「妊娠したら、体のあちこちが、かゆい!どうしたらいいの?」産科医・北島米夫のニンプのお悩み相談室
妊娠して、おなかが大きくなってきたら、湿疹ができてかゆい! おなか以外の太ももや胸もかゆくなってきました。改善策はありますか?
モヤモヤがスッキリ晴れる助言をくれる、と妊婦雑誌「たまごクラブ」編集部員からも信頼されている北島米夫先生が、ニンプさんのお悩みをスッキリ解決! 悩めるニンプさんの心を軽くするアドバイスをお届けします。
皮膚がかゆくてしかたがない
妊娠前から肌が敏感なほうで、あせもができたりしやすい体質です。最近、おなかが少し大きくなってきたせいか、かゆみが強くて悩んでいます。よく見ると赤くて小さな湿疹も。また、おなかだけではなく、太ももや胸もかゆいです。保湿クリームを塗っていますが、どうしたらいいですか?(妊娠5カ月のニンプより)
妊娠中に特有の皮膚疾患である可能性も
あまり知られていませんが、妊娠初期の3〜4カ月ごろから、赤い湿疹が出てかゆくなる「妊娠性痒疹(ようしん)」という皮膚疾患があります。特徴的なのは、胸やおなかなどの体幹や、太ももなどに症状が出ること。出産したら治まりますが、妊娠中にいつの間にか消えることも多いです。
保湿クリームを塗ってみて、治まるならそれでいいですし、治まらないなら産院や皮膚科でかゆみ止めを出してもらうといいでしょう。あまりにひどいときは、医師がステロイドの軟こうを処方する場合もあります。
湿疹やかゆみは、あせもやアトピーが原因であるケースも。その場合は、アレルギーを抑えるような飲み薬が処方されることもあります。いずれも赤ちゃんには影響しないので、安心してくださいね。
妊娠線ができるときにかゆくなることも
してはいけないのは、かきこわすことです。ヒスタミンというかゆみ物質が出て、ますますかゆくなるという悪循環に陥ってしまいます。
どうしてもかゆいときは、保冷剤などで冷やしたり、ポンポンとたたいたりするといいですよ。春〜夏ならシャワーを浴びるのもいいですね。汗の塩分や汚れがついたままだと、それが皮膚への刺激となって、症状を悪化させる場合があるからです。
妊娠中期以降は、急激におなかが大きくなるのに伴い、皮膚が伸びて割れ、かゆくなります。いわゆる妊娠線ですね。体重が一気に増えると妊娠線ができやすいので、体重は少しずつ増やすようにしましょう。さらに、妊娠線ケアクリームやオイルでしっかり保湿し、皮膚の柔軟性を高めてあげるといいですよ。
先生から最後にひと言
保湿クリームで様子を見ながら、改善しない場合は医師に相談して薬を処方してもらいましょう。
監修/北島米夫先生 イラスト/花くまゆうさく 文/たまごクラブ編集部
いかがでしたか? 北島先生の相談室は「たまごクラブ」で好評連載中です。
参考/『たまごクラブ』2022年3月号「産科医・北島米夫のニンプのお悩み相談室」
※掲載している情報は2022年3月現在のものです。