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何をしても乳首が出ない! 陥没乳頭で挑んだ「母乳育児」

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メインはママ業、時々在宅ライターをしている“わくい”です。長女を37歳で出産。40歳で想定外の妊娠をし、2018年に次女を出産しました。
これは、ちょっと個性的なおっぱいを持った私の、母乳育児体験談です。

私のおっぱいって、かわいそう…?

私のおっぱいは、陥没乳頭です。陥没乳頭とは、普通なら飛び出している乳首の先がへこんでいる乳頭のこと。その中でも、私のおっぱいは刺激したり指で引っ張ったりしても、乳頭がほとんど出てこない「真性(重度)」の乳頭だそうです。

以前から温泉や銭湯などで他人の体を見て、なんとなく自分の乳首が人と違うことに気付いていました。しかし、これは「私の個性」と捉えて悩むこともありませんでした。当時は子どもに母乳を与えることなど、全く想像していなかったのです。

初めて陥没乳頭と向き合い、不安に感じたのは、第1子出産後に助産師さんに言われた言葉「これは…、かわいそうなおっぱいだね」。第2子出産後には、授乳練習をするたくさんのママたちの前で「このおっぱいで、ママもお姉ちゃん(第1子)もよく頑張ったね」と慰められました。

陥没乳頭に「完全母乳」という選択肢はない?

2人を出産した産院は、どちらも「母乳育児」を大切にする方針でした。しかし、赤ちゃんがくわえることのできない私の乳首を見て、逆に助産師さんから「乳頭保護器」と「さく乳器」の使用と、ミルク混合育児をすすめられました。私のおっぱいに「完全母乳」という選択肢は、初めからなかったようです。

ネットなどで調べると「母乳の分泌を安定させて十分な量を出せるようになるには、赤ちゃんに母乳を良く飲んでもらうことが重要」と書かれています。しかし、吸えないおっぱいから母乳を出すことは難しいことでした。

そのため、まずは生まれたばかりの赤ちゃんに、乳頭保護器を通しておっぱいを吸う感覚を身につけてもらうことと、さく乳した初乳を哺乳瓶で飲ませることから始めました。私自身、母乳の量が少なかったため、不足分はミルクで補いました。

授乳は、双方がコツを掴むのがカギ

第1子の授乳期間は1年余りでした。第2子が生まれたとき「こんなおっぱいでも、過去の経験を活かせるだろう」と前向きに考えていましたが、その期待は見事に裏切られました。第1子の時と同じで、赤ちゃんはうまく吸えずに泣き出し、吸ってもらえないおっぱいはカチカチで、痛むようになりました。

私と赤ちゃんの双方が授乳のコツを掴むまでは、2ヶ月かかりました。それまでは、さく乳器に頼る生活が続いたのです。夜中に1人でモーター音を聞きながらさく乳をしていると、たまらなくせつない気持ちになったことを覚えています…

「乳牛も、最初はこんな気持ちなんだろうか…」と、寝不足で朦朧とした意識の中、牛に対して妙な親近感を覚えたこともあります。

出ない乳首は出ない!

娘たちは2人とも、乳頭保護器を使って授乳し、不足分をミルクで補うという混合スタイルで授乳期間を終えました。授乳期間中は、乳頭吸引器や母乳に良いとされるお茶、手動さく乳器や電動さく乳器など、可能なかぎりあらゆるものを試しました。

しかし、出ない乳首は出ない。そして、出ない母乳は出ないのです。

私は高齢出産ということやストレスなどもあって、産後は腱鞘炎と四十肩を発症してしまいました。幸いにも、ミルクをしっかり飲むことができた子どものおかげで、週末は夫に授乳をお願いし、私は整体院に通うことができました。その時にはすっかりお姉ちゃんになっていた長女は、4歳にしてミルク作りの達人となりました。

長く続く子育ての中、わずかな期間にも関わらず、私の頭の中で大部分を占めていた「授乳問題」。子どもの健やかな成長を願うあまりに悩み、ストレスを抱えてしまっていました。しかし、そんな中で試行錯誤を重ねたすべてのことが、私と子どもたちにとっての「母乳育児」の時間だったと、今では思えます。幸いにも、2人の娘は病気知らず。いまだに予防接種以外にはほとんど小児科にかかったことがなく、健康優良児に育っています。

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[わくい*プロフィール]
夫と、2人姉妹と私の4人家族。漁港のある、小さな港町で暮らしています。子どもたちと自然の中に出かけて探検し、見て、嗅いで、聞いて、感じるよろこびを意識しながら日々を過ごしています。メインはママ業、時々在宅ライター。

※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。

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