【新型コロナ】自宅待機が増えて光熱費が心配…今日からできる節約対策
毎月届く電力料金や水道料金の明細書を見てため息を漏らす、そんな家庭は多いのではないでしょうか。世帯収入が増えない中でもなんとか家計をやりくりしている全国の家庭を悩ませているのが、出費の中でも大きな割合を占めるのが光熱費です。最近では、新型コロナウイルスの影響でリモートワークをする方も増え、光熱費の悩みは増えていると思います。今回は、光熱費の節約対策について、ファイナンシャルプランナーの山崎貴史さんに解説してもらいました。
山崎 貴史
ファイナンシャルプランナー、ITコンサルタント
IT活用コンサルタント・ファイナンシャルプランナー。ITツールを活用した効果的な家計簿の使い方、家計の資産の見える化、お金を節約するだけでなく増やすための方法をアドバイスしている。
家計の光熱費、月にどれくらい払っていますか?
光熱費とは、一般的に電気・水道・ガスの料金を指して呼ばれます。まずは全国の家計でどれくらいの光熱費がかかっているのかを確認しておきましょう。
総務省統計局による2018年の家計調査によると、1世帯の光熱費の月額平均は3人世帯で22,833円、4人世帯では23,764円、5人世帯では25,751円となっています。自身の家計と比べてみていかがでしょうか。
固定費と呼ばれる光熱費ですが、夏と冬に高まる傾向にあります。固定費といっても月額で一定にはならないのが一般的です。また、地域によっても大きな差があり、寒暖の差の激しい地域では暖房器具の稼働率が自ずと高まって出費が大きくなります。
電力会社、ガス会社別に見た標準家庭1カ月あたりの料金は以下のようになっています。
北海道電力:7,636
東北電力:7,344円
東京電力:7,163円
中部電力:6,802円
北陸電力:6,691円
関西電力:6,769円
中国電力:7,059円
四国電力:7,064円
九州電力:6,458円
沖縄電力:7,680円
東京ガス:4,852円
東邦ガス:5,969円
大阪ガス:5,558円
西部ガス:5,770円
かなり地域差があるのがわかります。なお、上記の数値は年間平均になります。夏冬には金額が大きく上下する可能性があります。
かなり地域差があるのがわかります。
また、2012年から、電力各社は太陽光発電設備を使って発電された電力の固定価格買取りを行っています。買い取るときにかかった費用は「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」という形で各世帯の電力に上乗せして徴収しています。2018年において徴収されている標準家庭月額は754円となっており、年々増え続けています。
そのような事情もあり、2018年10月から大手電力会社10社、大手ガス会社4社が一斉に値上げを発表しました。光熱費は家計にいっそうと重くのしかかっているのです。
ただこの光熱費、毎月自動的に引き落とされているため、意識しないとなかなか減らすことができません。ただ、意識的な工夫や節約行動の習慣化によって十分に減らすことはできます。食費や教育費に使うため、老後の資金や貯金に回すお金を増やすためにも、まずは無理のない目標を立て、できるところから少しずつ取り組んでいきましょう。
節約のポイント
まずは今の環境の確認から始めましょう。
・古い家電は思い切って新しいものに買い替える
5年以上前に買ったエアコン・冷蔵庫・洗濯機・テレビといった家電は、タイミングが来たら思い切って買い替えてしまうことをおすすめします。電気代の大きなこれらの家電は毎年機能性が高まっており、特に近年では見た目の大きな変化は乏しくても省エネ機能が大幅に向上しており、毎月の光熱費を一定額下げる効果を期待できます。同様に、電球もLEDライトに変えると効果的です。買い替えることにより一時的な出費が発生してしまいますが、まずはインフラを見直し、整えることから検討してみましょう。長い目で見ると大きな効果があります。
・契約を見直してみる
2020年現在においては、電力自由化によってガス会社や電力会社を自由に選ぶことができるようになりました。オール電化など電力だけのプランにしたり、ガスを使わないといった選択肢を検討することもできます。またライフスタイルに合わせて夜間の電力使用がお得になるプランに切り替えるといったことも視野に入れてみましょう。自分の家計のスタイルに合った電力会社、ガス会社との契約を結ぶことが大切です。エネチェンジなど電気とガスの比較サービスサイトを使い、今よりも安くなるプランはないか検討してみましょう。
コツコツと節約しましょう
大きな部分を見直したら、具体的に光熱費を下げる方法を検討しましょう。いきなりいろいろな方法に手を出すのではなく、まずは一つ習慣化してできるようになったら次の方法に取り組んでみるというのがいいでしょう。
エアコン
・冬場は20度の暖房に設定し、重ね着などで対応する
・夏場は28度の冷房に設定し、首掛け扇風機を使うなどの冷房グッズで対応する
テレビ
・画面の明るさを下げる。(テレビによっては明るさを自動調整してくれるものもあります。)
・つけるとき以外は主電源を切る。
冷蔵庫
・冷蔵庫の設定を弱にする。冷凍庫の設定を冬場は弱にする。
・扉をあける回数を減らす、回数制限を設ける。
・食品を入れすぎないように。冷蔵庫の容量を超えた食材を入れない。
炊飯器
・一日に何回も炊かず、まとめて1回炊く。
・保温機能を使わず、冷蔵庫や冷凍庫で保存する。
・使わないときはコンセントから抜く。
食器洗い
・節水コマ、節水シャワーヘッドといった節水グッズを使う。
・洗い桶にためてすすぐ、水を出しっぱなしにしない。
・洗い物が多い場合、食器洗い機を導入する。
洗濯機
・お風呂の残り湯を使う。
・まとめて洗う。
トイレ
・温水洗浄便座の保温温度、温水設定温度を下げる。
・蓋をあけっぱなしにしない。
・電気の消し忘れに注意。
お風呂
・シャワーをこまめに止める。
・保温効果の高い蓋をする。
・家族いっしょにまとめて、連続して入って保温している時間を短くする。
節約はママ一人ではできず、家族の協力が不可欠です。「今月はこれ!」といったようにどれか1つ節約するものを決め、家族みんなで一緒に取り組んでみましょう。一度習慣になれば続けることが当たり前になって苦ではなくなってきます。節約を習慣にして光熱費を減らしていきましょう。