元ギャルのカリスマ小脇美里「育児は全然キラキラしてない」
今回は、育児ってキラキラ? 高校時代よりギャル雑誌などで読者モデルとして活躍し、大学卒業後、ウエディングドレスのデザイナー、エディター、スタイリストなど多岐にわたり活動。同世代から圧倒的な支持を得ている小脇さんのエッセイ「小脇美里の子育てのホンネ」#3
私自身も、SNSではキラキラ演出していました
先日、生後半年の赤ちゃんのママから、「育児が想像以上に大変すぎて…。月齢の近いほかのママのSNSやママ雑誌で、赤ちゃん連れで優雅にランチしたり、キレイにメイクしているのを見て、そのあとに鏡の中の自分を見ると、髪の毛はボサボサ、ノーメイクで顔色も悪くて、すごく落ち込む」と相談を受けました。もうね、これ本当に、わかるっ…!! 私も一時期はSNSを見るのが怖くなっていました。でもでも、そんな私も当時は自らが発信するSNSや雑誌で『キラキラ風』を装っていました。もちろん普段はすっぴん+パジャマで、なかなか寝てくれない息子を抱えて日々いっぱいいっぱいで、それはもうヒドイ状態でしたが…SNSの中では頑張ってキラキラ感を演出していました(笑)。きっとSNSで楽しそうに見えるあのママも、雑誌の中で笑っているあのママも、普段はノーメイクでボロボロだと思います。私のまわりには仕事の関係でモデル、芸能人など、一見『キラキラして見える』人が多いです。だけどあれはプロの手が入って、まわりのサポートがあって、キラキラに仕上げてもらっているんですよね。みんな現場入りするときなんて、それはもう悲惨な状態です(笑)。「今朝、顔を洗う時間なかったから洗っていいですか!?」なんて言う人も。リアルはそんなもんです。そこからプロが化粧をして、衣装を着せて、照明を調整して、キレイに撮影して。さらにそこにレタッチなんて技術を加えて、いらないものは消している場合もあります(笑)。
SNSで見えるのはその人の『全部』ではない
つい最近もSNSでキラキラな生活を発信している、人気インスタグラマーのママ友に「本当にいつも料理も完璧で、部屋もキレイですごいね〜」と話したら、「いやいや、そのキレイな写真を撮っている横は、ぐっちゃぐちゃのままのおもちゃが散乱しているし、床には子どもがこぼしたパンくずだらけだわ」と笑って返されました。そうそう、それがリアル! SNSって、毎日のように更新されるから、まるでそれが全部のように見えてしまうけれど、そんなのは本当に一瞬。だからそんなふうにほかのだれかを見て、「自分はキラキラしていない」「ダメなのかな…」なんて悩んでいる人がいたとしたら、ぜひこの話を思い出してほしいなと思います。だれかにとってキラキラして見えることは、もちろん大事かもしれない。でも私たちのすぐ目の前には、とびきりのキラキラの目でママを見つめてくれるわが子がいて。その子にとっては、今は見るものすべてが新鮮で輝いて見えているはずで。そんなキラキラの目にいちばん多く映るママという存在は、どんなにボロボロでも、間違いなくキラキラして見えていると思うんです。子どもはママがそばにいてくれるだけでうれしい。一緒に笑ってくれるだけで幸せかな…と。だからどうか自信を持って。ほかのだれかの切り取ったキラキラに惑わされないで。今、髪の毛を振り乱しながら、子どもの命を守っているあなたは、だれよりもキラキラと輝いていると私は思います。
(撮影/okutsu family
構成/ひよこクラブ編集部)
小脇美里
●プロフィール
アパレルプレス&デザイナーを経て、ファッションエディターに。2015年に第1子を出産。産後は整理収納アドバイザーやさまざまな商品企画のプロデュースなど多岐にわたり活躍。2019年の経済部門ベストトマザー賞も受賞。