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小さく生まれた赤ちゃんのための母乳バンク。国内2拠点目開設 尽力した小児科医に聞く

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黒い背景の上に新生児の赤ちゃんを保持している父と母の手をクローズアップ、コピースペースの背景バナー家族の両親愛の概念
paulaphoto/gettyimages

早く・小さく生まれた赤ちゃんにとって、母乳は、育児用ミ ルクにはない医療的なメリットがあります。万が一、お母 さんの母乳が出ないときなどに、寄付された安全な母乳を 届けるのが母乳バンク。全国での整備が待たれます。
たまひよONLINEは、2018年に母乳バンクの当時の状況をリポート。大きな反響がありました。前回に引き続き、日本母乳バンク協会代表理事である小児科医の水野克己先生に聞きました。

関連:ドナーミルクでNICUの赤ちゃんをサポート!「母乳バンク」とは?

年間約7000人分の ドナーミルクが不足

母乳バンクとは、出生体重 1500g未満の赤ちゃんに対し、お母さんの母乳が出るまでの間、寄付された母乳 (ドナーミルク)を提供する施設のこと。現在、国内には昭和大学江東豊洲病院内に1施設しかなく、 1年間 ( 2018年 9月から 19 年 8月まで) で 107例に対応。しかし、ドナー ミルクが必要な赤ちゃんは年間 約7000人いるといわれ、たりていないのが現状です。

母乳バンクの設立・運営に尽力されてきた、小児科医の水野先生にお話を聞きました。


「1500g未満で生まれた早産・極低出生体重児に、育児用ミルクではなくドナーミルクを使うことで、壊死性腸炎 (腸の一部が壊死する病気) のリスクが約3分の 1に減るという研究結果が出ています。いわば“母乳は薬” 。もちろん、お母さんの母乳が利用できれば必要ありません。けれどそうでない場合、 1500g未満で生まれたすべての赤ちゃんに、生後 12時間以内にドナーミルクを飲ませることが理想です」

これまでの4 〜 5倍の母乳の受け入れが可能に

日本小児科学会は 19 年 7月「早産・極低出生体重児の経腸栄養に関する提言」を発表。母乳バンクの早急な整備を訴えています。

「昭和大学江東豊洲病院にある母乳バンクだけでは、ドナーミルクの保管場所に限りがあり、新たな母乳の寄付も受け付けられない状態でした」

そんな中、初夏に待望の 2 施設目が開設へ。支援をするのは、さく乳器や哺乳びん「母乳実感」でおなじみの、総合育児用品メーカー・ピジョン。

ピジョンコーポレートコミュニケーション室ブランド推進グループの手塚さんは、支援のいきさつをこう語ります。

「中国で母乳バンクが続々と新設される中、国内の現状を調べたところ、1施設しかないことがわかりました。総合育児用品メーカーである私たちにできることはないかと動き始め、2 拠点目となる『東日本橋 母乳バンク』開設へとつながりました」


2拠点目はピジョン本社 1 階(東京都中央区日本橋久松町 4ー4) に開設され、今までの 4 〜 5倍のドナーミルクが供給可能になるとのこと。

母乳の寄付 (ドナー) の予約受け付けは、今年の6月から開始予定。ドナーになるにはいくつかの条件があり、さらに登録施設に来られる人が対象です。詳しくは日本母乳バンク協会のウェブサイトを確認してください 。

母乳はお母さんたちの善意で寄付されています。善意の輪が広がり、母乳バンクが全国に広がることで、多くの小さな命が救われることになります。ぜひ、母乳バンクに注目してみてください。

関連:NICUとは?NICUでの赤ちゃんとママやパパ・家族のかかわり方

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(取材・文/ひよこクラブ編集部)


写真はイメージです。

水野克己先生
(昭和大学医学部 小児科学講座 小児科学部門 教授) 一般社団法人 日本母乳バンク協会代表理事。国際 ラクテーションコンサルタントの資格を持ち、母乳 育児や小さく生まれた赤ちゃんに詳しい小児科医。

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