「美少年に育ったらどうしよう…」複雑な気持ちの私に、夫が放った説得力MAXの一言 ~夫婦のじかん大貫さんの「ママ芸人日記」#3
2018年3月に男の子を出産した、お笑いコンビ「夫婦のじかん」の大貫さん。イラストレーター兼漫画家としても活躍中です。よしもと芸人・イラスト業・ママと毎日大忙しの大貫さんによるのコラム連載「ママ芸人日記」、第3回は「お腹の子が男の子だと判った時」のお話です。
「美少年に育ったらどうしよう…」複雑な気持ちの私に、夫が放った説得力MAXの一言
妊娠してから、一体いつお腹の子の性別がわかるのかとドキドキしていました。
妊婦検診の度に、次回はわかるかも、次回こそは!と勝手に期待を膨らませる日々。
周りの人に聞くと、16~20週くらいにわかる人が多かったのですが、私の場合は26週までわかりませんでした…!
それまで、いろんなジンクスを自分にあてはめてみたりしました。
お腹が前に突き出す感じなら男の子、体が丸くなると女の子、顔つきがキツくなると男の子、お腹の上で5円玉を揺らし、前後に揺れれば女の子…。
いろいろとやってみたところ、全く当てになりませんでした…!
前にも横にも突き出すお腹、顔つきは優しい方、5円玉はそのときによって揺れ方が違う…。
男の子は比較的早くわかるとのことだったので、きっと女の子なのかなと思っていたところ、まさかの男の子でした!
ついに性別が判明!
性別がわかると、今までぼんやりと「赤ちゃん」という感覚しかなかったお腹の子に、急に人間らしさを感じるようになりました。
男の子だと判明し、私の頭の中には、羽生結弦選手や松本金太郎くん(現・染五郎)が浮かんできました。
キリっとした涼しげな一重の天才肌美少年みたいな子が生まれてきたら、どうしよう…。
街を歩けばスカウトの嵐…そんなことになってしまったら…と、いらぬ皮算用を自然としてしまっていたのです。
それからは、テレビに美少年が映る度に、「はぁぁ…こんな子に育つのかな…」と複雑な、そしてどこか幸福な溜息を漏らす日々。
旦那との散歩中、いつものように、そんな溜息をついていると、旦那がその理由を尋ねてきました。
私は正直に、「生まれてくる子が、美少年だったらと思うと大変そうだなって思っちゃってさ…」と告げました。
すると旦那が、「ないないない!だって、俺の子だよ?」と、おもむろにメガネを外し、ぼってぼての明太子が付いているような一重瞼を私に見せてきました。
そうでした。
旦那はよしもとブサイクランキングで無名ながら3位に入るくらいの個性的な容姿の持ち主。
旦那と私の子なら、そんな心配はいらなかったと何故今まで気付かなかったのでしょうか。
呆然とする私に旦那はこう続けました。
「ほら!あのおじさん見てよ!」
旦那の言う方向を見ると、コンビニでお酒を買って、我慢できず店を出る前から飲んでしまっているおじさんの姿が。
「男の子って、羽生くんみたいな人だけじゃないよ、むしろ羽生くんみたいなキレイな人は稀で、あのお酒好きなおじさんだって、男の子の赤ちゃんだったんだよ!」
より一層呆然とする私。
男の子と聞いて、勝手に美少年を想像してしまった私。
街中のおじさんもおじいさんも変なおじさんも、みんな男の子の赤ちゃんだったんだ…。
とりあえず、笑顔の似合う明るい子に育ってくれれば、もうそれで十分幸せなことだなと、改めて実感しました。
夫婦のじかん大貫さん プロフィール
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属/夫婦お笑いコンビ「夫婦のじかん」の嫁担当。イラストレーターとしても活動中。相方は元・トンファー山西章博。息子(2018.3生)と夫との3人暮らし。2019年3月にコミックエッセイ「母ハハハ!」(PARCO出版)を発売。