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6〜9月は殺虫剤の吸入事故に注意!殺虫剤が顔や目にかかったらどうすれば?【医師監修】

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彼女の幼児の女の子に蚊やバグ忌避スプレーを適用する母親。
※写真はイメージです
triocean/gettyimages

夏本番。これから秋にかけて、子どもを虫刺されから守る虫よけ対策は欠かせませんが、注意したいのは誤用やいたずらによる事故です。万が一のときの対応について、帝京大学医学部附属溝口病院の小児科医・黒澤照喜先生に聞きました。

子どものいたずらや間違った使用に注意!

子どもの虫よけ対策として、屋内用の殺虫剤や子どもの虫よけ剤を常備している家庭も多いでしょう。6〜9月にかけて、消費者庁・国民生活センターには、虫よけスプレーや殺虫剤に関する子どもの事故情報が医療機関から寄せられるといいます。

「スプレー式の殺虫剤や虫よけ剤は、子どもの手の届かない場所に置きましょう。万一、口や目に入った場合は、製品の注意書きに従って処置してください。それでも、体に異常が起こった場合は、医師の診断を受けましょう」との注意喚起がされています。

殺虫剤が皮膚や目にかかった!ケアと受診の目安について

殺虫剤を虫よけ剤などと間違えて皮膚に使用してしまったり、目に入ってしまったとき、どのような症状になるのでしょうか。また、事故に気づいたときの対応はどうすればいいのでしょうか。

皮膚や目にかかってしまったときの症状は?

「一般的な殺虫剤の成分は虫には有効ですが、人体には命にかかわることや後遺症が残るなどといった大きな問題は起こらないとされています。ただし化学物質ですので、有効成分や添加物により痛み・かゆみ・赤みなどの一時的な刺激が現れた場合の対応が必要となります」(黒澤先生)

事故に気づいたらすぐすることと、受診の目安は?

「石けんと水で洗って、成分を流しましょう。目に入った場合も、大量の水で洗い流す必要があります。また、殺虫剤がどれくらい減ったか、わかる範囲で確認しましょう。

皮膚についただけでは緊急の受診は必須ではありません。痛み・かゆみ・赤みが尋常でない場合や、心配な場合は受診してもいいでしょう。ただし、医師が対応できるかどうかを事前に連絡してから受診をすることが大切です。その際には殺虫剤本体(成分が書かれているもの)を持参しましょう。また、皮膚の見た目は変化することがあります。写真を撮影しておくとあとで役に立ちます」(黒澤先生)

成分の違いによって注意すべき殺虫剤はあるの?

「一般的な殺虫剤の成分はピレスロイドと呼ばれる似た系統のもので、症状に大きな差はありません。ただし、『ホウ酸だんご』『ナメクジ駆除剤』『ウジ殺し剤』のように、ものによってはやや毒性が強いものがあります。このようなものの場合には症状があまりなくても、受診や入院など慎重な対応が必要なこともあります。一般的な殺虫剤でない場合は必ず医療機関に相談してください」(黒澤先生)

置くタイプの殺虫剤を、子どもが口に入れてしまった!ケアと受診の目安について

ゴキブリやムカデなどの害虫用の、部屋の隅などに置くタイプの殺虫剤を、赤ちゃんが誤って口に入れてしまった場合はどうすればいいのでしょうか?

どんな症状が起こるの?

「子どもが間違って飲み込んだことによる吐きけ・おう吐・下痢・腹痛などのおなかの症状、耳鳴り・頭痛・めまい・けんたい感・眠けが出る、興奮するなどの神経症状、吸い込んだことによる鼻水・せき・ぜーぜーなどの呼吸の症状などが知られていますが、いずれも一時的な症状ですむことがほとんどです。

ただし、重症症状としてけいれんが起きている場合、呼吸が苦しそうな場合、腹痛・頭痛などがあまりにもひどい場合などは必ず受診しましょう」(黒澤先生)

事故に気づいたらすぐすることと、受診の目安は?

「まず、本人の状況を確認し、殺虫剤がどれくらい減ったのか、わかる範囲で確認します。吐かせると気管に入って肺炎を起こすため、原則何もしないほうがいいでしょう。

重症症状が出ている場合、無症状でも多量に飲んだ場合(なめた程度なら少量)、心配な場合は受診します。ただし、医師が対応できるかどうか、事前に連絡してから受診をすることが大切です。

迷ったら、まずは中毒情報センター(※)で正確な情報を集め、受診の必要があるかの問い合わせをしてみましょう。問い合わせの際は、必要な情報を正確に伝える下準備が大切です」(黒澤先生)

屋内の虫よけに便利なワンプッシュ式殺虫剤は、子どものいたずら事故が多い!

ボタンを1回押すだけで噴射された薬剤が、長時間にわたり蚊を駆除するタイプの殺虫剤(以下、ワンプッシュ式蚊取り)があります。電気や火を使わず、手軽なので使用しているママ・パパも多いと思いますが、子どものいたずらによる事故も起きているといいます。

「ワンプッシュ式蚊取りは、成分は一般的な殺虫剤と変わりませんが、高濃度・長時間効果が出るメリットの裏返しとして、誤用した場合に症状が強く出ることがある」とのこと。事故が起きたときの対応や受診の目安は、一般的な殺虫剤と同様によく洗い流し、症状がひどければ事前連絡の上、受診しましょう」(黒澤先生)

また、赤ちゃんのいる部屋で使用していいのかどうかという心配もあります。

「虫に刺されてしまうリスクがあれば、使用しておいたほうが無難でしょう。噴霧型の場合は吸入してしまうのを避けるため、赤ちゃんが入室するしばらく前に使用しておき、必ず手の届かない場所に片づけるのがいいでしょう」(黒澤先生)

お話・監修/黒澤照喜(くろさわてるよし)先生

取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

一般的な殺虫剤は人体に重篤な影響を及ぼさないとしても、赤ちゃんがいたずらすると危険です。使ったらすぐに手の届かない場所にしまう、使用するときは目を離さない、など、十分に注意しましょう。

(※)公益財団法人 日本中毒情報センター

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