夫の会社の人がうちにくることに...! マナーはどうすればいい?よく見られるポイントは?
「夫の会社の人」とは長いお付き合いになるかもしれない人ですね。仕事の枠を越えて楽しく過ごすことには賛成でも、料理に自信がない、また、子育て中で掃除がめんどう、と感じることもあるでしょう。今回は、マナー講師の尾形圭子さんに、夫の会社の人が自宅に来る際の準備ポイントを紹介してもらいました。
尾形圭子
マナー研究家/LOHASライフスタイリスト
ホームページ
航空会社、外資系化粧品会社での勤務後、子育てをしながらマナー講師へ。現在、研修や講演の他、「ご近所付き合い」などでTV出演も。著書に「大人かわいい女性の話し方&マナー」「お付き合いのマナー新事典」などがある。
慌てない準備ポイント
お客さまを迎えるとき、「しっかり準備をしなければ!」と考えがちですが、ポイントをおさえて気持ちよくお迎えしましょう。
長時間過ごすリビングはもちろんですが、一人きりになるトイレは玄関同様、掃除の程度で家全体の印象を判断されることも。家の中におけるそれぞれのお掃除ポイントをみていきましょう。
お掃除ポイント
1時間でお部屋がピカピカに見える、5つのお掃除ポイントをご紹介します。
・玄関:玄関がキレイなら家全体の印象もアップします。やはり、家に入ったときの第一印象は大切ですよね。まず、靴を靴箱にしまい、飾っている小物類はセンス良くすっきりと。ドアノブ、床はピカピカにしておきましょう。
・トイレ:タオル、マット、便座カバーなどを取り替え、トイレ用シートを使って全体をきれいに拭き掃除しましょう。予備のトイレットペーパーが見えるところにあると安心です。
・洗面所:「ちょっと貸して」と言われることが多い洗面所。床をひと拭きして、鏡と蛇口周りはピカピカに。また、手拭き用のタオルの他に「ペーパータオル」があると、ワンランクアップの気配りです。衛生面からもおすすめですよ。
・リビング:リビングからは生活感を感じやすいのですっきり片付けましょう。長時間いる場所なのでリラックスできるように。平面(床・テーブルなど)に物がないとスッキリ見えます。おしゃれなカゴにまとめるのもおすすめです。
・におい:よい香りでお迎えしたいものです。ただし、強すぎると逆効果。オーシャンブリーズやお茶、柑橘系など爽やかな香りがおすすめです。ペットのにおいにも気をつけて。
来客マナーの基本
マナーといっても、かしこまって考えるのではなく「気持ちよく過ごしていただきたい」という心でお迎えしましょう。自分がよそのお宅に行ったときに「いいなあ」と感じたこと、あるいはご主人が同僚のお宅に遊びに行ったときの話もきっと参考になりますよ。
玄関からお部屋へ
まず、印象のよい来客マナーを確認しましょう。
・身だしなみを整える:まず、自分自身の身だしなみを整えましょう。メイクは薄めに、服はカジュアルでも、胸元のあきすぎや、ボディラインが出すぎるパンツはNGです。お茶をお出しするときのことを考え、髪はまとめておくと清潔感がありますね。
・玄関:玄関では「お待ちしていました!」と笑顔で挨拶。コートがある場合はここで預かります。帰りにお渡ししやすいよう、かけておく場所を決めておきます。
・靴:お客様の靴は玄関の中央に、左右の間を数センチあけて揃えると履きやすくなり、気配りを感じます。
・リビング:リビングでは、ソファなどの落ち着く場所でもてなすことをおすすめします。ここであらためてしっかり挨拶をして、お土産があれば受け取りましょう。お礼にプラスして「おいしそうですね!」「評判のお店ですよね」など、嬉しい気持ちが伝わるひと言も大切です。
お茶出しからお見送り
お茶は茶碗を茶托にのせて、上座から一人ずつ出します。お客さまから見てお茶は右側、お菓子は左側が基本です。トレイはテーブルにのせないように気をつけましょう。夏場は冷たい飲み物・冬場は温かい飲み物を用意するのが基本ですが、飲み物の種類もいくつかあるとお客さまの好みで対応できます。
お見送りの際は、リビングでしっかりご挨拶をしてから、コートなどある場合は玄関で用意してお待ちします。笑顔でお客さまの姿が見えなくなるまでお見送りしましょう。途中で振り返ることが多いので、その際は再度お辞儀をすることで、丁寧さが伝わります。
自分が疲れないために
なにもかも完璧にやったけど翌日ぐったり…、ということがないように、自分でできる部分と、手抜きする部分をおさえるようにしましょう。そして、もちろん夫とも協力体制を組むことを忘れずに。
情報収集がポイント
「夫の会社の人」といっても、先輩や同僚、初めての方や時々いらっしゃる方、そして、訪問の理由もさまざまでしょう。おもてなしの際に大切なのは、できるだけ自分が自然体に近い状態でいることです。そのためには、夫に、会社での関係や、どの程度のおもてなしをしたらよいのか確認することが大切です。ただし、ご主人はあなたに“手間をかけさせたくない”と感じているかもしれないので、夫のニュアンス+αくらいの心づもりで用意すると安心です。さりげなく夫を立てるのも微笑ましいものです。
おしゃれに工夫しつつ、ほどよく手抜きを
おしゃれに見えるような工夫をしつつほどよい加減で手を抜くことも、おもてなしで疲れないコツです。例えば、お食事の用意が必要なとき、お客さまにも遠慮なく使ってもらうため、ペーパーナプキンをホルダーに入れ、テーブルに置いておくとおしゃれで便利です。同様に、ナイフ、フォーク、割りばしも、レストランのようにまとめておくと、並べる手間も省け、アクセントにもなりますね。
料理はすべてを自分で作るのでなく、得意なものだけ手作りで、あとはお惣菜や冷凍食品を大皿料理にするなど、ほどよく力を抜きしつつおしゃれにアレンジするのもよいでしょう。
初めて夫の会社の人をお迎えするときは、だれでもが緊張するはずです。ただ、夫と協力して、何度か経験すると、上手に手を抜くポイントがわかり、自分なりの“おもてなし”に気がつくはずです。自分も楽しめるようになるとよいですね。