妊娠中に痔に!…お産に影響する?! 【産科医・北島米夫のニンプのお悩み相談室】
妊娠すると、痔になりやすくなり、そのうえ、便秘がちになる→トイレで頑張る→痔が悪化する…というスパイラルにはまる人も多いもの。これってお産に影響する?
モヤモヤがスッキリ晴れる助言をくれる、と妊婦雑誌「たまごクラブ」編集部員からも信頼されている北島米夫先生が、ニンプさんのお悩みをスッキリ解決! 悩めるニンプさんの心を軽くするアドバイスをお届けします
痔があるとお産はどうなる?
妊娠してから便秘がひどくなり、痔になってしまいました。トイレで力を入れるのが怖いし、排便時に出血することもあります。痔があるとお産のときにどんな影響がありますか?
分娩台でちゃんといきめるか不安だし、痔がますますひどくなるのも心配です。(妊娠9カ月のニンプより)
温野菜を食べてたっぷり食物繊維をとろう
妊娠すると下半身の血流が増えて、痔になりやすいですね。ただ、悪化してもお産が終わればほとんどは治るので、安心してください。
痔のいちばんの大敵は便秘です。便秘になると、どうしてもトイレで力を入れる時間が長くなってしまうので、痔が悪化しやすいのです。従って、便秘にならないようにすることがまずは大事です。
便秘解消のために食物繊維をとろうとして、「サラダを食べている」という妊婦さんが多いのですが、生野菜はボリュームたっぷりに見えても、ゆでてしまえばほんの少量。便秘解消につながるほどの食物繊維がとれるとはいえません。十分な量の食物繊維をとりたいなら、温野菜を食べるといいでしょう。また、苦手でなければ、玄米などもいいですね。
お産のとき、助産師さんに肛門を押さえてもらうと◎
いくら産後に痔がよくなるとはいえ、できるだけ妊娠中に悪化させないほうがいいので、食事で便秘が改善しない場合は、便秘薬を処方してもらいましょう。
また、お産の希望を聞かれたり、外来で助産師さんと話したりする機会があったら、「痔なので、分娩台でいきむときに肛門を押さえておいてほしい」と伝えておくとよいでしょう。助産師さんに押さえておいてもらえば、いきんでも血管がふくらまず、分娩時の痔の悪化を防げるのです。風船も押さえておけばふくらみませんよね。それと同じ原理です。
痔そのものはお産に何の影響も及ぼさないので、ご心配なく。痔でも問題なく赤ちゃんを産み出す力は発揮できるし、痔が原因で分娩が長引くこともありません。
先生から最後にひと言
痔があってもお産には影響なし! まずは食生活を見直して便秘解消に励んでみて。
監修/北島米夫先生 イラスト/花くまゆうさく 文/たまごクラブ編集部
いかがでしたか? 北島先生の相談室は「たまごクラブ」で好評連載中です。