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産後、パパにイライラするのは、「不都合な自分」が原因!?ママの気持ちを心理学的に解説

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若い母親は、彼女の生まれたばかりの赤ちゃんの男の子を保持
tatyana_tomsickova/gettyimages

「産後クライシス」という言葉を聞いたことはありませんか? 「産後、夫婦仲が急激に悪化する現象」を指す言葉として、6~7年ほど前から使われるようになりました。このような言葉が生まれるということは、産後が夫婦仲にとって危機になりやすいタイミングということ。多くの女性が「産後、夫にイライラした」という経験があるのではないでしょうか? この時期の女性の心理状態について、ママ臨床心理士の須山先生にお話を聞きました。

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「いい親になりたい!」けどできない、なれないつらさ…

初めての出産・育児は女性にとってとっても大きな変化です。赤ちゃんの誕生はうれしいけれど、出産や慣れない育児は女性の体と心に大きな負担を与えます。まわりの人の多くは赤ちゃんへの関心が大きく、そこからプレッシャーを感じてしまう女性も。
「以前は100%自分だったのが、産後は急に母親100%にならざるを得ない状況。周囲からのプレッシャーを感じたり、『頑張りすぎなくていいよ』って周囲の人が言ってくれたとしても『いい母親になりたい』という自分自身からの期待を背負ってしまうことが多くの女性にあるんです」と須山先生は話します。
とはいえ、「なりたい母親像」は実際のお世話の前ではそう簡単になれるものではありません。さらには出産という大変な経験をした自分のこともわかってほしいという母、私、という二つの感情がないまぜになって女性におしよせます。
その葛藤が心理学的にはとてもつらいことなのだとか。

葛藤からネガティブな感情を身近な相手になげつけてしまうことが

「葛藤(かっとう)があっても元気なときは自分の中でうまく消化できる」と須山先生は言います。
「でも余裕がないときは葛藤をうまく抱えられない。そんなときにどんな心理状態になるのか。葛藤している気持ちの片方を自分から引っぺがして親しい人に投げつける、これを心理学的には『スプリッティング(引きはがす)と投影(投げつける)』と言います。自分にとって不都合な気持ちなので、『ここからは私じゃない!』と、自分から分裂させて、他者にペタッとはりつけてしまうんですね。」
ママにとっていちばん身近な存在が夫であるパパなので、多くの場合『ママの不都合な気持ち』がパパにはりつけられてしまうそう。そんな状態になると、女性にとって夫が現実以上に自分勝手に見えてしまうことがあるのだそう 。

ただ怒るだけでなく本当の気持ちを見つけることが大切

理想が高い女性ほど「不都合な自分=理想の親になりきれない自分」を邪魔に感じてしまうので、それを夫に投影してイライラしてしまうことが多いんだそう。「産後クライシス」を回避するためにはどうしたらいいのか、須山先生に聞きました。
「赤ちゃんが生まれる前から『産後はそういう気持ちになることが多い』ということを夫婦ともに理解しておくことが理想です。葛藤を抱えた産後のママがイライラする気持ちをがまんするのはとても大変。」
イライラは怒りの感情ですが、これは二次的な気持ちで、その根っこには一次感情があるといいます。それはたとえば、眠い・おなかすいた・疲れた・寂しいなどの気持ちのこと。
「パパにイライラしてしまったら、二次的な気持ちが少し落ち着いたタイミングで『本当はどうしたかったの?』という自分の一次的な根っこの気持ちに問いかけて、本当の原因を探るといい」と言います。

「どうしたらいいか」というヒントを夫婦で探すには、 理想のセリフを紙に書くのがおすすめ

本当はなにが嫌なのか、自分の葛藤の整理に役立つのが、夫や周囲からどういう言葉をもらったら自分の気持ちが落ち着くのかを考えてみることです。

「『あんなこと言うなんて…!』『あのセリフに腹が立った』など、私たちは普段『言われて嫌だった言葉』のほうを考えてしまいがちですが、視点を変えて『言ってほしかった言葉』を紙に書きだすのがおすすめです。『今でも十分いいお母さんだよ』『悩まなくていいよ』あるいは、『おれが悪かったよ』など。実際に夫や周囲が言いそうなセリフでなくても、こんなことを言ってもらえたらうれしいというメモを作ることで、自分の葛藤の整理ができて、落ち着くこともあります」と須山先生は話します。

また、このメモを夫婦で共有できたら、パパ側もママがイライラしているときどうしたらいいか、行動しやすくなるでしょう。

ずっと続く子育ての壁を夫婦で乗り越えられるかどうかは、 赤ちゃん時代からの積み重ねが大切

産後すぐは夫婦ともに余裕がない時期。でも、子育ては産後だけではなく、赤ちゃんが大人になるまでずっと続くもの。ママとパパは、今後何十年も母親・父親として一緒にやっていく中で、子どもの思春期など壁にぶつかることが何度もあるでしょう。その時に夫婦で協力して壁を乗り越えられるかどうかは、赤ちゃん時期の育児からの積み重ねが大きいと須山先生は言います 。

「産後、パパにイライラしてしまうママは多いですが、ほとんどの場合、愛情がなくなったわけではないんですね。ママは四六時中イライラしているわけではなく、イライラしていないタイミングもあります。その時にママもパパも意識してお互いの気持ちに歩み寄った行動ができるといいですね」(取材・文/ひよこクラブ編集部)

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妊娠・出産と、慣れない育児によって体と心に変化が大きい産後のママ。相反する気持ちによって葛藤が生まれると、パパにネガティブな感情を押しつけてしまう…。ママ・パパともに「そういう気持ちになることが多い」ということを理解して、「産後クライシス」を上手に回避できるといいですね。


監修/須山智子先生(臨床心理士)
カウンセラーとして夫婦関係と子育て相談を専門に活動している先生。2人の女の子のママでもあり、「『自分と家族にモテモテに』を合言葉に、夫婦がいつまでも仲よく、子どもに本物の愛を示せるママをめざす『ママモテ部』」を提唱しています。

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