家事は道具の選び方と収納で劇的に変わる。時短家事のプロに聞く
育児も家事もきちんとやりたいけれど、時間がたりない…と毎日モヤモヤしていませんか。実は、家事は道具の選び方と収納をちょっと変えるだけで劇的に効率を上げることができるんです!料理・洗濯・掃除の家事別に、知的家事プロデューサーの本間朝子さんに教えてもらいました。
いつものキッチン道具を〇〇に変えるだけで超時短!
まずはキッチンからスタート。調理に欠かせないのが包丁、菜ばし、おたまといった道具たち。これらを毎日使っている道具を用途に合わせて変えるだけで、料理の効率を大幅にアップさせることができます。便利な道具には、
■洗い物が減る
■手を洗う回数が減る
という、大きな2つのメリットがあります!とくにおすすめのキッチン道具を3つ、紹介します。
【1】まな板要らず!~キッチンばさみ~
野菜、肉、魚、と食材を切るごとに包丁とまな板を洗うのは面倒だし、時間がかかるもの。キッチンばさみなら、まな板がなくても食品トレーの上で鶏肉をぶつ切りにできたり、ねぎを鍋の上でちょんちょんと切ってみそ汁の具にしたり、トマト缶の中に刃先を差し込んでこまかくカットしたり…と包丁でしていることの多くをカバーできます。
使ったら、刃先を洗剤で洗えばOK!洗い物が格段に減ります。また、赤ちゃんの離乳食を作るとき、少量の食材をこまかく切りたいときにも重宝します。
【2】肉料理でも手が汚れない!~トング~
肉や魚などの食材を扱うとき、手を何回ぐらい洗っていますか?肉を触った手で調味料のビンやフライパンなどを触ると汚してしまうので、何度も手を洗っているのではないでしょうか。また、調理中に赤ちゃんが泣きだしたりしたときも、手が汚れているとすぐに行けませんね。
菜ばしよりトングのほうが落としたり取りこぼしたりするリスクが少ない利点もあります。
トングにはたくさんの種類があります。小さいもの、大きいもの、幅広のもの、細いもののほか、肉を一枚ずつはがせるものや立つものなどもたいへん人気です。
よく作るメニューに合わせて、まずはお気に入りのトングを1本選んでみてはいかがでしょうか。
【3】すくって回すだけでみそ汁完成!~みそマドラー~
みそ汁を作るときに便利なのが、みそをすくう、味見しながらみそを調整する、溶く、の3つの工程を1つの道具でしてくれる、みそマドラーです。小さな泡だて器のような形をしていて、みその中に差し込んで回転させると大さじ1または大さじ2がすくえます(商品により異なります)。そして、そのまま鍋の中でクルクルさせるだけでみそが溶くことができます。ドレッシング作りや卵溶きにも便利です。
キッチン道具の収納ポイントは、探す手間が減る「グルーピング」
キッチン道具は数だけでなく種類も多様で、適当に置くとどこに置いたかわからなくなり、モノを探す手間が増えてしまいまいます。
そこでおすすめなのが、キッチン道具のグルーピング。グループ別に収納することで、道具を探す時間と手間を大幅に減らすことができます。グルーピングにはいろいろな方法があります。
■目的別
・計量(カップ、スプーン、はかり)
・切る(包丁、皮むき、キッチンバサミ)
■形状別
・長いもの(おたま、菜ばし、へら)
・重なるもの(保存容器、ボウル、ざる)
■頻度別
・よく使う(菜ばし、計量スプーン、おたま)
・たまに使う(皮むき、キッチンバサミ)
以上は一例なので、よく作る料理や調理スタイルなどから、自分でベストのグルーピングを作ってみてください。
洗濯が面倒なアイテムがないか、見直してみよう!
次に洗濯についてみていきましょう。毎日何気なく洗っている衣類や布類ですが、洗濯を効率的にするには、
■洗いやすいもの
■干しやすいもの
■乾きやすいもの
■収納しやすいもの
といった条件を満たすものを選ぶことがポイントです。身のまわりに洗濯が面倒なものがあったら、洗いやすいものに変更できないか、見直してみましょう。ここでは変更しやすい3つのアイテムを紹介します。
【1】バスタオルをフェイスタオルに変えてみる
赤ちゃんの湯上がりにはバスタオルを使うことが多いですが、大人もバスタオルを使っていませんか。バスタオルはフェイスタオルの3枚程度と大判で、洗う、干す、しまう、どれをとってもスペースと量を一気に増やしてしまいます。そこで活躍するのが、フェイスタオル。十分体の水分はふき取ることができ、洗濯量が減るだけでなく、収納にスペースをとられないのもポイントです。
【2】マット類を見直してみる
玄関、キッチン、トイレ…と部屋には多くのマット類があるのではないでしょうか。そしてこのマット類の洗濯、乾きにくく、ほこりやゴミなどがついていることも多いので、ちょっと大変ですよね。撤去してしまうの方法ですが、バスマットを珪藻(けいそう)土のものに、トイレマットをビニール素材のふくタイプのものに変えるのもおすすめです。
キッチンや玄関マットは、撤去しやすいですが、マットを無くしたぶん、掃除はしないといけないので、マットをなくすかどうかは「掃除と洗濯のどちらが好きか」で判断してくださいね。
【3】ワイシャツを形態安定タイプにする
家族がワイシャツを着るお仕事の場合、アイロンがけは大きな負担です。
アイロンがけを減らすには…
1 クリーニングを利用する
2 シワにならない洗濯ネットを使う
3 形態安定シャツにする
といった方法があります。このなかで、いちばん取り入れやすい方法はどれでしょうか?費用はかかってもパリッと完璧な仕上がりがいいなら①です。②はワイシャツ専用の洗濯ネット「ネットdeきれい」などを使います。シャツをたたんでネットに入れて洗濯するだけで、大幅にシワを軽減してくれる便利アイテムです。
③は、昔はポリエステル50%のシャツが多かったのですが、今は綿100%のシャツもあります。生活スタイルを変えずに取り入れやすいので、育児に忙しいママにおすすめです。
最難関のハンガー収納を攻略する!
ハンガーはバラバラしていて数が多いと結構場所を取りますね。
ハンガー収納の最大のポイントは「干すときに使ったハンガーは収納まで使う」ということ。
そして、ハンガー収納にするとき、気をつけたいのがハンガー選び。ハンガーのデザインを統一すると、クローゼットがスッキリして見えます。デザインがバラバラだとごちゃついて見えるので、思いきってそろえてみてはいかがでしょうか?
掃除道具は「使うのが楽しみ」なものを選ぼう
最後に掃除道具です!
■見た目がいいもの
■手が汚れにくいもの
■使ったあとの手入れが簡単なもの
という3つのポイントをおさえて選ぶといいですよ。
【1】おしゃれな道具でこまめに掃除!
掃除はつい後回しにしがちな家事ですが、ためこむほど大変になります。ですから、ほこりや汚れを見つけたらその場ですぐ掃除できるように、お気に入りのデザインの掃除道具をすぐ手に届くところに置くのがポイントです。
【2】手が汚れにくい掃除道具ならやる気アップ!
汚れに気づいても、汚したくない服を着ているときは、手や服が汚れないか気になって後回しにしてしまいがちですね。スポンジやブラシをポールの先にマイクロファイバークロスを取り付けて掃除するワイパーや、持ち手のついたスポンジやブラシなど、水に直接手が触れないハンディータイプの道具を選んでみましょう。気負わずに掃除することができますよ。
【3】代用できるもので「ついで掃除」
たとえば洗顔したあとに顔をふいたタオルやスキンケアをするとき使うコットンも、掃除道具に使うことができます。タオルで顔をふいたら洗面台の水滴をさっとふいてそのまま洗濯機へ…、使ったコットンで排水溝にたまった髪の毛やゴミをとってそのままゴミ箱へ…と、何かを捨てるその前に「これでどこか掃除できないかな?」と考えてみませんか。
掃除道具は汚れやすい場所に、「出しっぱなし」がいい
掃除道具は、こまめにできるように、出しっぱなしにしておきましょう。場所は、目につくところや汚れがたまりやすいところがおすすめです。私は、ベッドサイドやテレビなどほこりがたまりやすい場所にスリムなハンディーモップを置いています。ホコリが見えたらさっとふくだけ。汚れもストレスもたまりません!