「コロナでママ友できない」悩みを解消、ママ友マッチングアプリが話題
ママ友を作りたくても、コロナで外出しづらいから機会がない…。そんなママ友作りの悩みを解決してくれるマッチングアプリが注目を集めています。現在マッチング件数が12万件にもなったアプリの開発者、カーティス裕子さんに話を聞きました。
ママ友作りに苦労した経験から、マッチングアプリの開発を決意
――ママ友マッチングアプリを作ろうと思ったきっかけを教えてください。
カーティス裕子さん(以下、敬称略) 前職は外資系金融機関でニューヨーク勤務だったんですが、産休で4カ月間日本で過ごしました。その間に、ママ友を作りたくて自治体の子育てイベントに参加したものの、初対面では連絡先を聞きにくい雰囲気があって…。
子育て広場や公園でも、何度も通って顔見知りになって、やっとママ自身のことを聞いたり、連絡先を交換したりできるので、ママ友作りって時間がかかるな、と感じたのがきっかけです。
アメリカでは「Peanut(ピーナッツ)」というママ友マッチングアプリがあったり、FacebookなどのSNSで子育ての情報交換をしたりする文化がありましたが、私が1人目を出産した2017年当時、日本にはまだ浸透していませんでした。
そこで、マッチングアプリを利用すればもっと効率的にママ友と交流できるのでは、と考えて「MAMATALK」を開発したんです。
――ママ友というと、マウンティングやカーストなど、ネガティブなイメージがいまだに世にありますが…。
カーティス裕子 ママ友というとそんなイメージがつきまとうのは、従来の対面でのママ友作りではママ自身の価値観をもとに出会えていなかったからかな、と感じています。子育て広場や公園で知り合うと、近所だし同じ月齢の子どもはいるけれど、ママ同士の気が合うとは限りません。
でも、学生時代からの友人って、趣味や価値観が合う人ですよね。
「MAMATALK」は、登録時に居住地や子どもの月齢に加え、ママの趣味・働き方・年代などのプロフィールも入力します。共通点をわかった上で出会えたら、初対面でも気が合うポイントがわかっていますから、すぐに好きなことの話ができたりする。親近感もわきやすく、距離が縮まりやすいという利点があります。
「MAMATALK」は、子どもをきっかけにした、ママ自身の友だち作り、なんです。ママになってから気の合う友だちを見つけるのって大変なので、そんなときに活用してほしいと考えています。
――気が合う人とだけつながることによって、視野が狭くなったり、情報が偏ったりという懸念点はないでしょうか?
カーティス裕子 初めての子育てって、想像以上に大変なことがたくさんありますよね。だから、子育て以外のストレスをできる限り少なくしたいんです。
ママ友とつながって助け合いながら不安や悩みを軽くして、楽しく子育てができるといいなと思います。
それ以外のことは、子育てに手がかかる時期が過ぎてから、少しずつ考えてもいいのではないでしょうか。
ローカルな情報を共有できて、気も合う友だちを見つけられる
――マッチングアプリを使ったママ友作りのよさってどんなところだと思いますか?
カーティス裕子 行動範囲が限られる乳幼児のママたちにとって、ベビーカーで歩ける距離でさくっと会えて、ローカルな情報交換をできる友だちは貴重です。やっぱりママたちの口コミがいちばん早くて、新しくて正確ですから。
たとえば、私の3才の息子が来週からスイミングスクールに通うんですが、申し込みに悩んでいたら「そのスクール、先週電話したら空きがあるって聞いたよ」と友だちが教えてくれて。そういう情報を気軽に簡単に聞けるのは、近所のママ友ならではですよね。
それに、子育てのちょっとした悩みやグチって、夫よりも女性同士のほうが共感しやすいこともあります。「昨日全然寝てくれなくてさ」「わかるよ、そういうとき困るよね」なんて。悩みを共有して息抜きできれば、子育てをまた頑張ろう、と思えますよね。
――実際に利用するママユーザーからはどんな反響がありますか?
カーティス裕子 とくに今年はコロナ禍で、子育て広場の利用やイベント開催がしにくい状況がありました。外出自粛の時期に、子育て広場が予約制になって通えなくなってしまったけれど、アプリでママ友と話せて心強かった、という声をいただいています。
また、外出自粛で保育園が休園になった期間、転職活動をするママが面接時の預け先に困っていたら、アプリで知り合ったママ友が預かってくれて、仕事を手放さずに済んだ、ということもありました。そこまで深い関係を築くきっかけになれたのはうれしかったです。
ママ友と助け合いながら、子育てを楽しんでほしい
――「MAMATALK」がリリースされた2019年秋と現在では、社会の状況が大きく変わりました。マッチングアプリのユーザーにも、変化は感じますか?
カーティス裕子 そうですね。以前はマッチングアプリ、というとまだ抵抗感があったかもしれませんが、外出自粛でそのハードルが下がったという気はします。
リリースから1年でマッチング件数は12万件となりました。子育て中は孤独になりがちですから、ママたちは共感や相談しあえる相手を求めているんだな、とすごく感じます。
――「MAMATALK」の今後の展望を教えてください。
カーティス裕子 おすすめの子連れスポット機能や、リアルな口コミを見られる掲示板、専門家が子育て悩みに応えるインスタライブなど、コンテンツも充実させていく予定です。
今後は、ユーザーのお子さんの成長に伴って、小学生のママたち向けの便利な情報も提供したいと考えています。
また、現在はiOSのみですが、来年以降はAndroidにも対応できるよう準備中ですので、お待ちください。
お話/カーティス裕子さん 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部
現在、2人目のお子さんを妊娠中のカーティス裕子さん。子育てのリアルな経験をいかして提供されるユーザーに寄り添ったサービスは魅力です。
コロナ禍の子育ては孤独になりやすく、産後うつも増加しているといいます。マッチングアプリで気の合う友だちを見つけて、おしゃべりしてみてはいかがでしょうか。
●『MAMATALK』
■MAMATALK公式HP
■MAMATALK公式Instagram
カーティス裕子さん(かーてぃすゆうこ)
Profile
1989年生まれ。3歳の息子とアメリカ人の夫がいる。現在第2子妊娠中。
大学卒業後、東京の外資系金融に入社し、その後NY本社に転勤。育休中に近所で気の合うママ友がなかなかできなかった自身の経験から起業を決意し2019年10月にママ友マッチングアプリMAMATALKをリリース。次世代アーティストとデザインコラボするベビーブランドも展開中https://littlegifted.com/