子どもがスマホに接する頻度が4年前から大きく増加! デジタル利用はどこまでOK?
スマートフォンやタブレットの所持率が増えたことで、子どもが利用する機会も増えているようです。未就学児の親を対象に行った調査によると「スマホに接する頻度が4年前から大きく増加し、2割以上が『ほとんど毎日』使っている」ということがわかりました。ただ中には、子どもが動画やゲームに依存してしまわないか、心配する声も少なくありません。スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器と子どもの接し方について、調査データを基にベネッセ教育総合研究所に話を聞きました。
2割以上が「ほとんど毎日接している」という結果に
以下のグラフは、ベネッセ教育総合研究所が0歳6カ月〜6歳就学前の子どもを持つ親を対象に行った「乳幼児の親子のメディア活用調査」のデータです。2013年と比較して、2017年では子どもがスマートフォンやタブレットに接する頻度は増加傾向にあります。
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スマートフォンの使用頻度は、前回の2013年のアンケートに比べ、「まったく見ない(使わない)」が46.9%から28.6%に減少。一方、「ほとんど毎日」が11.6%から21.2%と2倍近くに増えています。
では、子どもたちはスマートフォンをどのように使っているのでしょうか?
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使い方は、「写真を見せる」が84.4%(「よくある」「ときどきある」の合計)といちばん多い結果に。「YouTubeなどで検索やダウンロードした動画を見せる」という項目も多いですが、「あなたやお子さまが撮った動画を見せる」「写真を撮らせる」「一緒に踊る」といった、親子一緒の場面で使用されているようです。1日の使用時間も15分以下(「15分未満」「15分くらい」の合計)が約8割という結果でした。
子どものスマホ利用率が増えている背景とは
スマートフォンの利用率が増えた背景について、ベネッセ教育総合研究所は次のような見解を述べています。
「一般的にスマートフォンなどが普及しているため、親が使っている様子をそばで見て、すぐに操作を覚えてしまうことなどが、子どもの利用率増加の要因と考えられます。また、タッチパネルは0~2歳の小さい子どもでも操作がしやすいこと、外出先や家事・育児で忙しいときなどに短時間でも使える便利さも、使用頻度の増加に関連しているのではないかと考えられます。
子どもがスマートフォンに接する機会は急速に増えましたが、同じ調査の中で、1日の使用時間を聞いてみると、1日15分未満・15分くらいが合わせて約8割と心配するほどの長さではありませんでした。子どもの興味に合わせた良質な内容のものを選び、親子のコミュニケーションの手段として上手に使うことが大切ではないでしょうか」(ベネッセ教育総合研究所)
わが家のスマホ&タブレット活用法
ただ、同じ調査の中で「メディア使用の意識や抵抗感」のデメリットについての回答では、心配な声も寄せられています。「目や健康に悪い」「夢中になりすぎる」「長時間の視聴や使用が続く」といった項目の選択率が多く、動画視聴のコントロールに苦労している人もいるようです。各家庭では、どのような工夫をしているのでしょうか? 口コミサイト「ウィメンズパーク」に、ママたちから寄せられた声をご紹介します。
「わが家の下の子は、スライムを作る動画にハマっています。自分でオリジナルスライムを作って研究しているみたいです(笑)実験みたいで、夫も楽しんでいますよ。動画にもいろいろあるので、こういった遊びの参考になるものを選んで見るならいいと思います」
「遊園地へ遊びに行くときは、重たくなるのでオモチャ類はほぼ持っていかず、待ち時間にはスマホで娘の写真を見せたり、おしゃべりしたりして過ごしました」
「スマホを子どもに渡すのは、本当に私が手を離せないとき、疲れてちょっと休みたいときなど、タイマーをかけて15分だけにしています。動画が大好きでスマホを見つけただけで、見たいと言うので、基本的にスマホは隠しています。やはり長時間使用はよくないので、極力控えるようにしています」
皆さんスマートフォンやタブレットの利用方法や時間を決めて、上手に対策を立てているようですね。年齢が上がるとさらにスマートフォンの使用頻度は高くなり、ゲームや動画視聴の時間制限をすることは難しくなることも。使用については、時間を制限する、見せたい番組以外はフィルターをかけるなど、ルールや対策について夫婦や家族で話し合っておくことが大切かもしれません。(文・酒井範子)
〈調査データ〉
出典:「第2回乳幼児の親子のメディア活用調査」(ベネッセ教育総合研究所)
■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。
■記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。