貯め方をシンプルにして年100万円以上貯めた人の「たった一つ」の方法
5歳以下の子どもがいるママ349人に、「暮らし」と「お金」に関するアンケート調査を実施。貯まる人が心がけている習慣ややりくりの特徴とは、果たしてどんなものなのか? 調査結果をベースに、1000人以上の貯まる人を取材し続ける大上ミカさんが解説します。
今回は、「お金の貯め方」について。貯まる人は、先取り? それとも残し貯め? 同じ金額を貯めるなら、どっちでも同じ……ではないみたい!
ちゃんとしたいと思っても、忙しいとつい後回しにしてしまいがちな「お金のあれこれ」。おうち時間が増えたこの機会に、ゆっくり向き合ってみませんか?「脱・貯まらない習慣」#5
調査概要
2020年3月実施「あなたご自身に関するアンケート」。全国。インターネットリサーチ。対象者は、5歳以下の子どもがいる25〜44歳の既婚女性349人。
調査企画・データ提供:株式会社カクワーズ
貯めてる人の75%は、先取り貯蓄している!
5歳以下のママたち349人に、お金の貯め方を質問したところ、全体の43.6%は「先取りしている」と回答。先取りとは、収入が入ったら使う前に貯蓄してしまうこと。反対に、使ったあと、残った分を貯めることを「残し貯め」と呼びますが、これは全体の20.6%。他に、「特に決めていない(その他)」が17.8%でした。
では、年間で貯蓄を100万円以上貯めている達人はどうかというと、なんと75.7%が「先取り」と回答。全体より3割以上も多く、年100万円未満、わからない&答えたくない層と比べても、抜きん出て高い値です。明らかに貯めてるママは先取りしていることが分かります。
一方、「残し貯め」や「特に決めていない(その他)」の割合は、貯蓄額が少なくなるほど、多くなる傾向に。年100万円の壁を超えられるかどうかは、先取りしているか、いないかがひとつの差といえそうです。
Q あなたは、どのような方法でお金を貯めていますか?
先取りしている人の、月貯蓄額は高い!
さらに、先取りしている人と残し貯めの人では、貯蓄額にどのような差があるかをチェック。
すると、先取り貯蓄派では、月の貯蓄額の平均が4.43万円。残し貯め派では2.79万円と、先取り貯蓄派で、1.64万円も高い結果に。年間に換算すると、約20万円もの差になります。先取りすると、なぜそんなに多く貯められるのでしょうか?
「まず、先取りするということ自体、貯蓄しようという意識の表れ。対して残し貯めは、残った分だけ貯める、というものなので、使うほうが優先。人間、手元にお金があれば、どうしても甘えて使ってしまうので、結果、同じ収入でも先取りする人は貯蓄額が高く、残し貯めの人は低くなる傾向があります」。
残ったら貯めよう……と思って、残ったためしはないんですよね。やっぱり、貯蓄は先取りしてしまうのがよさそう!
「ただ、残し貯めでも”今月はいくら残せるか?”と、ゲーム感覚で取り組める人は、かえってやりくりに燃えていい結果を出します。先取りすると、どうしても苦しくてストレスを感じる場合は、ゲームスタイルで取り組んでみても。たとえば、週予算にして毎週残った金額を記録していけば、”来週はもっと残そう”と、モチベーションにつながりますよ」
先取りがどうしても苦手なら、残し貯めを極めるのもありかもですね〜。
Q あなたは毎月、いくらぐらい貯蓄していますか?
※「貯蓄はできていない」を除く286人。
ズボラさんでも成功できるのが、先取り貯蓄
貯めている人は先取り貯蓄を実行。そして、先取りしている人は月の貯蓄額が多い。この2つの結果だけでも、「貯蓄するなら先取りがいい!」と言えそう。
「先取りのよいところは、先に貯蓄して残ったお金で暮せば、細かいやりくりをしなくてもいいこと。先取りした貯蓄さえ守れたら、貯蓄は右肩上がりで増えていくので、”ズボラでも貯まる”という声も多いです」。
なるほど。たしかに先に貯蓄ができていれば、あとは使い切ってもいいわけだからラクかも! それでもちゃんと増えていく残高を見れば、嬉しくなって、やりくりにも前向きに取り組める、というわけですね!
やりくり力も自然に上がり、貯蓄が加速!
さらに先取りの習慣ができていると、後々、いいことがたくさんあるとか。
「先取り貯蓄に慣れていくと、多少苦しくても”なければないでなんとかする”のが習慣に。予算を守る意識が強くなり、やりくり力が上がります。子どもが大きくなって食費や習い事、携帯電話など色々な出費が増えても、ズルズルと赤字にならず、ちゃんと目標を達成していけるんです」。
小さいうちが貯め時と言いますが、同時にやりくり力を鍛える時期でもあるわけですね。
「残し貯めだとどうしても、”あればあるだけ使ってしまう”状況になりやすく、収入が増えると支出も増えていきがちです。その点先取りは、毎月一定額の予算で暮らす力がついてくるので、収入が増えたら、その分を貯蓄に回すことができる。つまり、貯蓄がどんどん加速するんです」。
先取りする金額は、ちょっぴりでOK!
大上さんによれば、最初は少額の先取り貯蓄で十分だとか。
「たくさん貯蓄しても、途中で苦しくなって崩してしまったら、挫折感しか残りません。やる気と自信をつけるためにも、最初はものすごく低い金額でOK。3万円ぐらいは貯めよう、と思っているのなら、その半分からスタートしてみるのがいいと思います。
3か月、”残ったお金”でやりくりできたら、少し先取りする部分を増やす。そうやって徐々に貯蓄額を上げていくとムリがなく、やりくり力も自然に強化できます」。
張り切って、いきなり「月10万円貯めよう!」なんて息巻くのは失敗の元。無理せず、確実に右肩上がりの貯蓄を作っていきましょう!
貯まる習慣に、「先取り貯蓄」をイン!
調査結果から、貯まる人の特徴として明らかで、実際に取材している大上さんも太鼓判を押すものは、ぜひとも取り入れたい「貯まる習慣」。
今回は、もちろん、「先取り貯蓄」を追加したいと思います!
他の習慣も気になる人は、ぜひ過去の連載もお読みくださいね。
ではまた!
□ 早起きする
□ 夫婦でお金の話を、最低でも月1回以上する
□ 家計簿を書く
□ 「保険料」と「子どもの服代」を見直す
□ 水道や電気のことで、家族にガミガミ言わない
□ 先取り貯蓄する(NEW!)
監修/大上ミカ 文/たまひよONLINE
大上ミカ
Profile
ライター・ファイナンシャルプランナー。女性誌を中心に全国の貯まる人を1000人以上取材。その暮らしややりくりの共通点を数多く見出す。著書に「お金が勝手に貯まりだす暮らし」(リベラル社)など。
大上ミカ
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ライター・ファイナンシャルプランナー。女性誌を中心に全国の貯まる人を1000人以上取材。その暮らしややりくりの共通点を数多く見出す。著書に「お金が勝手に貯まりだす暮らし」(リベラル社)など。