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【育児が楽しめないのは私だけ?】同じように悩んだ女医ママがアドバイス

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妊娠中のうつ病から苦しんでベッドの中で新生児にフォーミュラミルクのアジアの母保育園給餌ボトル。ヘルスケアシングルママ母性ストレスの概念.
paulaphoto/gettyimages

口コミサイト「ウィメンズパーク」に、「3カ月になる子どもがいます。子どもに笑顔で接せられません。キラキラしている他のママと比べて、今日も自分は何もできなかったと考えてしまい、辛い…」といった悩みが寄せられました。
第1子の育児は誰しも何もかもが初めての経験。みんな、不安を抱え、他のママはなんて楽しそうなんだろう、と思ったことのある人は多いのではないでしょうか。
今回はそんなお悩みへのアドバイスを2児の女医ママである菅長麗依先生に聞きました。

お母さんだって辛いし大変。それは当たり前で、みんなそう感じているもの

「育児は辛いし大変!! 私の正直な感想です。
ニュースで児童虐待について報道されることが増えた昨今、お母さんたちが、弱音や育児について辛い気持ちを吐き出しにくい風潮が強まっているように感じています。

でも、ちょっと考えてみてください。
『母となる幸せ』『育児は楽しい』
『世の中のお母さんはみんな、ちゃんとやっているのだから…』
こういった、しがらみに囚われてはいないでしょうか。

私も知らないうちにこの言葉に束縛され、自分を苦しめていた時期がありました。
子どもはもちろんかわいいですが、時に怪獣?悪魔?動物?のようで、自分が必死になればなるほど、うまくいかなかった時の落胆は激しいものです。そして、そんな中で睡眠不足や体力消耗が続けば、誰だって限界に近づくものでしょう。

私は現在、4歳と2歳半の娘2人の育児真っ最中です。
共働きで私と夫の両親とも遠方在住、ほぼワンオペ育児なので、いろいろな悪循環に陥り、育児ノイローゼになりかけたこともありました。
今はなんとか最悪の状態は脱したものの、抱っこマンの娘2人とのワンオペ生活は、どこを切り取ってもカオスな日々。
毎日の保育園への送り出しと、お迎えから寝かしつけまでの数時間だけでも疲労困憊です。それでも、考え方や自分の対応の仕方を少し工夫するだけでも、楽に過ごせる部分もあるものだと気づくようになりました。

そして、わからないことだらけの子育ての中でも、大事だと思ったのは、やはり“お母さんの笑顔”。私が笑顔でいることが、子どもは一番嬉しくて、家族が明るく過ごせる源だということです。
でも、わかっちゃいたけど、それが難しい!! それを実行するには、自分にどうやって笑顔を作る余裕を持たせるかというのが私の課題でした。

少しでも多くのお母さんたちの力になればという思いを込めて、私の気づきについてお話しします」

突然「お母さん」になれるわけない、誰だって初めての経験 

「日本には、女性は子どもを生むもので、本来母性を備えており、子どもに尽くすのが母性愛だという“母性神話”が根強く残っています。
完全に神話で、幻想です。
知らず知らずのうちに、この神話にとりつかれ、多くの人が自分のことを「だめ」と思ってしまうのでしょう。しかし、母親だって一人の人間です。母性は子どもと触れ合う中で徐々に育まれるもので、子どもが生まれたからといって、突然母性愛をもって、1日中ニコニコと子どもをあやせるわけではありません。

子どもの泣き声に対して自分がどう感じるか。おむつや空腹など原因がわかればいいのですが、理由がわからな時は対応に困りますよね。
今思い返してみると、泣き声に対する感じ方は下記要素が大きく関係しているのではないかと思います。

例えば、『自己評価が低い』『育児不安がある』『夫への不満がある』『子どもと2人きりの生活が長く続く(夫以外の大人と話す機会が少ない)』『体力がない(または弱っている)』『寝不足』などです。
これらはどれも、子どもに対してネガティブに働きます。
私の場合も育児不安が強く、そこから自己評価が低くなり、ますます育児不安が強くなるという悪循環に陥り、1人目の育児は辛かったなぁ(涙)。
思い返せば、当時は腕力もなく、トリプル腱鞘炎(ドケルバン病、ばね指、手根管症候群)にかかるなど、抱っこ自体の体力的負担も強かったです。
そんなときの救いは、ママ友の言葉や夫の労いの言葉でした。また保育園に預けて働き始めたことで、子どもと離れる時間がもてたことも大きかったです。

育児中は産後のホルモンの影響や、前述の育児不安や自己評価の低下など、ちょっとしたことで、お母さんは心身のバランスを崩します。その状態で誰にも相談できず、うまくガス抜きできないでいると、最悪の場合、虐待に至るケースもあります。
保育園や一時預かり施設などに預けることで、お母さんの体と心を休めることも、子どものためになることです。

頼れる家族がいない場合は、遠慮せず、子どもを預ける施設を保健所などに問い合わせ、どんなに子どもが泣いても、お母さんのために、子どもと一旦距離を置くことを是非トライしていただきたいと思います」

育児は達成感が得にくく、お給料もない、誰からも感謝されることがない

「ママたちを苦しめているのは、『子どものためにしっかりやろう』という一生懸命さや、責任感の強さ、そして完璧主義な側面かもしれません。
これらの要素はどれか一つでもあると、育児においては自分を苦しめることがあります。
私も『当初の目標は高く→それができない→私、だめだ→だめママ』という悪循環に陥りました。

育児は仕事と違い、どれだけ頑張ってもお給料はなく、言葉で感謝されることも少なく、しかも今日はこれだけやった!!という成果が見えにくいため、達成感が感じにくい。
その育児の特性に気付いてからは、どこかで“自分は今日よくやった!”と考える基準を設けて、それができれば『よくやったぞ』と自分にOKをだし、堂々とすることにしました。『もっとこうできればよかった』『もっとこうしてあげたかった』と考え、自分の至らなさや罪悪感を抱くと、想像以上に心のエネルギーを消耗していた自分がいたからです。

私の場合は、保育園に事故なく預けられれば、それでOK。帰宅後はグダグダでも何か口にして寝てくれればいい。そして長期的には“子どもは死ななければそれでOKという、かなり低い基準で落ち着いています(笑)
そう思えると、(子どもに対して)『もっとこうなれば良いのに』や『なんでできないの!』と思うことが減り、徐々にイライラや余計なストレスも溜めずに過ごせるようになりました。

お母さんが笑顔でいられれば、子どもは自ら心身共に健やかに育っていきます。お母さんに心の余裕が出れば、語りかけも自ずと優しく、子どもの心に響きやすくなる傾向に向かうと思います」

「自分を最優先」でいい!「お母さんの笑顔」が子ども(と家族)の幸せの源

「これが私の結論です。
以前は自分を犠牲にしてでも子どもを一番に考えていましたが、今は自分が笑顔でいられるよう、優先度を少し自分にシフトしました。

ある日、心と時間に余裕があり、今日のご飯は冷凍唐揚げをチンして後はお味噌汁と簡単サラダでいいや〜と気持ちが楽だった日、子どもたちがどうもいつもより機嫌よく、笑顔が多いのです。気付いてみれば、自分もよく笑ってる。自分が笑ってるせいか、子どもたちもよく笑う――あ、これか。本当の意味で、『お母さんの笑顔が一番』を理解した瞬間でした。

私の場合は、仕事は時短勤務とし、業務内容もゆるめ、自分の時間を確保して好きな番組を録画して見たり、仕事中の昼ご飯は例えコンビニご飯でもゆっくり堪能したり。本当に些細な方法でしたが、自分を大切にしようとする時間にずいぶん救われました。
子どものご飯も、『疲れた日は出来合いや冷凍食品でも罪悪感なしで良しとする』と心に決めたことも大きいです。罪悪感を抱かないようにするトレーニングも随分しました。

自分でできていないことに目を向けるときりがありません。完璧を求めず、適度な諦めと、広い視点をもって『自分ばかりがだめ…』という視点から脱せると、少ーし気持ちが楽になると思います。
視点を変えられない人は、子どもをどこかに預けて一人の時間をもってみてはどうでしょうか。
その際、“子ども(夫に)申し訳ない気持ち”は思い切って捨てましょう。
全てはお母さんの笑顔のため、それは最終的には家族のために必ずなります。

最後に、ニュージーランドの作者不明の『Today』という詩の本をご紹介します。
『今日もお皿も洗えず、掃除もできなかったけれど、私はこの子が寝るまでおっぱいをやり、泣き止むまで抱っこしていた。大したことはしなかった、けど……私はこの子のために大切なことをしていた。私はちゃーんとやったわけだ。そう考えればいい』といったように、余裕をなくしがちなお母さんに寄り添ってエールを送っています。よろしかったら、気分転換に手に取ってみてください(『今日』伊藤比呂美・訳、下田昌克・画、福音館書店)。
育児や自分の至らなさについて少しでも悩んでいるお母さんは、子どものことをよく考えているからこそです。
あなたはもう十分やるべきことをやっています。辛くなった時は、誰かに呟き、溜めないようにしましょう。そして、今日も『はい、笑顔』で!」

私も誰にも手助けしてもらえず、なかなか泣き止まない我が子を抱っこしながら、途方にくれた経験があります。確かに誰も知っている人のいない土地での育児でした。こうして聞いてみると、みんな同じような思いを抱え、越えてきたのですね。なんとか自分なりのゆるい基準や援軍を見つけて、ママも家族も笑顔になれることを願っています。
(文・橋本真理子)

菅長麗依先生
亀田総合病院付属幕張クリニック・亀田ファミリークリニック館山 勤務。亀田総合病院総合診療・感染症科(現:総合内科)で後期研修医。神戸大学医学部附属病院感染症内科でのフェロー、亀田ファミリークリニック館山で家庭医療診療科フェローを経て、2015年からは家庭医診療科医長。2013年に結婚し、2016年6月から約10カ月の育休を取得し、2017年に復職した。

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