高齢出産で2児の母 女優・加藤貴子 二男を見て思い出した先輩女優からの言葉
連載14回目となる女優・加藤貴子さんの今回のお話は、3歳の二男くんに関する母親としての記憶について。この連載は、44才で第一子、46才で第二子出産した、加藤さんの赤裸々な育児話と、育児に影響を与えた言葉を紹介しています。
二男を見て思い出した先輩女優からの言葉
最近、なんでもひとりで始めちゃうし、見たことをなんでもまねしたがって、ますます目が離せない3歳5カ月の二男。
長男が3歳ぐらいの時ってどうだったかな? こんなに手がかかったかな?と、振り返ってみても…思い出せない。まったく覚えていないんです、つい3年前の話なのに…。自分でも驚くくらいに、細部がごっそり抜き取られているような感覚です。
確かにそのころは、二男が生まれて仕事も再開して、てんやわんやの状態ではあったものの、さすがにまったく思い出せない自分に、呆然。
その代わりと言ってはなんですが、思い出したのが…。テレビドラマ『温泉へ行こう』でご一緒してからかわいがっていただいている、女優の藤吉久美子さんに長男をお披露目したときにアドバイスされたひと言。
「ホントにあっという間に大きくなっちゃうし、一つ一つぜ~んぶ覚えていたくても、月日と共に忘れてっちゃうから、
なるべく意識して、覚えておくなり記録しておいたほうがいいよ」
当時は「え~そうなの? お姉ちゃん(藤吉さん)、記憶力抜群にいいじゃん。それに超でき愛してるのに忘れちゃうなんてことあるの?」と、笑っていたのですが、しっかり私も同じ轍を踏んでいます。
デジタル時代の子どもの成長記録のつけ方
ブログでも同じような書き込みをいただいていました。私のような高齢出産の方だけでなく、若い方でも、こういった経験をしてる先輩ママがいるようです。
どうやら年齢と記憶、愛情と記憶などと、単純に相関関係をつけられることではなさそうです。
いや、むしろ愛情がある分、目いっぱいに子どもと向き合うので、記憶する余裕も、記録する時間もなくなるのかもしれません。と、まあ~忘れてしまった言い訳でしどろもどろですが…。
今はデジタルの時代で、なんでもコンパクトに保存できるから、記録素材は豊富にあって増える一方なのですが、その分素材一つ一つの「いつ、どこで、どうだった」が、まったく整理しきれない私。
「いつかやる」「時間ができたときにゆっくりやる」なんて思っていたら、あっという間にもうどこから手をつけていいかわからない状態。大切な思い出なのに、整理って、気が重くなることの一つになっています…。
これからは、ランダムに見返しても当時の記憶をすぐさまよみがえらせられるように、ビデオ撮影の際は冒頭で、年齢や月齢、最近の様子などをひと言入れておこうと思っています。
そして、ほかの素材とも合致できるように、子どもたちが描いた絵の裏には、できるだけ日づけとひと言日記を添えていきたいと思います。
小学生のころから日記を書くことが苦手で、何でも三日坊主の私ですが、もはや覚えていられる自信がないので、意識して記録していくことに全集中したいと思います。(あれ? なんだか小学生のころ、日記をつけるときにした決意表明のデジャヴのような…)
文/加藤貴子 構成/ひよこクラブ編集部
ドタバタの毎日を過ごす中で、忘れていってしまう子どもとのささいな出来事。加藤さんのように、スマホやデジカメに記録を残しつつ、そのときの詳しい出来事や感情を音声やメモで残すと、思い出がより色鮮やかになりそうですね。次回も、加藤さんの育児の対するリアルな思いを紹介します。お楽しみに!
加藤貴子さん(かとうたかこ)
Profile
1970年生まれ。1990年に芸能界デビューして以降、数々の作品に出演。代表作として『温泉へ行こう』シリーズ(TBS系)、『新・科捜研の女』シリーズ(テレビ朝日系)、『花より男子』(TBS系)などがある。