さらばアイロンがけ♪ 洗濯物のしわの防ぎ方_子育て家庭の洗濯“あるある”を洗濯ブラザーズが解決!
子育て家庭では、毎日の家事として切り離せない洗濯。でも、家庭で行われている洗濯は意外と間違いが多いのだそう。そこで、最近メディアに引っ張りだこの「洗濯ブラザーズ」に、洗濯にまつわる正しい知識を教えてもらうこの連載。
第3回目は、「アイロンの手間がグッと減るしわを防ぐ洗濯法」について教わります。
シャツや給食着など、アイロン0にはなかなかできないのが現状
一昔前に比べて、家庭にアイロンが登場する場面は減ったように思います。アイロンはどれくらい使っているのでしょうか。口コミサイト「ウィメンズパーク」には、こんな悩みが寄せられています。
綿100%のシャツは好きなのだけれどしわが…
「綿100%のシャツは好きですが、洗うとしわしわになってアイロンがけが大変なので、着る機会がなかなかなくて残念。何かいい方法はないでしょうか?」
子どもの制服のシャツがアイロン必須で大変!
「高校で指定されている制服のシャツが、洗うとアイロン必須。中学の時は形状記憶のシャツを着ていて、しわに悩まされることはなかったんですが…。
制服のシャツだけ洗濯機のワイシャツモードという脱水緩めのモードで別洗いしてみたところ、いい感じに洗い上がったのですが、毎回やるのは水道代がもったいない気がします。
みなさん、どうされているのでしょうか?」
シャツはしわになるから乾燥機能が使えない…
「ドラム式洗濯機を使っていますが、しわになりそうなシャツ類は脱水後に取り出して、乾燥は使っていません。やっぱり、しわしわになるので…。そこがちょっと面倒かな」
給食着のしわが気になる
「Tシャツや子どもの服などは、少ししわがあっても誰も気にしないと思っているので、私はあまり洗濯後のしわ対策はしていません。
ただ、子どもが小学校に入って、給食着の洗濯当番になった時は、しわしわのままでは持たせられないので、目立つところだけアイロンをかけます。ちょっと面倒です」
家庭でできるだけアイロンがけをせずにすむ方法とは
皆さんの悩みを見ると、洗濯をする以上、しわが全くないシャツ仕上げるのは難しいということがわかりますね。かといって、アイロンをかけるのは面倒。できるだけ、アイロンかけをせずにすむ方法はないのでしょうか。洗濯ブラザーズの茂木貴史さんに聞いてみました。
「洗濯機のモードを自分用にカスタマイズしている人は少ないようですが、その家庭にあったモードに設定することで、格段に洗い上がりが変わるし、ラクにもなります。
今回のテーマのように、衣類にしわがつかないようにするためには、最後の脱水時間を1分に設定することをおすすめします。他のものも一緒に洗っているのなら、1分でシャツだけ出してしまうのです。
あえて1分の脱水時間で水分を保持したままハンガーに干すと、水分の重みで、干している間に自然にしわが伸ばされます。
ある程度の水は切れて、水分は残す。この加減がちょうど、脱水時間1分というわけです。
アイロンでしっかりとプレスしたような仕上がりにはなりませんが、一般のビジネスの場で失礼にならない程度には十分になります。
干す時は、前身頃のボタンのついている部分や、袖口、肩など、縫い目をしっかりと手で伸ばして干すのがポイントです」(茂木さん)
ちなみに、乾燥機をかけるとしわになりやすいので困るという声もたくさん聞いたのですが?
「容量いっぱいに洗濯物を入れて洗って乾燥させると、よりしわになりやすくなります。しわになりやすいものは、通常時の5割から6割程度に留めて洗濯するといいでしょう。
また、しわになりやすい衣類は30〜40分程度乾燥させ、運転を停止して衣類を取り出して半乾きの状態でハンガーに吊るして干すとしわが格段に低減されます。
同じく、干す時は、前身頃のボタンのついている部分や縫い目をしっかりと手で伸ばして干してください。
クリーニング店で使うアイロンはボウリングの球くらいの重さがあります。プロはそれを使って20分ほどかけて仕上げるのです。
家庭でそれと同じような仕上がりを目指すのは、物理的にも無理があります。それなら、大変なアイロンかけを頑張るよりも、きれいに洗ってラクに仕上げる方法を知って、実践してほしいと思います」(茂木さん)
脱水ではできるだけ水分をとってから干すものと、思っていましたが、わざと水分を残して干すという方法もあるのですね。アイロンかけが面倒な方は試してみてはいかがでしょうか。(取材・文/橋本真理子)
洗濯ブラザーズ
茂木貴史、茂木康之、今井良の3人で結成した、毎日の洗濯を楽しくハッピーにするために活動するプロ集団。横浜でクリーニング店「LIVRER YOKOHAMA(リブレ ヨコハマ)」を経営するかたわら、劇団四季、シルク・ドゥ・ソレイユ、クレイジーケンバンドなど国内外の有名アーティストの衣装クリーニングを行う。また、オリジナルのナチュラル洗剤を開発。セレクトショップや百貨店、オンラインショップなどで販売し、好評を博している。
初の著書に『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(アスコム刊)があり、「生乾きの臭い」「黄ばみ」「シワ」「シミ」などの洗濯の悩みは間違った洗い方で起きているもので、それらを解消するための工夫などを紹介している。