部屋の中で楽しめるクリスマスツリーとして大人気のイトスギ属「ゴールドクレスト」、おすすめの飾り方は?
間もなく迎えるクリスマスシーズン。今年はコロナ禍もあって、家族だけでクリスマスを迎えるご家庭も多いのでは? 早めにクリスマスツリーを用意して、子どもと一緒に飾りつけをして楽しんでみてはいかがでしょうか?
さらにイルミネーションを施せば、サプライズな演出も可能です。そんなクリスマスツリーの楽しみ方をガーデンデザイナーの居場英則さんに紹介してもらいました。
居場 英則
ガーデンデザイナー
ブログ:Change My Garden , Change My Life
『風景をデザインする庭』をテーマに、ガーデンデザイナーとして活動中。一級建築士、一級造園施工管理技士。約150品種のバラを育てる自宅ガーデンで、2016年全国ガーデニングコンテスト・ゴールドメダル受賞、その他多くのガーデンコンテストに入賞。通信販売大手、ディノスセシール社が運営するガーデニングサイト「dinos ガーデンスタイリング」にて連載コーナーを担当中。
クリスマスツリーに適した木とは?
クリスマスツリーとして人気なのは、やっぱり「モミノキ」。マツ科モミ属の常緑針葉樹で、円錐状に整った形はまさに映画のシーンにも登場するクリスマスツリーそのものです。モミノキは高さ30m以上育つ高木のため、一般家庭の庭で植えるのはハードルが高いでしょう。代わりに園芸種で高さ6mほどの「ウラジロモミ」が扱いやすくおすすめです。
ちなみにヨーロッパでクリスマスツリーといえば「ドイツトウヒ」。モミノキに比べ葉が細く、色が濃いのが特徴。重さで枝垂れてしまうので、飾りつけは軽めのオーナメントやイルミネーションでシンプルにするのがポイントです。
庭植えではなく、部屋でクリスマスツリーを楽しみたい、でもフェイクは嫌という場合は、「ゴールドクレスト」というヒノキ科イトスギ属の植物がおすすめです。クリスマスシーズンになると園芸店やホームセンターなどで、鉢植えで売り出されます。その名のとおり、葉がゴールドに似た黄緑色の常緑針葉樹です。寒さにとても強いことから、庭木として屋外で育てることもできますが、クリスマスシーズンは部屋で飾りつけをして楽しんで、その後に庭に植え付けるのも良いかもしれませんね。
庭木の場合、モミノキやドイツトウヒがなくても、シンボルツリーとしてよく使われるエゴノキやヤマボウシ、モミジ類、アオダモなどの落葉樹でも、イルミネーションを巻き付けるなどすれば、十分クリスマスツリーとして演出することは可能です。
クリスマスツリーの飾りつけのポイント
クリスマスツリーの装飾として代表的なのは「オーナメント」です。星形やボール型のキラキラしたオーナメントを使って親子で飾りつけをすれば、子どもにとってとても楽しい思い出になるでしょう。
ただ、単にオーナメントの飾りを付ければ良いというものではなく、寂しすぎないよう、しかもセンス良く、オリジナリティのある飾りつけをすることがポイントです。さまざまな色のオーナメントを混ぜると散漫な印象になってしまいますので、まずはテーマを決めて、色数も絞った方が効果的です。また、オーナメントも大きすぎると、重さで枝が垂れ下がって見栄えが良くありません。ツリーは上に行くほど葉も小さくなっているので、上に行くほど小さいオーナメント、下に行くほど大きなオーナメントを取り付けることで、立体感が強調されて美しく見えます。
イルミネーションで気分を盛り上げよう
室内でクリスマスツリーを飾る場合、オーナメントにくわえて、イルミネーションでドレスアップしてみましょう。家族で一緒に行う点灯式や、家族の帰宅時間に合わせてサプライズを仕掛けるなど、演出次第で盛り上がれます。
また、屋外の庭木をクリスマスツリーとして飾る場合、雨ざらしの状態で使えるオーナメント類はあまり種類がないので、イルミネーションが効果的です。最近のイルミネーションはほとんどがLED 電球を使ったものになっているので、消費電力が少なく長時間点灯しても電気代が安く、また発熱も少ないため発火の心配もなく、樹木への負担も軽減できます。
モミノキやゴールドクレストなどの針葉樹らにイルミネーションを設置する場合、常緑樹であるため、シンプルに葉の美しさを際立せるライトアップがおすすめです。整った円錐形の樹形全体を浮かび上がらせるようなライティングがキレイです。
一方、エゴノキやヤマボウシなどの落葉樹の場合、葉は落葉してありませんので、枝にイルミネーションを巻き付けやすく、すらっとした樹形に沿って光らせるライティングがポイントです。街で見かけるクリスマスイルミネーションを参考に、自宅ガーデンのシンボルツリーをライトアップしてみましょう。
光の色もLED電球の場合、温かみのある電球色だけでなく、ホワイトやブルー、グリーンなど、多彩な色がありますので、自分の好みにあった色を選んでみましょう。この際も、色は混ぜず、単色の方がセンス良く見えると思います。
クリスマスツリーは屋外の庭でも、室内でも楽しめます。オーナメントの飾りつけやイルミネーションを活用して、オリジナリティの高いツリーを作ってみましょう。お子さんや家族と一緒につくる過程を楽しみ、サプライズのある演出でクリスマスを盛り上げましょう。