吉田明世 「ママじゃなきゃイヤ!」パパとの距離が縮まらない娘、コロナ禍で…
「今回は、パパと娘の関係について話をさせてください」と言うのは、2才の女の子を育てながら、もうすぐ第2子出産予定のフリーアナの吉田明世さん。
「夫はもともと子どもが大好きで、子どもと遊ぶのが得意なタイプ。娘とも、すぐに仲よくなるだろう、そう思っていたのですが…」と話します。
吉田明世さんの育児エッセイ第12回は「吉田明世 大のママっこだった長女がパパとの距離を縮められた理由」です。
「ママじゃなきゃイヤ!」なかなかパパとの距離が縮まらない娘
娘は、生まれて間もなくから、超がつくほどのママっ子。パパが抱っこしても、不安げな顔で「ママがいいー!」と泣いてしまったり、何をしても、「ママじゃなきゃいやだ!」となってしまい、いまいちパパとの距離が縮まらない様子でした。
そんな関係が大きく変わったのは、よくも悪くも、コロナ禍による自粛期間。それまで毎日夜遅くまで外で仕事をしていた夫は、家にいる時間が長くなったことで、娘と過ごす時間も自然と増え、積極的に育児に参加してくれるようになりました。
初めは、娘がパパと一緒におふろに入るたびに「ママーーー!!」という泣き声が浴室で響き渡っていましたが、そのうち娘も慣れたようで、いつの日かご機嫌な歌声が聞こえてくるように。おふろでのおもちゃ遊びにしても、リビングでのブロック遊びにしても、私にはないような発想で娘を楽しませてくれるので、娘も自然と、「パパと一緒だと楽しい!」と感じるようになったようでした。
一緒の時間が増えたことで、ついに 「パパの寝かしつけ」が成功!
とくに驚いたのが、「寝かしつけの成功」。一緒に過ごす時間が増えたことにより、みるみる信頼関係を築き上げていった2人でしたが、寝かしつけを頼むということだけは、どうしても挑戦できずにいました。
というのも、今までお留守番を頼むたびに、帰宅後、電気もついていない暗がりのリビングで、泣き疲れてぐったりした娘と、その娘を何時間も抱っこひもで抱いていて、魂を奪われたような顔で疲弊しきった夫の姿を目の当たりにしたという経験があったからです。
抱っこひもという最終手段に頼れるうちは、どんなに泣こうがわめこうが抱っこしてあやしているうちに寝かせてしまう、ということが可能でしたが、娘は体が大きいほうなので、抱っこでの寝かしつけは娘の体重の増加とともに難しくなり、お留守番をお願いするときは、お昼寝や就寝の時間を避けるようにしていました。
そんな中、先日仕事の関係でどうしてもパパに寝かしつけをお願いしなければならない日がやってきてしまったのです。一体どうなることやら…何度も経験した、身体をのけぞりながら大泣きする娘の姿を頭に浮かべては不安になる夫と私…。
「ママは明日お仕事で、夜遅くに帰ってくるからパパとねんねしてね」
「いつもみたいにお背中トントン、カイカイでベッドでお利口さんにねんねだよ」と前日から何度も伝え続けました。
そして、当日、仕事を終え急いで家に帰ると…なんと!熟睡している夫と娘の姿が!!
あとから話を聞いたところ、生まれて初めて、私がいなくても泣かずにあっという間に眠りについたとのこと。
パパと2人きりで眠りにつく日が来るなんて…娘が言葉や状況を理解できるようになった、ということも大きいですが、やはり普段から「お父さん」が育児にかかわることがいかに大事であるか、ということを実感した瞬間だったのです。
全国のパパさんにエールを送ります
子どもに対し、どう接していいかわからない、なついてくれない、泣かれちゃうなどパパにはパパの悩みがあると思います。
もし、この記事を読んでくださっている方の中で、お子さんとの関係に悩んでいるパパさんがいたら、ぜひあきらめないで! 積極的にお世話をして、一緒に過ごす時間を1秒でも長くつくってほしいなと思いますし、ハッピーな気持ちで育児にかかわってもらえたらなと思うのです。全国のパパさんにエールを送ります!
子どもとの過ごし方がよくわからないというパパさん。ぜひ、一緒に絵本を読んでみてはいかがでしょうか。
パパが出てくる絵本の中で、私のおすすめを1冊紹介します。
『パパ、お月さまとって!』
![](https://m.media-amazon.com/images/I/51jTFWPxfFL.jpg)
作:エリック・カール 訳:もりひさし(偕成社)
『はらぺこあおむし』で有名なエリックカールの絵本。中に仕掛けがあって、お子さんと一緒に楽しめます。お子さんが、夜空に浮かぶ月を見つけたら、「パパ、お月さまとって!」と頼まれてしまうかもしれませんね。
文/吉田明世 構成/ひよこクラブ編集部
「ママもパパも、日々の積み重ねで子育てを学んでいきますし、一日一日の経験が親としての成長と自信につながっていくのだと思います。」と話してくれた吉田明世さん。ママにはママの、パパにはパパの悩みがあるもの。それぞれが日々経験を積み重ねながら、子どもと一緒に成長していけたらすてきですね。
吉田明世(よしだあきよ)
Profile
1988年生まれ。2018年5月に女の子を出産。TBSのアナウンサーを経て、19年にフリーとなり、テレビ・ラジオ・イベントなど幅広く活動。保育士資格のほか、絵本専門士の資格も取得。現在は『THE TRAD』(TOKYO FM毎週月曜~木曜15時~)、Amazonプライムビデオ『プロ野球そこそこ昔ばなし』にレギュラー出演中。