【専門家監修】申請書見本つき! 3歳未満は月額1万5000円! 児童手当は子どもにかかる生活費を支援する制度 もらえる期間や申請方法は?
児童手当は、子どもが生まれたことで、かかってくる育児費や生活費を支援するために、中学3年生までの子どもがいる世帯に、国がお金を支給する制度です。家計を圧迫しがちな子育て費用を援助してくれる制度なので、子どもの可能性を広げられるように、有効活用したいものです。制度が改正される可能性もあるので、申請前に最新の情報を必ず確認しましょう。制度の詳しい内容について、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子先生、社会保険労務士の守屋三枝先生に聞きました。
児童手当をもらえる期間・もらえる金額
児童手当は、0歳~中学3年生までの子どもを扶養している人がもらえる手当ですが、所得制限で減額されたり、支給が停止されるケースもあります。また、申請しないともらえないので、赤ちゃんが生まれたらできるだけ早く申請しましょう。
支給期間は0歳~中学3年生まで
支給期間は、0歳~中学校修了(15歳に到達したあとの最初の3月)までです。ただし、最初の支給は、申請した翌月分から。申請した月は支給の対象になりません。また、申請が遅れた場合、申請前の分をさかのぼってもらうことはできません。もらい損ねることがないように、産後早めに申請しましょう。
3歳未満は月額1万5000円もらえる
支給額は年齢や所得で異なります。3歳未満は月額1万5000円ですが、3歳以降12歳までは第1子・第2子なら月額1万円、第3子以降は引き続き月額1万5000円が支給されます。
中学生は、第1子・第2子・第3子以降とも、月額1万円です。
ただし、所得制限を超える家庭は、子どもの年齢に関係なく、月額5000円になったり、支給が停止したりします。また、高校を卒業したお子さんは、子どもの人数には入れません。
所得制限は扶養者の人数に応じて異なり、パパがママと赤ちゃん1人を扶養している場合は、698万円(収入額では917万8000円)です。
受け取れるのは年3回
児童手当は、毎月振り込まれるわけではありません。受け取りは、2月(前年10~1月分)、6月(2~5月分)、10月(6~9月分)の年3回。申請した翌月分から申請の対象になります。たとえば4月に出産し、月内に申請すれば、5月分(1ヶ月分)が6月に振り込まれます。その後は、6~9月分(4ヶ月分)が10月に、10~翌年1月分(5ヶ月分)が翌年2月に振り込まれ…と続きます。
児童手当 申請先と手続きの方法
児童手当は産後できるだけ早く申請したいので、パパが手続きを行うケースが多いでしょう。手続きに必要なことは妊娠中に夫婦で情報共有しておくことが大切です。とくに、里帰り出産の場合、出生届は里帰り先の役所でも提出可能ですが、児童手当は住んでいる地域の市区町村役所に申請しなければなりません(公務員は職場に申請)。出産前に夫婦で段取りを打ち合わせておきましょう。
申請先は健康保険の種類によって違う
児童手当は生計中心者(夫婦の所得が高い方)が申請者になります。申請先は健康保険の種類によって異なります。
生計中心者の健康保険が国民健康保険・健康保険
申請先:住んでいる地域の市区町村役所
生計中心者の健康保険が共済組合
申請先:共済の窓口(職場)
産後できるだけ早く申請を
児童手当は、申請した翌月分から支給対象になります。まずは出生届を提出し、できるだけ早く児童手当を申請しましょう。妊娠中に、申請先の窓口で書類をもらっておき、必要な添付書類(健康保険証のコピー、マイナンバーが確認できるものなど、申請先に要確認)も準備しておくのがおすすめです。国民健康保険の人は、出生届を提出したら、その足で児童手当も申請するとスムーズです。
「15日特例」を知っておこう
支給の対象となるのは申請の手続きをした翌月分からですが、月末の出産や引っ越し、災害などやむを得ない理由で手続きができなかった場合、出産翌日から15日以内に申請して認定されれば、月をまたいで申請しても出産した月に手続きをしたとみなしてくれる特例があります。「里帰り出産だから」であっても、15日特例は適用になりません。
【たとえば1月25日に出産した場合】
出産翌日を起点に数えて15日目の2月9日までに申請すれば、2月に申請したとしても、特例として2月分から支給対象となります。
児童手当Q&A
Q. 出産の数ヶ月後にA市からB市に引っ越し予定。申請はどうすればいい?
A. A市で申請。転出後、B市で再び申請を
申請者が国民健康保険または健康保険の場合、A市で出生届を提出したその足で、A市で児童手当も申請します。ただ、児童手当は住所地の自治体から支給されるため、A市からの転出届を出した時点で、A市での受給資格がなくなります。引っ越しをしたら早めに、転入先であるB市の市区町村役所で、改めて児童手当を申請する必要があります。転入届を出したその足で、児童手当も申請するとスムーズです。
Q. 1月に出産し、1月中に申請。なのに、2月に振り込まれなかったのはなぜ?
A. 2月分の支給は、次の支給月の6月です
1月に申請した場合、支給の対象となるのは翌月の2月からになります。確かに2月は振り込みのある月なので、「2月の1ヶ月分が支給されるはずでは?」と思うかもしれませんが、2月分の支給は次の支給月である6月になります。6月に2、3、4、5月の児童手当4ヶ月分が振り込まれます。
Q. パパが単身赴任になったら?
A. 赴任先で改めて申請しなければならない場合もあります
児童手当は、家族の収入の要となる生計中心者に支給されます。そのため、生計中心者であるパパが単身赴任で住民票を移す場合、単身赴任先で改めて児童手当の申請をしなければならないケースもあります。現在住んでいる市区町村役所で確認しましょう。
Q. 振込先をママの口座にできる?
A. 申請者である生計中心者の口座が原則です
パパが生計中心者であれば、振込先はパパの口座でなくてはいけません。ママ名義や子ども名義の口座を振込先にすることはできません。
児童手当申請書の実物はこんな感じ
(1)基本的には世帯主の名義で、また自治体によってはパパ・ママのうち収入の多いほうの名義で申請します。どちらで記入するかは、市区町村役所で確認を。
(2)請求者名義の口座を記入します。
(3)監護・養育している18歳以下の児童すべての氏名を記入します。
(4)住民票上、請求者と親子関係があれば“子”と記入します。
(5)加入している制度に〇をつけます。
子どもが0~15歳まで支給される児童手当の総額は、所得制限未満なら約200万円。貴重な子育て費用なので、もらい損ねることのないように、しっかり申請を。そして、子どもの将来に備えて貯金する、保育費や教育費にあてるなど、使いみちをきちんと決めて、子どものために有効活用したいものですね。
なお、この記事の内容は2022年10月現在の情報に基づいて記載しています。ご自分が当てはまるかどうかについては、必ずパパかママの勤務先の担当者もしくは居住地の役所などの担当窓口にお問い合わせください。
(文/たまひよONLINE編集部)
●記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
初回公開日 2019/08/06
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