子に声をかけ、ショックが強いようなら抱っこで落ち着かせて。ママ・パパが大騒ぎをするのは、どちらの子にも悪影響。冷静になって相手の子に「かむのはダメだよ」と注意し、念のため相手の親にもトラブルを伝えます。
1歳・2歳の「たたく」「かむ」は、悪意があってやるわけではありません。ママ・パパは、子どもの気持ちに共感しながら声をかけ、落ち着いて対応しましょう。(取材・文/前田ユリ、ひよこクラブ編集部)
取材協力/荻野美佐子先生
2018年まで上智大学総合人間科学部心理学科教授。専門は発達心理学。親子や保育園児の観察を通し、言語・コミュニケーションの発達などを研究。現在は放送大学等での授業担当や、障害児の療育の場にかかわっています。
参考/「1才2才のひよこクラブ」2015年冬春号「お友だちをかんだらかまれたら…」