親子の絆?記憶がよみがえった子どもの頃の熱量[夫婦のじかん大貫さんのママ芸人日記#70]
2018年3月に男の子を出産した、お笑いコンビ「夫婦のじかん」の大貫さん。イラストレーター兼漫画家としても活躍中です。よしもと芸人・イラスト業・ママと毎日大忙しの大貫さんによるコラム連載「ママ芸人日記」、今日も始まります!
【第70回】親子の絆?記憶がよみがえった子どもの頃の熱量
2歳の息子が戦隊ヒーローにハマっており、保育園のお迎えの際にも「一日中戦っていましたよ」と、保育士さんから伝えられるほどまでになってきました……。
家にいるときも、とにかく「じんじん!(変身)」と言い、何かしらの戦隊ものやライダーになりきって戦っています。
男の子ってこんなに戦隊ものが好きなんだなぁと実感する日々です。
しかし先日、野菜を送ってくれた祖母へお礼の電話をしている際に「親子だから似てるのね~。ヒーロー好きだったもんね。」と言われ、小さい頃の私もかなり戦隊ものが好きだったということを思い出しました。
田舎だったため、都心のようにヒーローショーを手軽に観に行ける環境ではなかったのですが、地元でヒーローショーをやる際には必ず観に行き、最後の握手会や写真撮影にも参加していました。
余程嬉しかったのでしょう。
握手をしてもらったときの感触を、35年以上経った今でも鮮明に覚えています。
家の中でも、風呂敷を首元に巻いてマントに見立て、常にマントをひるがえして生活していました。
今想像すると非常に滑稽ですが、本人的にはとてもまじめに正義のヒーローになりきっていました。
そして、3歳くらいのある日、百貨店に当時放映していた戦隊ヒーローのピンクの帽子型戦隊マスクのようなものが飾ってあったのです。
あれを被ったらピンクに変身できる!
そう思った私は、「あれが欲しい」と祖母に伝えました。
しかし、そうなんでもホイホイと買ってくれるわけではありません。
買ってもらえないことを理解した私は、大勝負に出ることにしました。
よく漫画などで見掛ける「買って買って」というあのイヤイヤ期大爆発のような行動を、意図的に、「よーし、あれをやるぞ!」という心意気のもとやってみたのです。
当然祖母も周囲の人も大困惑、お店も大迷惑……。
結局根負けした祖母がその帽子を買ってくれたのですが、「泣いたから買ってくれるというわけじゃないんだよ」と、泣いたら買ってくれると思わないよう何度も念を押されたことまで覚えています……。
それからというもの、とても大事にその帽子を眺めたり被ったりと、とにかく私の大切な宝物となりました。
そこまでの大勝負をするほどまでに戦隊ものが大好きだった私……。
息子も戦隊ものが好きすぎて、Amazonプライム動画などで戦隊ものを今すぐ見たい!と駄々をこね大変なことが多々あります。
しかし、自分自身のわがままっぷりを思い出すと、息子はまだまだかわいい方だな……と、大きな心で対応できることも……。
いつか息子が、私のように意図的に大爆発を起こして宝物を手に入れようとしないことを願うばかりです……。
夫婦のじかん大貫さん プロフィール
吉本興業所属/夫婦お笑いコンビ「夫婦のじかん」の嫁担当。イラストレーターとしても活動中。相方は元・トンファー山西章博。息子(2018.3生)と夫との3人暮らし。2019年3月にコミックエッセイ「母ハハハ!」(PARCO出版)を発売。
・「夫婦のじかん」YouTubeチャンネル