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食材の断面を観察したり、虫眼鏡で見たり…新たな食育「サペレメソッド」はなぜ北欧で高評価なのか

子どもには好き嫌いなく食べてほしい、と思うママやパパは多いでしょう。五感を通じて食材に親しむことで、野菜好きな子どもになると注目を集めているのが「サペレ」というヨーロッパ発祥の食育法です。しかも子どもの自己肯定感もはぐくむと言います。
「サペレメソッド」に基づいた教室を日本でも開催する、味の教室協会の染井順一郎さんと河口八重子さんに詳しく聞きました。

サペレメソッドは従来の食育となにが違うの?

「SAPERE(サペレ)」とは、「知る」「味わう」を意味するラテン語です。サペレメソッドは2000年ころからスウェーデンをはじめとした北欧諸国を中心に普及している五感を使った教育法で、今、世界的に注目を集めています。

食材の栄養や知識を教えたり、すぐに調理したりしないのが、従来の食育と異なるところ。土つきの根や葉のある野菜や、一匹まるごとの魚など、自然な姿の食材を教材に、以下のように五感を使って観察することから始まる教育法です。

【見る】
虫眼鏡で見たり、切った断面などさまざまな角度で食材をじっくり観察する
【かぐ】
目をつぶったり目隠しして集中し、食材や切断面のにおいをかぐ
【触れる】
食材を触ってみる、ちぎったり、皮をむいてみる。指先の感覚に集中する
【聴く】
手でちぎる音や皮をむく音を聴く。歯でかむ音を、手で両耳をふさいで聴いてみる
【味わう】
食材本来の風味を味わう。ゆでたり、焼いたりしたときの味の違いを知る

サペレメソッドでは、感覚を意識しながら食材に触れることで五感を鍛え、さらにその発見や感情を子ども自身が自分の言葉で他者に伝えるというのが特徴です。

食材に触れ五感を鍛える。サペレで育つ力とは

サペレメソッドでは五感を鍛え、発見や感情を他者に伝えますが、これにより、「挑戦する力・感じる力・考える力・表現する力・共感する力が育つ」と河口さんは言います。

「未来を生きていく子どもたちは、自分の感覚を信じて物ごとを判断する力が必要になります。

五感は、鍛えないとおとろえてしまうもの。五感をフルに使って自分の感情を表現し、自分らしさを他者に認めてもらうことで、自己肯定感が育ち、自ら学ぶ力の土台になるのです」(河口さん)

「また、食べ物の感じ方は、人によって違って正解がなくて当たり前。きょうだいやお友だちと一緒に食材に触れ、感覚を共有すると『あの子はこう思うんだな』と他者を認められるようになったり、『この野菜は、あの子が食べているからおいしいのかな?』と、刺激を受けて苦手を克服するきっかけになったりもします」(染井さん)

自宅で親子サペレにチャレンジしてみよう!

自宅で過ごす時間が増えるこれからの時期、ぜひ親子で挑戦してみたいサペレメソッド。自宅で行う際のポイントや注意点を聞きました。

自宅で「親子サペレ」のポイントは5つ

【ポイント1】
テレビや音楽は消して、五感を集中して使える環境を整える

【ポイント2】
お気に入りのぬいぐるみをそばに置いたりして、楽しい雰囲気にする

【ポイント3】
親は子どもの正面に座り、子どもの表情やしぐさをしっかり観察する

【ポイント4】
親は笑顔で「どんなにおいかな?」「触るとどんな感じがする?」などと声かけをし、子どもの反応を肯定的に受け止める

【ポイント5】
観察し終えた食材は、親子で一緒に調理してみてもOK

食材はどう選ぶ?

子どもが好きな野菜や、なじみのある食材からチャレンジするといいそうです。

「アレルギー食材は避け、キウイフルーツなどの南国フルーツも注意。玉ねぎは、切断してすぐは刺激が強いので少し置いておくといいかもしれません。

また、観察後に調理をするなら、小さな子どもは簡単な盛りつけからやってみるといいでしょう。ママやパパが盛りつけをほめてあげると、子どもの自信になります」(河口さん)

子どもが嫌がったらどうする?

子どもが「イヤだ」「くさい!」と反応したら、その理由を聞いてあげ、否定せず「イヤだと思ったんだね」と共感してあげましょう。

「手で触るだけ、においをかぐだけでもOKです。少しずつまたチャレンジして、嫌いなものと距離を縮められるといいでしょう。

サペレの目的は好き嫌いをなくすことではなく、子どもの反応や意見を尊重して楽しい体験を積み重ね、「好き」を増やしていくことなのです」(染井さん)

0〜2才の乳児でも実践できる方法は?

サペレメソッドは乳児でもできます。言葉を話せない乳児でも、五感を使ってしっかり違いはわかっています。小さいからわからないだろうと決めつけず、子どもの様子をよく観察してあげてください。

「離乳食や食事のときに、自分で触る分と、大人が食べさせてあげる分を、分けて用意するといいでしょう。たとえば豆腐なら、はじめはぐちゃぐちゃに握りつぶしてしまっても、やがて力の加減がわかってくると、そっとつかんで口に運べるようになりますよね。

ママやパパは子どもの行動や表情を観察し「やわらかいね」「おいしいね」と、楽しそうに声かけをしてあげましょう」(河口さん)

オンラインサペレ体験!子どもたちの様子は?

2020年11月16日に、「青汁」でおなじみのキューサイが幼児の食育をテーマにオンラインイベント「野菜を五感で 体験する新たな食育“サペレメソッド”を学ぶ」を開催しました。
実際に福岡の保育園の子どもたちがオンラインで「サペレメソッド」を体験した様子を紹介します。

にんじんを手にした子どもたちに「にんじんの葉っぱを触ってみよう」「目をつぶって、においをかいでみよう」と伝えると、子どもたちは「葉っぱがさらさらしてる!」「冷たくて気持ちいい!」「甘いにおいがする」「土みたいなにおいがする!」と、とっても楽しそうに感想を口にしていました。

続いて、大きな葉のケールを手にすると、「僕の顔よりおおき〜い!」「傘みたいだね」と、早速遊び始めた子どもたち。その後、講師が「葉っぱでお面を作ってみよう」とうながすと、目と口の部分に穴を開け、お友だち同士でお面の顔を見合わせて笑い合う姿も見られました。

次に講師が「葉っぱをちぎってサラダにしてみよう」と言うと、上手に茎の部分を避けてちぎり、用意された皿に真剣に盛りつけます。おおざっぱにざっくりちぎる子や、ていねいにこまかくちぎってきれいに盛りつける子など、個性が出る場面でした。

いつもは野菜を苦手としている子どもも、お友だちと楽しみながら、野菜の新しい面を発見できたようです。


お話・監修/染井順一郎さん、河口八重子さん 写真提供/キューサイ株式会社 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

大人は好き嫌いや栄養のことばかり考えてしまいがちですが、楽しく食材に触れることが、食への関心が高まることにつながります。未来の子どもの健康を守るためにも、身近な食材を使って親子で楽しめるサペレメソッドに、ぜひ挑戦してみませんか。


一般社団法人味の教室協会

医療機関で働く管理栄養士として栄養食事指導を行ってきた経緯から、五感を使った食の体験学習の普及を目的として設立。保育園・幼稚園・こども園や児童館などの子どもたちを対象にして食育プログラムの体験講座を実施している。

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