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感染症に注目が集まる今だからこそ知っておきたい!予防接種の正しい知識

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YakobchukOlena

今回のテーマは「予防接種」についてです。口コミサイト「ウィメンズパーク」のママたちの投稿から、打つ?打たない?がいつも話題となるインフルエンザワクチンについての実態を紹介します。また最後に、予防接種全般について、2人の女児を育てながら総合診療医として働く菅長麗依先生から、アドバイスをいただきました。

任意の予防接種への考え方は人それぞれ

予防接種は子どもの健康を守るために重要なものですが、受ける回数が多いため、時間の確保が難しいという悩みも寄せられています。また、任意となっているインフルエンザ予防接種は、今は流行る時期も様々で、いつどう打つべきか悩みますよね。家庭ごとのスタンスを覗いてみましょう。

予防できるものはすべき、と思う

「任意のものも含め、予防接種で予防できるものはしようと思っています。わが家ではインフルエンザも日本脳炎やおたふくかぜの予防接種と同じ位置づけです」

他の人に感染させてしまうリスクも考える

「我が家は家族全員、接種しています。重症化を防ぎたいというのが一番の理由ですが、もし自分がインフルエンザにかかって妊婦さんや高齢者の方にうつしてしまったらと思うと、打たないといけないと思います」

子どもが小さい時は接種していました

「子どもたちが幼稚園に入る前は接種していましたが、今はしていません。正直にいうと、子ども3人分は金銭的にキツイという理由と、打っても打たなくても、あまり変わらないと思うからです」

予防接種の正しい知識と今後

では、現在の医療の現場の声を聞いてみましょう。まず、ワクチンで予防できる感染症(VPD)について、菅長麗依先生はこう語ります。

「ワクチンで予防できる感染症は、VPD(Vaccine Prevetable Disease)といいます。人に感染する感染症は無数にありますが、ワクチンで予防できる感染症(VPD)は数えられるほどしかありません(参考1)。

世界ではワクチンにより、多くの子どもや成人の命が助けられており、その効果が実証されています。天然痘という感染症においては、ワクチンにより、とうとう1980年に地球上から根絶されました。

親御さんの中には『予防接種の予定だったけど、今は新型コロナウイルス感染症が心配だし、不要不急の外出自粛が呼びかけられているから……」と、予防接種のための受診を躊躇されている方もいると思います。

しかし、子どもの予防接種は、不要不急ではありません。適切な時期にワクチンを接種し、VPDを予防することが大切です。

過度な制限により、お子さんがVPDにかかってしまう危険性にさらされたままになることは、なるべく避けましょう。日本小児科学会でも詳しくQ&A(参考2)がでていますので、迷いがある方は、ぜひ読んでみてください」

また、ママたちの声に対して、菅長先生はこのようなアドバイスをくださいました。

「時折、患者さんから、『◯◯ワクチンを接種したら調子が悪くなった』というご意見をいただくことがあります。しかし、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなどの不活化ワクチンを接種して、その感染症にかかってしまうことはありません。

これらのワクチンを接種することで、その感染症(VPD)にかかること自体を予防し、また、かかってしまった場合でも症状が重くなること、および合併症を予防する効果があることが世界的に認められています。

インフルエンザウイルスワクチンについては、他のワクチンと少し違って、毎年ワクチンに含めるウイルスの型が異なります。

今年はどの型が流行しそうか、世界各国で分析・予想をし、その年オリジナルのワクチンを毎年作るため、多少のあたりはずれはあります。しかし、大はずれすることはなく、ワクチン接種をした人は、接種してない人に比べて症状が軽かったり、発症を抑えられたりしている、という効果は世界中で多く出ています。

そのため、日本では任意接種ですが、海外の先進国では定期接種として積極的に推奨され、接種されているのです。

なお、インフルエンザの流行時期は毎年少しずれることはありますが、ワクチンは接種後、すぐに効果が切れるわけではありません。流行し始める前に、接種しておくことが大事なため、10月中か遅くとも11月中には接種し始め(13歳未満は2回)、12月に入る前には接種をすませておくことをお勧めします。

日本では残念ながら、いくつかの重要なワクチンが任意接種のままになっています。しかしながら、任意接種だからといって定期接種より重要ではない、ということはありません。

海外の多くの国では、日本の任意接種ワクチン(おたふくかぜワクチンやインフルエンザワクチンなど)は、かなり前から定期接種になっています。これは、日本の予防接種に対する取り組みが、世界と比べてやや遅れをとっている証拠です。

これらのワクチンもいつの日か、日本で定期接種となり、無料化される時代がやってくるはずです。今はまだ任意接種のロタウイルスワクチンも、今年の秋頃には定期接種化される見込みです。また海外のように、混合ワクチンを利用して接種するワクチンの数が減る日も訪れることでしょう。

ママたちの声にもあったように、正しく予防接種を受けることで、接種した人たち自身が守られるだけではなく、その周りの人たちを守る優しさが生まれます。

2012〜2013年には風疹が大流行し、妊婦さんがかかると赤ちゃんに大きな影響がでる(先天性風疹症候群)ことが注目されました。

どの感染症でも妊婦や高齢者が感染してしまうと、胎児や持病に影響し、最悪の場合はその人(胎児)の命を奪うことになりかねないため、注意が必要です。予防接種で重いアレルギーなどを経験した人は、今後の予防接種に関して、主治医とよく相談をしましょう。

可能な限り、大切なお子さんを、ワクチンで予防できる感染症(VPD)で苦しませることのないようにしてあげましょう。また、親御さん自身もVPDを確実に予防するために、必要なワクチンを積極的に接種し、家族と自分、そして社会を守ってください(参照1内、年齢で見る不足している可能性のあるワクチン)」(菅長麗依先生)

任意の予防接種だからといって重要でないわけではないこと、肝に銘じておきたいものです。なかなか受けに行く時間がとれない家庭は、かかりつけ医と相談して、無理のない予防接種のスケジュールと立てられるといいですね。(文・橋本真理子)

参考1)こどもとおとなのワクチンサイト
参考2)新型コロナウイルス感染症に関するQ&A 4月20日更新 日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会

菅長麗依先生
総合内科専門医、家庭医療専門医・指導医、国際渡航医学会認定(ISTM)、日本医師会認定産業医。亀田総合病院付属幕張クリニック・亀田ファミリークリニック館山勤務。亀田総合病院総合診療・感染症科(現:総合内科)で後期研修医。神戸大学医学部附属病院感染症内科でのフェロー、亀田ファミリークリニック館山で家庭医療診療科フェロー、家庭医診療科医長を経て現職。2013年に結婚し、2016年と2018年に出産。2女のママ。

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