格安スマホ、国民生活センターが注意喚起 本当にお得なの?ママにおすすめの使い方は
格安スマホ初心者向けにスマホ全般に詳しい女子部JAPAN(・v・)の格安スマホ講座2回目。前回は格安スマホで高額請求されないためのポイントをご紹介しました。実は国民生活センターには高額請求以外の相談も寄せられています。ほかにどんな問題がおきているのか、家計をあずかるママだからこそ知っておきたい、格安スマホの基本にもう一歩踏み込みます。
「格安スマホ」契約者は年々増加。同時に相談も増加中 !
docomoやau、SoftBankといった“大手キャリア”と呼ばれる業者の回線を利用し、MVNOと呼ばれる、大手キャリアの回線を借りて通信サービスを行う業者が提供している「格安スマホ」「格安SIM」サービス。基本料金や利用料の安さに惹かれて、年々契約者が増えています。
それと同時に増えているのが、国民生活センターへの相談数! いったいどのような内容なのでしょうか?
2020年1月に公表された「格安スマホ”の利用方法やサポート内容に注意-今までの携帯電話会社との違いを確認してから契約しましょう-“」(国民生活センター)という記事には、最新の相談が掲載されています。
多いのは、やはり前回記事で紹介したような高額請求問題です。
一例として、公表資料でも「SIMカードだけ入れ替えればそのまま使える。通信状態は変わらないまま今より利用料金が安くなる。通話は1回10分以内であれば無料である」と聞いていたのに、請求が2カ月で27,000円も。よくよく契約書を確認したら「無料通話にするためには特定のアプリを使用しなければいけない」というケースがありました。
請求問題以外にも、色々な声が国民生活センターに寄せられているようです。
今回は、それら事例から、ママやパパに関係する問題をひとつひとつ見てみましょう。
なかには自分で解決できる問題もありますよ。
事例1「購入した端末ではフィルタリング機能が利用できなかった」
小中学生の子どもにスマホを持たせるために、大手キャリアが提供する子どもにとって有害なサイトやアプリを監視したり、利用時間を制限したりするフィルタリング機能を使っている人もいるのではないでしょうか?
実は、格安スマホではそういったサービスがついていないことも。大手キャリアには「こんなものまで!」と驚くほど、様々なサービスがありますが、格安スマホは安い分サービスも比較的シンプルなのです。
ただし、この問題はサービスがなくても、アプリや端末の機能で回避できます。
Androidのスマホを使っているなら、おすすめはGoogleから出ているアプリ「ファミリー リンク」。
これは保護者向けと子ども向けアプリがあり、それぞれの端末にインストールして使います。
子どもがどんなアプリをどれだけ使っているのかを連携する親のスマホから確認したり、スマホを遠隔操作でロックできるのです。位置情報も管理できます。
親子ともiPhoneで利用する場合は、端末の機能「ペアレンタルコントロール」が利用可能。
利用する際は、まず手元に設定したい2台のスマホを用意します。親のiPhoneから設定を開き、Apple IDへ進みます。その中にある「ファミリー共有」から子ども用のApple IDをつくります。もし、すでに子ども用IDがある場合は、新たに作る必要はありません。。あとは「ファミリー共有」のメンバーに登録し、子ども側のiPhoneに表示される通知を許可しましょう。
この機能を利用することで、Apple Storeから購入した映画や本などのコンテンツが共有しやすくなるほか、子どもが何か購入しようとしても親の許可が必要になるので、勝手な課金が防げます。iOS12から登場した「スクリーンタイム」という機能では、子どもがどれだけ画面を見ているか、どのアプリをどれくらい使っているかまでチェックできます。
事例2「使い方がわからないときに十分なサポートが受けられない」
格安スマホは、料金がお得なかわりに、店舗やサポートが大手キャリアほど充実していません。そのため、今までのようにサポートしてもらえると思っていた場合、不満を感じることに。
この点は価格優先を選んだと割り切る必要があります。端末の操作について困ったときは、様々な問題を解決するための糸口が紹介されている、MVNO(大手キャリアの回線を借りて通信サービスを行う業者)のサイトをよく見ること。それでも解決しないときは、書籍や一般のスマホ講座なども活用してみてください。
事例3「中古の端末をネット通販で購入したがSIMロックがかかっていた」
大手キャリアのスマホには、他の会社のSIMが使えないように「SIMロック」がかかっています。中古のスマホを安く購入しても、このSIMロックがかかっていたら、格安スマホのサービスが使えないのです。
これは購入時にSIMロックが解除されているか、SIMフリー端末なのか、確認をしなかったために起きたトラブル。
基本的には、SIMロックがかかっていないSIMフリーの中古のスマホを買うのがおすすめですが、万が一SIMロックがかかっているスマホを買ってしまった場合は、大手キャリアのショップやWebサイトからSIMロックの解除をしてください(docomoはWebサイトからでも解除できます)。ただし、2015年以前の機種ではSIMロック解除ができないものもあるのでご注意を。
また、ショップで手続きする場合は手数料が必要です。詳しくは各キャリアのSIMロック解除についてのサイトを確認してくださいね。
中古のスマホに格安SIMを使って安くスマホを使う計画を立てているなら、必ず事前にSIMロックが解除されているかどうかの確認を。
あわせて、自分が使いたい端末が、MVNOと呼ばれる大手キャリアの回線を借りて通信サービスを行う業者によって提供されている通信サービスの格安スマホ/格安SIM会社のSIMに対応しているか、購入前に各社ホームページで確認するのも忘れずに!
国民生活センターは、問題点のひとつに「今までの携帯電話会社と格安スマホ会社の違いを理解しないまま契約・利用している」ということを挙げています。
まずはMVNOの仕組みについて理解すること。そして、実はサイトが充実しているので多くの問題は自分で解決できます。困ったときはまずネットなどで調べてみましょう。
ちなみに自分で解決できないトラブルになったらどうしたらいいのでしょうか? そんなときは、国民生活センターに掲載されている「消費者ホットライン:「188(いやや!)」番に電話を。最寄りの消費生活センター等を案内してくれます。
次回は実際に格安スマホに乗り換える際のSIMの入れ替え方法などをご紹介します。
文/女子部JAPAN(・v・)
2010年に「iPhone女子部」として発足して以来、スマホの操作や格安SIMををはじめ、女子が気になるモノ・コトを体験・解決しているコミュニティ・メディア。雑誌でのスマホ特集の監修や著書もあり。スマホ講座の講師やカリキュラム作成も手がけている。
公式サイト 女子部JAPAN