ママ友とのつき合い方、子どものトラブル…全米最優秀女子高生の母・ボーク重子さんに聞く
娘さんが「全米最優秀女子高生コンクール」で優勝したことを機に、自身の子育て法を書いた「世界最高の子育て(ダイヤモンド社)」がベストセラーとなった、今話題のライフコーチ・ボーク重子さん。ボークさんも子育て中はたくさん悩み、葛藤(かっとう)した経験があるそう。育児中のママの悩みについて、ご自身の子育て体験をふまえながら、解答してもらいました。
Q 来月出産予定。今後、ママ友とのおつき合いで気をつけることはありますか?
A ママ友は素晴らしいという人もいるけれど、まわりの友だちがみんなママ友だけになってしまうというのは危険かもしれません。ママ友は子どもつながりのため、自分とママ友の子どもをどうしても比較してしまうからです。比較は自分に余裕がなくなってくるだけでなく、人の心を傷つけて、すごく縛ってしまいます。
自分の趣味などでつながった友だちなど、子どもつながり以外に友だちの範囲をあえて広げてみたり、比較してしまいそうな環境に自分を置かないというのも安全な環境を確保する重要な手段だと思います。
Q 息子が公園でトラブルになりがち。 目は離さず注意してもうまくいきません
A そんなときは、自分の子どもが悪く見えてしまいつらいですよね。最近は、子どもが自分たちでできる問題解決の場を大人が奪ってしまっているのではないかと感じます。親が子どもの問題を解決しないといけないと思っていて、「謝りなさい」「それはダメ」と解決してしまいす。
でもそれでは、子ども自身はダメと思っていないから何回もします。トラブルが起きたとき、「いい・悪い」を大人が教えるのではなく、子ども自身がこれをしてはダメだと思うような対話をすることが大事だと思います。
たとえば「お友だちが泣いちゃったよね。もしあなたが泣かされちゃったらどう思う?」「お友だちは悲しんでるよ。またやりたい?どう思う?」と問いかける。そのやり取りで、子どもは人の気持ちを考えるという共感力をきたえながら、自分で「いい・悪い」の答えを出せるようになってきます。
それでも時には我慢できずに順番を抜かしたりしてしまうこともあるでしょう。ですが、その都度根気よく対話を続けることで、自分で出した答えに責任感をもって行動できる子どもに成長していくと思いますよ。手間がかかって面倒と思うかもしれませんが、子どもの非認知能力をはぐくむには必要なことです。それに大変なのは最初だけです。
お母さん自身もそんな対話のしかたに慣れるし、子どもも自分で解決することが習慣になっていきますから。
Q 娘が続けていた習い事を やめたいと言います。
A 娘のスカイが小さいころは、私自身まだまだ自信がない母親で非認知能力の大切さにも気づいていませんでした。なので、いろいろな思いがよぎりましたし、本当にやめさせていいのかと葛藤(かっとう)したこともあります。
ですが、非認知能力の大切さに気づき、そんな子育てを実践するうちにわかったことは、本人は嫌がっているものを親のエゴで続けさせても、いいことはまったくないということ(笑)。その時点で子どもにとってはつらい仕事になってしまうんです。
子どもが習い事をやめたいと言ってきたら、なんでやめたいのかを聞き、正当な理由があるなら、「発表会まで」「月謝を払った月まで」などと決めてからやめるといいでしょう。いちばんいいのは、習い事をやめる時期を決めてから始めること。4才くらいになればそういう話し合いは十分できますし、ここまではやると決めておくと達成感をもってやめられるのでおすすめです。
このお悩みでは、そういう取り決めをしないでやっていると思うので、やめたい理由を聞いて「じゃあここまでは頑張ってやろっか」と決めるといいでしょう。
子どもはお母さんが好きなので、習い事はやめたいけれど、申し訳ないなと思う気持ちを抱くかもしれません。「また違う楽しいこと探そうよ」と声をかけてあげると、罪悪感を抱かずにやめられます。
インタビューではご自身の失敗談も交えながら答えてくれたボーク重子さん。「確かにそうだな」とうなずけるお話ばかりでした。ママの交友関係、子どもとの対話など、日々の子育てで取り入れられることから始めていけたらいいですね。
(撮影/アベユキヘ 取材・文/本間勇気、ひよこクラブ編集部)
■プロフィール
ボーク重子さん
ロンドンの大学院で現代美術氏の修士号を取得後、ワシントンDCに移住、出産。「自分で人生を切り開き、どんなときも自分らしく強く生きてほしい」との願いを胸に最高の子育て法を模索し非認知能力を育む子育てを実践する。2015年よりライフコーチ業、執筆を開始。『~人生100年ずっと幸せの最強ルール~パッションの見つけ方(小学館)』が好評発売中。2020年4月よりオンラインで「非認知能力を育む子育てコーチング」を開始。