備蓄・防災用品の収納方法、買い替えのタイミングは?
災害大国といわれる日本では、災害に備え、防災用品を日常的にストックしておくことが大事です。
しかし、防災用品は集め出したらキリがありません。今回は、「集めた防災用品はどこに収納したらいい?」「防災用品の買い替えはいつ頃がベスト?」など、防災アドバイザーの田頭孝志さんに、防災用品の買い替えやストックの収納方法について紹介してもらいました。
田頭 孝志
防災アドバイザー 気象予報士
田頭気象予報士事務所
愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向け講演を多数 ・防災マニュアルの作成にも参画。
防災用品はどれくらい用意するのがベスト?
防災用品は、買い替えが必要になる消費期限があるものと、そうでないものとで分けて考える必要があります。ここでは、最低限用意しておきたい防災用品を紹介します。防災用品が自宅にそろっているかチェックしましょう。
■消費期限があるもの
・水:1人1日3L×3日分
3人家族なら27L、4人家族なら36L
・食:3日分
アルファ米、かんづめ、ビスケット、レトルト食品、カップ麺、ミルク、離乳食など
■消費期限がないもの
・懐中電灯
・軍手
・携帯ラジオ、充電器、電池
・救急用品(ばんそうこう、包帯、消毒液、常備薬)
・ヘルメット、防災ずきん
・紙おむつ、ほ乳瓶
防災用品のストックを収納するおすすめの方法
「防災用品を購入しても、収納する場所がなくて困る!」という家庭も多いのではないでしょうか?
せっかく防災用品を用意しても、災害が起こった際にクローゼットの奥にしまって取り出せないようでは意味がありません。
大切なのは、すぐに取り出せて生活の邪魔にならないように収納することです。それでは、防災用品を収納する方法を見ていきましょう。
防災リュックを活用する
防災用品を収納するおすすめの方法として、防災リュックの活用があります。防災リュックといっても、新しくリュックを買いそろえる必要はありません。自宅にある使用頻度が少ないリュックに防災用品を入れるのでも大丈夫です。
リュックを利用するメリットは、以下の2点です。
・簡単に防災用品を持ち出して避難所に向かえる
・リュック内のスペースに防災用品も収納できる
2つ以上リュックがある場合は、管理がしやすいように消費期限がない防災用品と消費期限がある防災用品に分けて入れておくとよいでしょう。
収納つきの家具を活用する
イス・ベッドなどの家具の中には、収納がついているタイプもあります。防災用品の収納場所がない!という場合は、収納つきの家具を利用するのもおすすめです。
特にベッドについては、就寝中に災害に遭ってもすぐに防災用品を取り出せるメリットがあります。
ただし、高いお金を払ってすぐに収納つきの家具を購入する必要性はありません。その前に必要な防災用品を買いそろえる方が大事です。今後家具の買い替えが必要になった場合に、防災用品の収納も可能な家具の購入を検討すると良いでしょう。
ベッド下にスペースがある場合は、防災用品を収納ケースに入れてベッド下に収納するのもおすすめです。
屋外スペースを利用する
地震が発生して自宅が倒壊すると、防災用品を取り出せない可能性があります。このような場合も想定し、屋外スペースにボックスやコンテナを置いて防災用品を収納するのも1つの方法です。
おすすめは、1000円~2000円くらいで売っている屋外で使える小型の収納ボックスやコンテナの使用です。ボックスやコンテナごと動かせるので、来客がある場合は目につかないところに移動させられるため便利です。おしゃれな灯油缶風収納ボックスを代用して使うのも良いでしょう。アパートやマンションの場合は、ベランダの空いたスペースを使ってみてはいかがでしょうか。
防災食品の買い替えは“ローリングストック”が基本
消費期限がある防災用品は、災害が発生する前に期限が過ぎてしまう場合があります。消費期限が大幅に過ぎて、肝心なときに使えないのでは意味がありません。
そこでおすすめするのが、“ローリングストック”です。防災食品や飲料を定期的に消費し、消費したタイミングで新しく買い直していきます。
ポイントは、以下2点です。
・古いものから使う
・使った分は必ず補充する
おむつやミルク、離乳食など子どもに必要な食料や消耗品は、普段から多めに購入してローリングストックしていると、災害が発生したときにしばらく困りません。
また、卓上コンロを防災用品として用意しておくと、ローリングストックしておいた食材の調理ができ、食事のレパートリーが増やせておすすめです。
自然災害はいつどこで発生するかわかりません。実際に被災した人の多くは、「こんなことは生まれて初めて!自分が被災者になるとは思わなかった!」と口をそろえます。
災害が起こった後だと必要なものが手に入らず、場合によっては食料や水が足りずに命が危険にさらされてしまうかもしれません。少しでも生きる可能性を高めるために、防災用品を用意して備える必要があります。
今一度、防災用品のチェックと収納場所、買い替えのタイミングを考えてみましょう。