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子どものウソ、叱るのは逆効果 黙認することも、時には必要【専門家】

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PRImageFactory/gettyimages

4・5歳になると、知恵がついたのかウソをつくようになる子も。「注意しているのに、またウソをついた…」と悩んでいるママやパパも多いのではないでしょうか。臨床心理士で子どもの発育・発達に詳しい、日本女子大学人間社会学部心理学科教授 塩﨑尚美先生に“4・5歳からのウソ”について聞きました。

ママたちの体験談に見る4・5歳のウソとは!?

4・5歳になると、子どものウソに悩むママやパパもいるのではないでしょうか。ママたちからは、次のような声も聞かれます。

[体験談1]もうすぐ5歳になる娘のウソに悩んでいます。「幼稚園のお別れ会で代表に選ばれて、みんなの前で年長さんにプレゼントを渡したよ。渡すはずの〇〇ちゃんが休んだから、私が代表に選ばれたの」といったウソを平気でつきます。でも話を聞いているうちに、内容がかみ合わなくなり、ウソがバレます。言い逃れができなくなってくると、娘はいつも「間違えちゃったかも」「少し考えてみるね」と言ってごまかします。口が達者なので最近では、何が本当で何がウソかわからなくて…。

[体験談2]娘が幼稚園から帰ってくると「今日、階段から落ちたんだ~」と言います。心配して「えっ! 階段から落ちたの? 大丈夫?」と聞くと「落ちてないよ」と言い、「あれ? 落ちてないの?」と聞き返すと、「落ちたよ」と言うのです。この手のウソが多くて! 下の子がいるので、私の気を引きたくてウソをつくのでしょうか? どう接するといいのか悩みます。

[体験談3]年長の娘は、犬やねこが大好き! でもアパートなので飼えません。そのため犬やねこのぬいぐるみに名前をつけて遊んでいます。先日、保育園のお友だちに「ねこを飼っている」と言ったみたいで、お友だちから「本当にねこ飼っているの?」と聞かれました。私が「大切にしているぬいぐるみのことだよ」と答えたら、娘が悲しそうで…。娘は、持っていない物も「持っている!」と言うことがあるみたいです。ウソがくせにならないか心配です。

4・5歳がつくウソ3つの特徴

塩﨑先生によると、子どもがウソをつくときには必ず理由があり、4・5歳のウソには次の3つの特徴があると言います。

【1】“いい子と思われたい”“しかられたくない”気持ちからつくウソ

[体験談1]にもあるように、代表に選ばれるなどママやパパに「ほめてもらいたい」「いい子と思われたい」という気持ちからウソをつくことも。またしかられないように、保身のためにウソをつくこともよくあります。

【2】ママやパパの関心を引くためのウソ

4・5歳になると、ママやパパの関心を引くためのウソもつきます。[体験談2]のようにけがを連想させるなどのウソもその1つです。またきょうだいげんかなどでつくウソも、このパターンが多いです。

【3】願望からくるウソ

[体験談3]のねこを飼っているというウソのように、4・5歳は「〇〇がしたい」「〇〇が欲しい」「〇〇に行きたい」といった願望からウソをつくことも少なくありません。

ウソは心の成長の証し! ウソを黙認することも、時には必要です

日ごろから子どもに「ウソは絶対ついちゃダメ!」と言い聞かせているママやパパは多いと思います。しかし4・5歳から始まるウソは、実は健やかな心の発達の証しです。

「4歳から6歳ごろになると、心が大きく成長し、他者の心の理解が進みます。たとえば相手の気持ちを想像したり、自分と相手の気持ちの違いに気づいたりします。相手の気持ちを推し量って行動できるようにもなります。こうした力は、社会性を養うには欠かせませんが、この力がついてくるとウソをつくようになります。

“ウソは絶対ダメ!”と厳しくしつけるママやパパもいるでしょうが、大人だって必要に応じてウソをつくことはあります。ウソは対処能力1つです。社会に出て生きていくには、ある程度のウソはしかたありませんし、必要な場合もあります。幼児期からウソをあからさまに肯定するのは考えものですが、時には黙認してあげてください」(塩﨑先生)

ウソを防ぐのに、しかるのは逆効果! 子どもの気持ちに寄り添うとウソは減ります

子どもがウソをつくと、しかってやめさせようとするママやパパもいるでしょう。しかし塩﨑先生によると、しかるのは逆効果だと言います。

「子どもはしかられたり、責められたりすると“怒られたくない”という思いから、さらにウソを重ねるようになります。そのため“ウソだな…”と思っても、追い込まずに見逃してあげましょう。
子どものウソには“ママやパパの関心を引きたい”などの理由があります。そのため、なぜウソをつくのか理由を考えてあげてください。気持ちが満たされると、しだいにウソをつかなくなります」(塩﨑先生)

塩﨑先生が教える! しからなくてもウソをつかなくなる5つのポイント

すぐに実践できる、子どものウソを減らすかかわり方のポイントを塩﨑先生に聞きました。

【Point1】ウソとわかっても話を聞いてあげる

4・5歳は、ママやパパの関心を引いたり、甘えたくてウソをつくことが多いので、ウソとわかっていても「それでどうしたの?」と聞いたり、「すごいね!」と相づちを打ったりしてつき合ってあげて。矛盾点などを指摘する必要はありません。

【Point2】子どもの気持ちに寄り添う

たとえば、お友だちに「夏休み〇〇に行く!」とウソをついたのがバレたときは、「ホントは〇〇に行きたかったよね。ごめんね。今年は連れて行けなくて」と言って、子どもの気持ちに寄り添ってあげてください。それだけで子どもの心は満たされます。

【Point3】生活習慣のウソは、だまされたふりをする

歯磨きをしていないのに「磨いた!」など生活習慣に関してウソをつくときは、「歯磨きしたの? よかった~。むし歯になると痛いからイヤだよね」とだまされたふりをしながらも、歯を磨かないとむし歯になることを伝えましょう。そうしたリスクを伝えると、自分から磨くようになります。

【Point4】子どものいいところを認めてほめる

4・5歳になると“親にいい子と思われたい”“親に認められたい”という思いからウソをつく子も。そのため、普段から子どものいいところや頑張っていることを認めてほめてあげましょう。きょうだいがいる場合は、劣等感を抱かないように1人だけをほめるのはNGです。

【Point5】家族以外にウソをつくのは「ダメ!」と教える

家族へのウソは大目に見てほしいのですが、家族以外にウソをついたときはダメと注意しましょう。もしお友だちにウソをついているのを見かけたら、その場はできるだけ見守って。帰宅後「どうしてお友だちにウソをついたの?」と優しく理由を聞きながらも、「お友だちにウソをつくのはダメだよ」「ウソつかれたら、お友だち嫌がるよ」と教えてください。

お話・監修/塩﨑尚美先生 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

ウソとわかっても見逃したり、話を聞いてあげたりすると「ますますウソをつくようになるのでは!?」と心配するママやパパもいるでしょう。しかし塩﨑先生によると、4・5歳になると親の様子を見て「私(ぼく)のウソ、バレてる。もうやめよう」と思うそうです。

塩﨑尚美先生(しおざきなおみ)

Profile
日本女子大学人間社会学部心理学科教授 臨床心理士。公認心理師。専門は発達臨床心理学、乳幼児期からの親子関係、子育て支援。一男一女のママでもあります。

※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」の投稿からの抜粋です

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