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周りから見れば“いい夫”なだけに辛かった。「親になったの私だけ」著者インタビュー【前編】

女性の求人サイトの連載で火がつき、書籍化されて話題となったイラストレーターゆむいさんの第一作は、タイトル(『夫の扶養から抜け出したい〜専業主婦の挑戦』)の通り、主人公がパワハラ傾向のある夫の扶養から抜けて、自立していこうとする内容で共感を呼びました。
そのゆむいさんの新刊が、かつての旧友耳たぶ吸ってたも~れさんの実体験を基にした『親になったの私だけ!?』。共働き夫婦だから対等な立場のはずなのに、母親となった主人公に比べて夫の生活が何も変わらないことへの不満と葛藤を描いたコミックです。

今回は、『親になったの私だけ!?』の作者・ゆむいさんと原作者・耳たぶ吸ってたも〜れさん(以下、耳たぶさんと略)のインタビュー前半をお届けします。妊娠・出産・育児を通して直面したことや、このコミックができたきっかけなどをお聞きしました。

きっかけはTwitterでバズっていた元同級生との出会い

――『親になったの私だけ!?』を描こうと思った経緯を教えてください。

ゆむい Twitter上で「いつも面白いこと言ってバズってるな」と思って見ていた投稿があったんです。それが見ているうちに、どうやら知り合いかもしれないと思って、LINEで連絡を取ったのが耳たぶさんでした。実は私たち、中学の同級生なんです。
それで会ってみたら、耳たぶさんの話がむっちゃ面白くて。

耳たぶ Twitterで10年くらい「夫むかつく」みたいな内容を呟き続いておりまして(笑)。みんな、大好きなんでしょうね、そういうブラックな話。
ある日、ゆむいちゃんから「Twitterでバズってる耳たぶ吸ってたも〜れって、○○ちゃんじゃない?」ってLINEが来たんです。そして、「コミックを一緒に作らないか」と。
最初は壺でも売りつけられるんじゃないかと、怖々会いに行きました(笑)
私の職業であるソーシャルワーカーという仕事は知名度の低い職種なので、仕事内容を知ってもらうきっかけにもなったらいいなと思って、原作を引き受けることにしました。

男性も妊娠・出産を経験できたらいいのに

――前作はゆむいさんの、今作は耳たぶさんの実体験が原案になっているとのことですが、お二人が妊娠・出産から育児の間で一番辛かったのはどんなことでしょう?

耳たぶ 一番辛かったことは、コミックにも描かれています。産後、退院して帰った直後、むちゃくちゃ体調が悪かったので、「赤ちゃん、うんちしたからオムツ替えてよ」と言ったら、夫が「いや、怖いから無理〜」って。それ、聞いた瞬間に「おかしくない?」って思いましたね。
私は、夫は人生を一緒に走ってくれる人だと思っていたんです。それが「怖いから無理」とは。「ええ? 私が怖くないとでも思ってんの?」「ああ、この人は一緒に走ってくれる人じゃないんだ」と思った瞬間に、心のシャッターがおりました。

ゆむい 私は「なんで私だけが苦しいの」という感覚でしたね。妊娠がわかった時から、つわり中も出産も育児中も、ずっとそう思っていました。
妊娠がわかって、ドキドキしながら夫に報告したのに、「妊娠祝いだー!」って男友だちと飲みに行ったんですよ。私はこんなに不安なのに、「この人はなんでこんなに能天気なんだろう」って思いました。

耳たぶ うちの夫は優しいし家事もするから、周りから見ればいい夫なんです。でも基本的なところをわかっていないから、よけいムカつきました。「体調悪いの? 大丈夫?」と言いつつも、口だけで具体的に育児を代わってくれるわけじゃない。私が困って相談しても、「◯◯ちゃんの好きにしていいよ」って言われたりとかね。

ゆむい 男の人も一度は妊娠・出産を経験できればいいのにと思います。

悩みや不安は言語化するだけでもスッキリする

――今回、一緒に作品を作ってみて、どうでしたか?

ゆむい 前作は主人公が専業主婦でしたが、今回は共働き夫婦の話なんです。主人公のキャラは真逆。強いし、仕事をやりつつ、夫にも要望は言う。
私の中で、妻が働いていれば、そして収入が同等なら、夫婦は対等なのだろうと思っていたんです。でも、実際の共働き夫婦は対等ではないということが、すごくショックでした。

耳たぶ そうなんだよね。でも、私がバーっと話す内容が絵になるのは、面白かったです。出産シーンに出てくる祟り神が、私の周囲ではとっても評判がよかった。取り憑かれているのに出産したら、すっといなくなるところ。すごくわかりやすい表現だと言われました。
それから、主人公の職場の人たちが妊娠・出産でハンデを負うことになった主人公に対して、すごく社会福祉的な関わりをしているから、社会福祉についてわかりやすい説明になっているとも言われました。

ゆむい 前作は、共感はしてもらえたけど解決はしてないし、もやもやしたまま終わっていました。でも今回の制作中、耳たぶさんが言語化してくれたことで、私のもやもやが晴れていったんです。本に寄せられる感想も「悩みが言語化されてスッキリした」というのが多かったですね。

耳たぶ 夫が主体的に家事や育児に関わるようになっても、私の中の夫への不満はなくなりませんでした。でも、この作品を作っていくうちに、「これは夫だけが悪いのではなく、社会の仕組みにも問題があったんだ」と気づくようになりましたね。

作品の中では、出産することで否応なく「母親」になった主人公と、出産後も変わらずに趣味や仕事をする夫とのリアルなバトルが展開されています。
その夫がどのように「父親」になっていくのか、そしてつきない主人公の悩みとは…。
後編では、主人公の夫が変わったきっかけや、小さい子どものいる家庭でスムーズに家事や育児をまわしていくコツについてお聞しきます。

『親になったの私だけ!?』(KADOKAWA)

(取材・文/橋本真理子)

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