2020年に会えなかった赤ちゃんたち[夫婦のじかん大貫さんのママ芸人日記#91]
2018年3月に男の子を出産した、お笑いコンビ「夫婦のじかん」の大貫さん。イラストレーター兼漫画家としても活躍中です。よしもと芸人・イラスト業・ママと毎日大忙しの大貫さんによるコラム連載「ママ芸人日記」、今日も始まります!
【第91回】2020年に会えなかった赤ちゃんたち
2020年は本当に大変な年になりましたね。
一体なんだったのだろうと思うくらい様々なことがあり、生活にたくさんの影響がありました。
芸人仲間と、ママ仲間と、いろいろなコミュニティに属している私ですが、一人一人かなり時間の流れに差があったように思います。
やはり独身の芸人仲間などは、劇場などの仕事がなくなってすることが無いということで、とにかく時間が有り余って暇な1年だったという意見が多かったです。
一方子育て世代は、学校や保育園等がいきなりお休みになり、かと言って仕事が休みになるわけでもなく、子育てしながら自宅で仕事をするという、なかなかのハード生活を送っている方が多かったように思います。
わが家も保育園がお休みになり、漫画の仕事はそのまま続行していたので、記憶が飛ぶくらいバタバタしていた印象です。
まさかこんな1年になるとは。
2020年は、知り合いの赤ちゃんがたくさん生まれた年でもあったのですが、全く会いに行けないという本当に寂しい年でもありました。
2020年の元旦に生まれた芸人の先輩の赤ちゃんには会いに行けたのですが、その後一気にコロナが広まり……それ以降は一度もお祝いに行けておりません。
2月くらいから徐々にコロナが猛威をふるい出し、なんとなく、あまり不要に外出しない方がいいのかなという空気感が出てきました。
特に私たちのような特殊な仕事の場合は、仕事を簡単にお休みすることが難しく、周りに掛ける迷惑も大きなものとなってくるため、この頃から少し意識が変わってきたかなという記憶があります。
そして3月にはいよいよ感染も芸能界に広がり出し、とうとう緊急事態宣言が出るという映画か何かの世界なのかなと思わずにはいられない、なんだか実感の湧かないままの1年を過ごしました。
実際2月に姪っ子が生まれたのですが、とうとう2020年中には会いに行けませんでした。
自粛開けだったりとか、どこか何かのタイミングで会いに行けたのかもしれませんが、やはり「未知のウイルス」と聞くと、自分の怖がりな性格もあり気軽には行動できませんでした。
2021年には会えることを願います!
しかし、今振り返ってみると、良くなったことも多々ありました。
リモートワークが増え、私の仕事で言うと、打合せでわざわざテレビ局に出向くことがなくなりました。
リモートで済んでしまうのは本当に時間の短縮にもなりますし今後もぜひ続けていってほしいものです。
「出演できるかどうかはわからないのですが、とりあえず一回来てもらって話だけ聞かせてもらえますか?」と言われ局に出向き、2~3時間たっぷり話した後、企画そのものが無くなったというよくあるパターンも、リモートだったらまあいいかと思えます。
頑なに紙の請求書しか受け付けてくれなかった大手の会社も、見事データOKになりました。
仕事以外で好転したことを見つけることはなかなか難しくもありますが、「家族がいてよかった」と思えたのも2020年の良さでした。
とにかくこの危機をみんなで乗り越えよう!という意識が自然と高まり、今まで当たり前だと思っていた「家族と過ごせること」の貴重さも実感できました。
特に私たちは夫婦であり芸人コンビであるため、マスクやアクリル板が無くても仕事ができる環境だったりもします。
今与えられているありがたいことを見つけ、感謝しながら、2021年、皆様の生活が好転していくことを切に願っております。
夫婦のじかん大貫さん プロフィール
吉本興業所属/夫婦お笑いコンビ「夫婦のじかん」の嫁担当。イラストレーターとしても活動中。相方は元・トンファー山西章博。息子(2018.3生)と夫との3人暮らし。2019年3月にコミックエッセイ「母ハハハ!」(PARCO出版)を発売。
・「夫婦のじかん」YouTubeチャンネル