子連れママやパパが注目。あおり運転対策のドライブレコーダー、弁護士が解説
道路上には危険がいっぱい。お出かけ中の家族やファミリーカーの安全を守るには、ドライブレコーダーが力を発揮します。そこで、今一度、ドライブレコーダーのメリットを弁護士の鬼沢健士さんと確認してみましょう。
鬼沢健士 じょうばん法律事務所 弁護士
裁判所に行くために自動車を利用することが多く、たくさん運転しています。交通事故、労働、家事案件を中心に扱い、交通事故案件ではドライブレコーダーの必要性を痛感した事例が多くあります。
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ドライブレコーダーって、どういうもの?
ドライブレコーダーは、文字通り、ドライブ時の様子を録画する機器のことです。略してドラレコと呼ぶことも多いですね。
昨今のあおり運転などのニュースから、ドライブレコーダーの映像を見る機会も増えていますが、設置はまだしていないという方が多いのではないでしょうか。
以前は、車体前方のみを撮影できるものしかありませんでしたが、最近では後方を撮影できるものも多くなってきました。さらには車体の左右両側や車内、360°まで撮影できる高機能な機種も販売されています。また、撮影された映像をスマホで見ることができる機種も多いです。
購入する際は、「スマホとの連携」「撮影角度」「画質」などを中心に検討するといいでしょう。
こんなに役に立つドラレコですが、法律上は設置義務がありません。そのため、自主的に設置する必要があります。では、ドライブレコーダーはどんなときに役立つのでしょうか。
ドライブレコーダーが役に立つ場面
事故をはじめとする道路上でのトラブルを、動画という形で手軽に残せるのはドライブレコーダーだけです。
例えば、前方車両に追突してしまった場合、普通は追突した側が全面的に悪いことになってしまいます。しかし、前方車両があおってきたという証拠があれば、追突事故を起こした責任を免れられる可能性があります。特に、相手の被害が大きい場合には賠償額も相当高額になるので、ドライブレコーダーによる証拠がとても重要です。
また逆に、自分が交通事故の被害者側になってしまった場合、自分に過失がないこと・相手にだけ責任があることを証明するのにも役立ちます。
つまり、ドライブレコーダーは、加害者になってしまいそうなときにはそれを回避し、被害者になってしまったときには加害者の過失を証明するという両面において役立ちます。ドライブレコーダーの有無1つで過失割合が大きく変わることが十分に考えられます。
またドライブレコーダーが役に立つのは事故のときだけではありません。エンジンが切れていても、振動によって録画を開始する機能を持つ機種があり、駐車時の当て逃げ対策や盗難、車上荒らし防止に一役買います。
実際に悪質な運転に遭遇してしまったら
どんなに交通ルールを守っていたとしても、悪質なドライバーを回避できるわけではありません。
悪質運転者とは張り合わず、とにかく重大事故回避に徹すること。道路上で勝ち負けを競ったり張り合っても意味がありませんので、逃げに徹することが大事です。そして絶対に窓を開けてはいけません。
そして、ドライブレコーダーで録画できた場合には、警察に通報しましょう。ドライブレコーダーを設置していない場合には、スマホなどで撮影することが後のための有効手段となります。しかし、焦ってうまくスマホを操作できなかったり、相手にカメラを直に向ける必要があるなどのデメリットがあるので、やはりドライブレコーダーがあると安心ですね。
また、ドライブレコーダーの設置と合わせて、ドライブレコーダーで録画中であることを示すステッカーを車体に貼ることで、悪質なドライバーとの遭遇の抑止力となることが期待できます。
日常に潜む危険で最も遭遇してしまう可能性が高く、かつ深刻なトラブルである交通事故ですが、実際に遭うまではドライブレコーダーの必要性は実感しにくいものです。本当は自分が悪くない事故、本当は相手に責任がある事故なのにそれを立証できないという事態を避けるために、ドライブレコーダーは必須です。
一度設置してしまえばずっと使えるものですから、できる限り早い設置をおすすめします。