なかなか子どもを授からない友人への妊娠報告、どう伝えたらいい?
うれしい妊娠の診断を受けたものの、同時に悩むのが、なかなか子どもを授からない友人への報告の仕方。今回は、口コミサイト「ウィメンズパーク」で語られたママたちの実体験を紹介するとともに、日本赤十字社医療センター第一産婦人科部長・木戸道子先生にもお話を伺いました。
妊娠の報告、どんな時期にどのようにするべき?
「産婦人科で現在、7週目との診断を受けました。近々、遠方に住む親友に会うので、この早期の段階で妊娠を告げるべきか悩んでいます。なぜなら、彼女は何年も不妊治療をしていて、生理が来るたびに落胆しているのを聞いているからです。会った時に直接伝えるべきか、LINEなどで伝えるのがよいのか、悩んでいます」
こんなAさんのお悩みに寄せられた先輩ママのアドバイスを見てみましょう。
自身の経験をふまえた先輩ママからのアドバイス
直接会った時の友だちの様子を見ながら判断しては
「私はLINEの仲良しグループで近況報告をする時に伝えました。その中には不妊治療をしている友だちもいたので悩みましたが、報告したら、彼女も私の体を気遣ってくれましたよ。もしAさんがその友だちと会った時に、不妊治療の悩みなどが話題になるようであれば、その時は聞き役に徹して自分の報告は保留にしたほうがいいと思います」
間接的に伝わるよりは直接のほうがいいと思う
「妊娠したことを素直に言っていいと思います。私にも不妊治療をしている友人がいましたが、妊娠がわかった直後、会った時に伝えたところ、とても喜んでくれました。その友人は後から報告が人伝いに聞いたり、いきなり出産報告されたりするほうが嫌だと言っていました」
LINEで伝えて、後のことは友人に任せても
「私にも遠方に住む不妊治療中の大事な親友がいます。近々に会う機会があったので悩み、結局は事前にLINEでさらりと伝えました。直接会った時に言うと、たとえ、ショックを受けても笑顔でいなければと無理するかもしれないと思ったからです。LINEなら無理しなくてもいいし、自分のタイミングで返信ができるのでいいと思います」
もしも相手が喜べなくても、そこは許して
「私は自分より後に結婚した友だちの妊娠報告に、素直に『おめでとう』は言えませんでした…。言えるようになったのは、自分が妊娠してからです。私のような考えの人は少ないかもしれませんが、お友だちがAさんの妊娠を喜んでくれなくても仕方ないかなと思います」
自分が悩んだことも、あわせて伝えては?
「なかなか子どもを授かれない時の周りからの妊娠報告は『良かったね』と思う半面、辛いものがありますね。でも親友ならいつかは知れることです。黙っていられるほうが、気を遣われてる気がして私は嫌です。自分が子どもを授かったことを、報告していいものかどうか悩んだことなど、自分の心の内もあわせて正直に話してみたらどうでしょうか」
木戸道子先生からのアドバイス
同じような悩みをもったことがあるママたちから、親身なアドバイスがたくさん集まりました。最後に、どのように報告をしたらいいのか、産婦人科医の木戸先生に伺います。
「妊娠・出産の話はやはりデリケートです。特に、なかなか赤ちゃんを授からない方であれば、多かれ少なかれショックを受ける可能性はあります。親友の方がどのような性格なのか、また、これまで一緒に過ごしてきた関係も様々なので、一律に考えるのは難しいものです。
相手の性格や行動パターンをよく知っているのであれば、自分が相手だったらどう受け止め、どんなふうに言葉をかけてほしいか、と立場を置き換えて考えてみることをお勧めします。親友の方の心の中を察して、相手をできるだけ傷つけず、それを乗り越えてよい友人関係を続けられる形でお伝えできるといいですね。
また、周囲に妊娠を公表する時期についてですが、妊娠7週ではまだ少し早いかもしれません。もちろん、仕事の調整などで職場の上司などに早めに連絡したほうがよい場合もありますが、親族や友人などにお知らせするというのであれば、一般には妊娠12週以降がよいとされています。
それまでは、いったん赤ちゃんの心拍が確認できても、その後流産に至ることも医学的にはあります。また、妊娠初期はつわりで体調がすぐれず、心身にゆとりがもちにくい時期でもあります。ご友人へのお知らせは、少し落ち着いてからにしてはいかがでしょうか」
(お話/木戸道子先生)
先生のアドバイスから、公表するのに適正なタイミングがあることが分かりましたね。また、友人への妊娠報告は、先走りすぎず、相手の状況や性格、これまでの関係性を考えてからするほうがよさそうです。ぜひ参考にしてみてください。
(文/橋本真理子)
※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」の投稿を再編集したものです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
木戸道子先生
PROFILE
日本赤十字社医療センター 第一産婦人科部長。年間3000件近くの出産を扱う病院に勤務し、母子の健やかな出産を応援している。みずから3人の男の子を育てた経験からも、妊産婦、働く女性に親身なアドバイスを行っている。