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蚊やマダニは、都市部でも。赤ちゃん・子どもは「刺されない」をめざして・専門医

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かわいいアジアの女の子は、皮膚の発疹や蚊に刺されたから屋外を再生しながら血を吸ってアレルギー
Kwangmoozaa/gettyimages

初夏になると気になるのが虫刺され。乳幼児は、気づいたらひどく腫れていたということも。さらに虫は日本脳炎やデング熱を媒介することもあり、刺されないことがいちばんです。赤ちゃん・子どもの虫刺されについて、ママやパパに知っておいてほしいことを、神奈川県立こども医療センター・皮膚科部長の馬場直子先生に聞きました。「実はこわい虫刺され。赤ちゃん・子どもを守るには?」連載の第1回目です。

赤ちゃんが蚊に刺されると、ひどくなるのはなぜ?

赤ちゃんは、蚊に刺されると痛々しく腫(は)れたり、いつまでも腫れが続いたりするときがありますが、それは蚊の唾液(だえき)成分に対するアレルギー反応が原因って知っていますか。

蚊は刺すとき、血を吸う前に気づかれにくいようにするために、痛くない局所麻酔作用のある唾液を注入しますが、その唾液成分に対してアレルギー反応を引き起こし、小さい子ほどひどく腫れたり、いつまでも腫れが引かなかったりします。ただしアレルギー反応が起きるのは、2回目以降に刺されたときです。

馬場先生によると「初めて蚊に刺されたときは、アレルギー反応を引き起こす免疫がないので腫れません。でも2回目以降は、リンパ球が蚊の唾液成分を異物と認識してアレルギー反応を引き起こします」

蚊に刺されてから、症状が出るまでには大人と子どもでは違いが

蚊に刺されてから、症状が出るまでの期間も大人と子どもには違いがあります。

「乳幼児は、蚊に刺された経験が少ないので“遅延型反応”といって、蚊に刺されてから1~2日後に大きく腫れて長くかゆみが続きます。中年以降は“即時型反応”で、蚊に刺されるとすぐに腫れますが、すぐにおさまります。乳幼児と中年の間にいるママやパパは、蚊に刺された直後に腫れて一度おさまりますが、数時間後から1日ぐらいで再び大きく腫れると考えてください」(馬場先生)。

そのため乳幼児が蚊に刺されて、ひどく腫れたときは、1~2日さかのぼって「どこで刺されたかな?」と考えるといいでしょう。

また蚊に刺されたときは、かかないことが大切! とくにドライスキンやアトピー性皮膚炎をもつ子(アトピーっぽい子も含む)、日ごろからかく癖のある子は注意が必要です。

「ドライスキンやアトピー性皮膚炎をもつ子は、蚊に刺されると余計かくようになります。そうすると患部がかたいしこりになって何カ月も治らなくなることもあるので、なるべく虫よけ対策をして刺されないようにしてください」(馬場先生)。

ハチ、毛虫、マダニなど意外といる! 都市部でも注意したほうがいい虫とは!?

蚊以外にも、ダニ、ハチ、アブ、ブユ(ブヨ)、マダニなど注意してほしい虫はほかにもあります。
ママやパパの中には「マダニって、山奥にいるものなのでは!?」と思う人もいるかも知れませんが、最近は都市部でも注意したほうがいいそう。馬場先生も、診察でマダニをとったことがあると言います。

「子どもの肌トラブルを診察していて、偶然、子どもの体についたマダニを見つけたことがあります。お母さんも気づいていなくて“どこでついたのかしら?”と、とても驚いていました」(馬場先生)。

マダニは、すいかの種のような姿で、皮膚のやわらかい部分を好んでかみ、ゆっくりと時間をかけて血を吸います。カギ状にかむので、ママやパパが見つけたとき無理に取ろうとすると、体の一部が皮膚内に残ってしこり(異物肉芽腫)ができることもあるため、必ず皮膚科でとってもらいましょう。

またこれからの季節、お散歩のときなど注意したほうがいいのがチャドクガの幼虫です。「チャドクガの幼虫は、無数の毒針毛を持っています。幼虫に直接触らなくても、風に舞った毒針毛に触れただけで、かゆみを伴う湿疹(しっしん)が広がるので、外に行ったときはチャドクガがよくいるツバキやサザンカの木には近づかないほうがいいでしょう」(馬場先生)

<気をつけたい虫のマメ知識>
●蚊
注意が必要な時期/初夏~初秋
注意が必要な場所/茂み、公園、水がある場所など
症状/赤い腫れ、かゆみが2~3日続く

●ダニ
注意が必要な時期/1年中
注意が必要な場所/カーペット、寝具、ソファー、たたみなど
症状/赤い発疹(ほっしん)、かゆみが4~7日続く

●ハチ
注意が必要な時期/夏~秋
注意が必要な場所/軒下、木がある場所など
症状/1回目に刺されたときは、激しい痛みと赤い腫れが1週間ほど続く
2回目に刺されたときは、ハチ毒に対するアレルギー反応が出て、じんましん、呼吸困難、血圧低下などのアナフィラキシーショックを起こす場合もあるので要注意

●アブ
注意が必要な時期/夏
注意が必要な場所/川辺、森林、牧場など
症状/赤い腫れ、強いかゆみが1週間ほど続く

●ブユ(ブヨ)
注意が必要な時期/初夏~夏
注意が必要な場所/川辺、森林、茂みなど
症状/赤い腫れ、強いかゆみが1週間ほど続く

●マダニ
注意が必要な時期/春~秋
注意が必要な場所/茂み、森林、畑など
症状/ほぼ無症状

●毛虫(チャドクガの幼虫)
注意が必要な時期/春~初夏、夏
注意が必要な場所/ツバキ、サザンカなどツバキ科の樹木
症状/無数の赤い発疹、強いかゆみが2週間ほど続く

室内&屋外で、蚊に刺されないように注意したいことアレコレ

蚊は水のある場所を好むので、雨上がりの後の公園遊びやお散歩は注意しましょう。緑の多い場所や川辺、湿気が多い場所も虫に刺されやすいので気をつけて。お散歩などに行くときは、通気性・吸水性のいい長袖、長ズボン、靴下を着用して肌の露出をなるべく控えるほか、虫よけ剤を使うと安心です。

また家の中では、蚊が入らないように窓を開けるときは網戸を閉めましょう。少量のたまり水でも蚊は発生するので、植木鉢の受け皿などにたまった水は必ず捨てて! 

また「赤ちゃんがいる部屋で電気蚊取り器は使っていいの?」と悩むママやパパもいると思いますが、馬場先生は「電気香取り器は、殺虫剤成分が含まれていますし、やけどや誤飲の心配もあるので、子どものそばには置かないで」と言います。乳幼児がいる家庭では窓やベランダにつり下げるタイプのほうがいいでしょう。

お話・監修/馬場直子先生 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

「蚊ぐらい大丈夫!」と考えてはいませんか。馬場先生によるとかきこわしが怖いそう。傷から細菌感染し「とびひ」になってかきむしると、あっという間に全身に水疱(すいほう)が広がります。また感染力が強いので、ほかの子にうつす可能性も。そのため「かゆそうだな」と思ったときは、早めに皮膚科を受診しましょう。 

馬場直子先生(ばばなおこ)

Profile
神奈川県立こども医療センター・皮膚科部長 滋賀医科大学医学部卒業後、横浜市立大学医学部附属病院皮膚科講師を経て、現職。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会会員。とくに血管腫、母斑をはじめとする先天性皮膚疾患およびアトピー性皮膚炎を専門とする。

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