【発達脳科学専門家】夜泣き・かんしゃく泣き・人見知り泣きはどうする?
赤ちゃんは成長とともに泣き声が大きくなり、「叫び声をあげる」「ひっくり返って泣く」など、泣き方がオーバーに。人見知りや後追い、夜泣きなどで激しく泣く赤ちゃんも出てきます。新たな悩みが増える9カ月~1才ごろの泣きやませの気がかりを、発達脳科学の専門家である成田奈緒子先生に聞きました。
成長とともに泣く理由や泣き方が変化。 もどかしさや自己主張で泣くことも
9カ月ごろから、さまざまな感情や自我が芽生え始めます。まだ自分も気持ちを言葉で伝えられないため、もどかしさから泣くことが増えてきます。個人差はありますが、人見知りや後追い、夜泣きなどで泣く子も。1才ごろからは「〇〇したい」という主張がはっきりしてきて、要求が通らずに大泣きすることも増えてきます。ひっくり返って泣くなど、泣き方もオーバーに。自分で気持ちを切り替えていくことを学ぶ時期でもあるので、ママ・パパは赤ちゃんの泣きたい気持ちに寄り添いながら、別の楽しいことで泣きたい気持ちを切り替える手伝いをしてあげるといいでしょう。
Q 「泣いてもほうっておくと、夜泣きがなくなる」って本当?(9カ月)
A
泣いてもほうっておくのは「クライイットアウト」という、欧米などで実践されている夜泣きの改善方法。ただし、早起き・早寝のリズムが整い、毎日決まった時間に眠くなるなど、赤ちゃんの心身に眠る準備ができていることが条件。まずは、生活リズムを整えることが先決です。
Q 人見知りが激しいです。人に会わせないほうがいい? いつまで続くの?(9カ月)
A
人見知りは知っている人と知らない人を区別できるようになり、身近にいる人以外に不安を感じることで始まります。個人差はありますが、6カ月~7カ月ごろに始まり、8~9カ月ごろにピークを迎え、1才6カ月ごろに治まってくるといわれています。人見知りで激しく泣く子は、人に会うのが嫌いなのではなく、知らない人に慣れるのに時間がかかるタイプ。人に会わせてOKです。相手を少し離れたところからしばらく観察させると、徐々に慣れてきます。
Q 後追いが激しいです。ほうっておいてもいい?(10カ月)
A
後追いは、ママ・パパへの愛着がより強くなることで9~10カ月ごろから始まります。個人差はありますが、1才以降は落ち着いてくる子が多いですが、不安が強いと激しくなる子も。ママ・パパが見えなくなってもすぐに戻ってくるとわかるようになれば徐々に落ち着くので、ほうっておくのではなく「トイレに行くけれど、すぐに戻るから待っていてね」「ママのこと大好きなのね。ママも大好きよ」など、離れる前にポジティブな言葉を繰り返しかけるといいでしょう。
Q 外出先で金切り声をあげて泣くことが…(1才)
A
自己主張が出てきたのでしょう。まずは赤ちゃんの気持ちに寄り添って「まだ遊びたいよね」などと気持ちを言葉にしてあげて。いったん受け止めたあと、抱っこで安心させたり、好きなおもちゃなどで気分転換させるのがおすすめです。
Q 遊びを切り上げるとかんしゃくを起こします(1才2カ月)
A
急に切り上げず、あらかじめ「あと〇回遊んだらおしまいね」と伝えておくと緩和されるかもしれません。「もっと遊びたかったよね」「おうちに帰って積み木で遊ぼう」など、赤ちゃんの気持ちを受け止めてポジティブな声かけをするのも効果的。自分を受け入れてもらえると、相手の言葉にも耳を傾けられるようになります。
(撮影/もろだこずえ 取材・文/ひよこクラブ編集部)
泣いて気持ちを伝えながら、気持ちの切り替えを練習している9カ月~1才ごろの赤ちゃんたち。ママ・パパはおもちゃを用意したり、抱っこをしたり、赤ちゃんの気持ちが切り替わりやすい選択肢をたくさん用意してあげられるといいですね。
■監修/成田奈緒子先生
(医学博士・小児科専門医)
「子育て科学アクシス」代表・文教大学教育学部教授。発達脳科学の専門家でもあります。
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