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ときどき女装するシングルファザーの小説家の「ていねいな子育て」

ときどき女装するシングルパパへのインタビューと聞いて、ドキドキしながらその日を迎えましたが、パソコンの向こうに現れたのは、ごく普通のパパ。こちらの質問に、言葉を選びながら丁寧に答えてくれました。今回お話を聞いたのは、小説家の仙田学さん。親になることが何より不安だったという仙田さんですが、現在、自宅で仕事をしながら、離婚して引き取った二人のお嬢さんを、シングルファーザーとしてていねいに育てています。

前編「ときどき女装するシングルファーザーの小説家が語る、ふたりの娘とママ友のありがたさ」に続き、後編では仙田さんが子育てで大切に考えていること、実践していることについて、お聞きします。

密になり過ぎないよう、親も子もガス抜きできる場所を確保する

——— 小説家という職業柄、ずっと自宅で仕事をしながら子育てをしてきた仙田さん。コロナ禍の前から、子どもたちと一緒にいる時間の長い生活を送られていたわけですね。

仙田さん(以下敬称略):コロナ禍のもとで親子が顔を合わせる時間が長くなり、DVや虐待が増えたという話を聞くことがあります。以前と比べると親子の関係性がより「密」になってきたことの表れかもしれません。親子がお互いにガス抜きできる場所は必要だと思います。

ふだんどんなに仲の良い親子でも、四六時中一緒にいれば煮詰まってくることもあります。我が家の場合は幸いなことに、近所づきあいもあるし、周りには小さい子やママ友もいるので、親も子もだいぶ救われているなと感じています。

保育園や小学校が子どもを見てくれるありがたみも、改めてわかりました。平日の昼間には、親は親、子どもは子どものやるべきことがあり、それぞれの時間を過ごす。そして夕方以降や休日には親子の時間を充実させる。ふたつの時間を行き来することでメリハリをつけることが大切だとも思いました。

未来の自分が喜ぶ子育てをする

——— ひとりの時間を過ごすコツ、工夫があれば教えてください。

仙田:私の場合、ひとりの時間といっても大体は仕事をしています。自分の好きなことを仕事にしているので、そこでけっこう発散できています。

ただ、いつかは子どもが手を離れて、嫌でもひとりになるんだろうなとは思います。なぜなら子どもは世の中からの預かりもの。私の元から旅立っていく日が来ると思います。

私の場合はシングルなので、「完全にひとりになるのかな」と思うと怖くもなります。でも逆に、その頃にはこういう生活をしていたいというイメージをもって、それに近づくためにはどうすればいいかと考えると、ひとりの時間の過ごし方も見えてくるかもしれません。ひとりの時間を持て余してしまうときには、「未来の自分を喜ばせるにはどうすればいいかな」と考えます。

——— 「未来の自分を喜ばせる」ですか?

仙田:先のことはなかなかイメージしづらいですが、子どもの未来はよく想像します。「高校生になったら」とか、「大人になったら」とか。そのときに「自分はどんなことをしているかな」とついでに想像してみるんです。そのとき自分も、「健康で楽しく暮らしていてくれたらいいな」と思います。

もともと先のことは考えないで生きてきたんですが、離婚して考え方が少し変わりました。「子どもの手が離れるとひとりになるんだな」と実感したんです。

あえてきちんとしないことで、ていねいに子どもと向き合える

——— お子さんが小学校、保育園から戻ってきたあとの仙田さん親子の時間について教えてください。

仙田:子どもたちが小さかったころは、毎晩、寝る前に本を読んであげていました。最近は、一緒にアニメを見ています。京都アニメーションの作品が好きで、「けいおん!」や「響け! ユーフォニアム」などにはハマりました。子どもたちとアニメの感想を語り合うのは楽しいです。休みの日には一緒に料理することもあります。

掃除は週に1、2回にする、休みの日には予定を詰めこまないなど、できるだけやることを減らしてシンプルに生活すること、余裕をもつことを意識しています。

——— 毎日、時間に追われていて、なかなか余裕のある生活ができないという声も聞こえてきます。

仙田:でも、自分に余裕がないとていねいな子育てはできないし、そもそも楽しめません。だから優先順位をつけることが大事だと思います。子どものペースに合わせたゆとりのある予定を組んだうえで、限りのある時間のなかで、自分のやるべきこととその順番を常に意識しています。

とはいえ私の子育てはかなり大雑把なものだと思います。あまり細かいことは注意しないし、勉強を熱心に見るわけでもありません。ただ健康で、人の気持ちのわかる子でいてほしいと思っていますが、それ以外のことは多くを求めていません。自由に生きていってくれればいいなと。親がきちんと子育てしようとして張り切りすぎると余裕もなくなるでしょうし。あえてきちんとしないことで、余裕が生まれてていねいに子どもと向き合えるんじゃないかという気がします。

文/米谷美恵


仙田学さん
Profile
1975年京都生まれの小説家。2002年に小説『中国の拷問』で第19回早稲田文学新人賞を受賞。Webでの連載も多い。著書に『盗まれた遺書』(河出書房新社)、『ツルツルちゃん』(オークラ出版)、『ときどき女装するシングルパパが娘ふたりを育てながら考える家族、愛、性のことなど』(WAVE出版)がある。

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