【医師監修】食物アレルギーから子どもを守るために知っておくべきこと
食物アレルギーは、ママ・パパからの心配の声が多いことの一つです。実際に食物アレルギーの子どもは増えていて、0~1才児の発症率も高いので、事前に正しい知識を持ち、備えておくことが大切です。ここでは、食物アレルギーの「きほんのき」を、アレルギー専門医の相模原病院 佐藤さくら先生に教えてもらいます。
「食物アレルギー」ってどんな症状が出るのですか?
人の体にはもともと、細菌やウイルスといった有害物質が入ってきたときに体を守るための「免疫」という防御システムが備わっています。食物アレルギーは、本来は無害なはずの食べ物を摂取した際に、免疫が過剰に反応してしまい「異物」と判断して攻撃を始める状態です。食物アレルギーの症状は、かゆみやじんましんのような軽い皮膚症状をはじめ、嘔吐(おうと)・呼吸困難・下痢などさまざまです。
中でも、機嫌が悪くなる、顔や体が赤くなる、せきをしたり、ぜーぜーしたりする、繰り返し嘔吐する、など急激に症状が悪くなる「アナフィラキシー」は注意が必要です。さらに進むとぐったりして顔色が蒼白になり、血圧の低下や意識障害といった症状を引き起こす「アナフィラキシーショック」という状態になり、場合によっては命にかかわることもあります。
「アナフィラキシー」の原因と備えは?
「アナフィラキシー」を引き起こす主な原因は、食べ物(卵、牛乳、小麦、そば、ピーナツなど)のほか、薬(抗生物質、解熱鎮痛剤、造影剤、麻酔薬など)、昆虫(蜂など)などがあります。
ここでは、食物アレルギーが引き起こす「アナフィラキシーショック」について、ママ・パパに知っておいてほしい3つのことを説明します。
【1】アレルゲンを知る
食事のあとに顔や体が赤くなる・じんましんが出る・咳や嘔吐をするなど、アレルギーを疑う症状が出たら、まずは医療機関に相談しましょう。人によってアレルギーを引き起こす原因(アレルゲン)は違いますので、まず、アレルゲンを知ることがスタートです。
【2】アレルゲンを避ける
アレルゲンがはっきりしたら、医師の指導のもと「原因食物の除去」を行います。決して自己判断で除去を進めてはいけません。医師と相談し、原因食物の除去は必要最小限にとどめることが大切です。
【3】アナフィラキシー症状の発現に備える
間違って原因食物を食べてしまうと自宅や外出先などでアレルギー症状が出てしまいます。そのときに対応できるよう、あらかじめ医師に相談しておくと良いでしょう。特に過去にアナフィラキシーの経験があったり、その危険があると思われるお子様は、事前に医師に相談しておくと良いでしょう。万が一アナフィラキシーが発現したときは、すぐに救急車を呼びましょう。
【体験談】6カ月で「非常にひどい食物アレルギー」と告げられた
実際にアレルギーのあるお子さんのママの体験談を紹介します。
息子は6カ月のころに下痢が3日ほど続いてよくならなかったので、検査をおこなったところ、「非常にひどい食物アレルギー」だと告げられました。食物アレルギーのことをよく知りませんでしたし、次々と食べてはいけない食べ物を指示され、頭の中が真っ白になってしまいました。
不安でたまりませんでしたし、同年齢のお子さんをもつお母さんたちが「こんなものがたべられるようになったよ」と喜ぶ姿を横目に見ながら、味気なさそうな離乳食を食べさせるのはつらくて、毎日がストレスの連続でした。
信頼できる専門医に出会って、適切な診断と治療、栄養食事指導を受けたことで、息子の病気と正面から向き合えるようになり、私と息子の人生は大きく変わりました。
今後も人生のいろいろな場面で悩むこともあると思いますが、専門医に相談しながら、息子の自立を手助けしていきたいと考えています。
※WEBサイト「アナフィラキシーってなあに.jp」より一部を引用
エッピーがナビゲート! 食物・蜂毒アレルギーにかかわるすべての家族を支えるアプリが新登場
2月17日にリリースされた「マイエピ」は、佐藤さくら先生が監修し、食物・蜂毒アレルギーやアナフィラキシーについての情報やQ&Aの検索、疾患管理のための記録ができる国内初のスマートフォン向けアプリです。
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協力/マイランEPD合同会社