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血圧低下や意識障害…赤ちゃんのアナフィラキシーショックとは?

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母がアジア彼女の新生児
alice-photo/gettyimages

食物アレルギーの強い症状として知られる「アナフィラキシーショック」。「ひよこクラブ」編集部にも「離乳食で新しい食材を食べさせるときにいつもドキドキしている」「ショック症状を起こしてしまったらどうしよう?となかなか離乳食を進められない」などのママ・パパからの声が届きます。乳幼児の食物アレルギーにくわしい相模原病院の佐藤さくら先生に、アナフィラキシーショックについて、また先生が診察されたことがある実例などについて聞きました。

関連:「ひよこクラブ」人気連載!小児救命救急センター24時【ピーナツアナフィラキシー】

赤ちゃんのアナフィラキシーショックとは?

アナフィラキシーとは、アレルゲンなどが侵入することで全身にアレルギー症状が出ることをいいます。そのなかでも、血圧低下や意識障害といった危険な症状が、アナフィラキシーショックです。赤ちゃんの場合、機嫌が悪くなる、顔や体が赤くなる、せきやぜーぜー、繰り返し吐くなどの症状があります。さらに進むとぐったりとして顔色が蒼白になっていきます。症状が重く、対応が遅れると命にかかわることもあります。

ー0才代で、それまでアレルギー症状がなかった子でも発症することがありますか?

はい、あります。6~7カ月の赤ちゃんでもアナフィラキシーショックの症状が出ます。母乳栄養で育った赤ちゃんに、初めてヨーグルトを与えたところ、機嫌が悪くなって、全身が赤くなり、せきが止まらなくなり救急車で運ばれてきたことがありました。初めての卵や乳製品を与えたことで食物アレルギーに気づくケースもあります。

発症してはじめて「うちの子がアレルギー!?」と驚くママもいらっしゃるのですが、気づかなかっただけでアトピー性皮膚炎などのアレルギー素因がある場合が多いです。

もともとアトピー性皮膚炎がある場合には、初めて卵や乳製品を食べさせるときには体調がいいときにほんの少量から食べさせてみるのがいいでしょう。

ー発症するのは離乳食だけですか?

生まれてからずっと母乳栄養の赤ちゃんが、初めてのミルクでアナフィラキシーショックを発症することもあります。赤ちゃんを預けることになり、やむを得ずミルクを与えたら機嫌が悪くなり大泣き、全身が赤くなってきたというケースでした。

ー1才代で初めて発症したというケースはありますか?

1才代で最近診察をしたのは、魚卵でのアナフィラキシーショックです。ほとんどが、イクラが原因です。乳幼児期の魚卵アレルギーのほとんどがもともとアレルギー素因のあるお子さんの場合です。
1才代後半以降になり赤ちゃんを卒業すると、家族で外食する機会が増えますね。前出の例は、中でも家族連れに人気がある回転ずし店で、何気なくイクラを食べたら顔や体が赤くなり、ぐったりしてきてしまった…と病院に運ばれてきたものでした。
卵アレルギーを持っていて、鶏卵は気をつけていても、ほかの食材にまで反応するとは思っていなかった、という例です。

魚卵のほか、最近目立つのはくるみやカシューナッツ。何気なく与えたクッキーなどのお菓子に入っている木の実がアナフィラキシーショックを発症させることもあります。

ー発症は予防できますか?

アナフィラキシーショックに限らず、食物アレルギーは食べさせてみて気づくことが多いもの。離乳食で初めて与える食材は少量からにし、体調がいいときを選ぶといいですね。赤ちゃんを預けるときには離乳食だけでなく、ミルクもアレルギーがないことを確認してからのほうが安心です。
ただし、食物アレルギーを心配するあまりに卵や牛乳を与えないのはNGです。
6カ月から卵を食べさせている赤ちゃんと、まったく食べさせていない赤ちゃんとで1才時点での卵アレルギー発症率を調べたところ、6カ月から卵を食べさせた赤ちゃんのほうが発症を抑えられたというデータもあります。自己判断で遅らせることはやめましょう。

ーもしなってしまったとき、 どうすればいい?

初めてのアレルギー反応で、アナフィラキシーショックかどうか迷ったときは、じんましんなど皮膚症状だけでなく、せきや嘔吐(おうと)、顔色が悪い、ぐったりしているといった症状がないかチェックしてください。ひとつでも気になる様子があれば救急車を呼びましょう。
一方、アレルギー素因のあるお子さんの場合、その対応のためにふだん処方されている薬があれば、まずは飲ませ、なるべく早く受診しましょう。薬を飲めないほどぐったりしている、また、前述した全身症状が出ているときは救急車を呼んだほうが安心です。

いかがでしたか? アナフィラキシーショックは症状が激しく、周囲も動揺してしまいます。しかし、その多くは治療を受けることでよくなっていきます。「うちの子アトピーかも?食物アレルギーかも?」と気になることがあれば、自己判断で特定の食材を与えないということは控え小児科を受診してみましょう。
(取材・文/岩崎緑、ひよこクラブ編集部)


お話/
佐藤さくら先生
(独立行政法人国立病院機構相模原病院 臨床研究センター 病態総合研究部 病因・病態研究室長)
小児科医。日本アレルギー学会代議員。日本小児アレルギー学会評議員。診察と同時に食物アレルギーの現状、原因の研究を重ね、アレルギーに悩む親子に寄り添う。

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