3・4歳で芽生える自発性を小学校の学びにつなげるには?
2020年度に教育改革が行われ、小学校では“アクティブ・ラーニング”(主体的・対話的で深い学び)という新しい授業のスタイルが導入されます。その目的の1つは、主体的に学べる子を育てるためです。主体的な学びとは、自ら考えて行動したり、試行錯誤しながらも子ども自身で学びを深めたりすることです。
しかし“主体性”は、小学校に入ってから急に身につくものではありません。実は3・4歳で芽生える自発性こそが、主体的な学びの原動力となります。
幼児期に自発的に頑張る子は、学習力が高い傾向が!
ベネッセ教育総合研究所調べ*では、幼児から小学生までの追跡調査でわかったことの1つに、幼児期に頑張る力が身についている子ほど、小学校低学年での「主体的な学びの力」が高いという結果があります。
つまり幼児期に「自分で!」と自発的にチャレンジしたり、失敗を繰り返しながらも「もう一度、自分でやってみよう!」と意欲的に取り組む子ほど、小学生になって自分から進んで勉強したり、わからないことを自ら考えて解決しようする傾向が見られます。この力は、小学校高学年になると“思考力”などにつながっていきます。
*「幼児期から小学生の家庭教育調査・断続調査」(2012年1月~2018年3月)
年少さんの自発性を高め、学びにつなげる2つのポイントとは!?
3・4歳は、自分でできることが増えるため「自分で!」「自分で!」がいっぱい! また幼稚園などでお友だちの影響を受けたりして「ひらがな・数」にも興味を持ち始める時期なので、次のポイントを意識しながら、自発性を上手に学びにつなげてみましょう。
1.子どもの自発性を尊重し、頑張りを応援する
3・4歳は「自分でやりたい!」意欲が、学びの原動力につながります。時にはママ・パパがとまどうようなことを「自分で!」と言い出すこともあるでしょうが、危険でない限りは見守ってあげて、自分でに挑戦させてあげましょう。「自分で!」と言い出したときは、頑張る力が伸びるチャンスと考えて。
2.学びは、生活や遊びのなかで楽しく!
3・4歳の場合“学び”と言っても、いきなり机に向かってお勉強するのは、まだ早い時期です。まずは普段の生活や遊びのなかで、数やひらがなに触れることからスタートしましょう。楽しく学ぶと、しだいに「自分で!」が増えていきます。
ママやパパのなかには「うちの子、あまり“自分で!”と言わない」と思う方もいるかも知れません。そうしたときは、何に興味があるのか子どもの様子をよく見て! 興味がありそうなものがわかったら「やってみる?」と、優しく誘ってみましょう。ママやパパがサポートしてもいいので、1つでも成功すると自信につながり「自分で!」という意欲が芽生えてきます。(取材・文/麻生珠恵)
取材協力/こどもちゃれんじ