withコロナ時代の新常識。満足度高く上手に活用したい! オンラインによる両親学級・産後のケア
コロナ禍で、両親学級や産後の調乳指導などが縮小される傾向は、いまだに続いています。そんな中、注目したいのが、オンラインによるケアサービス。活用に当たってのアドバイスを、母性看護専門看護師・助産師の長坂桂子先生に聞きました。
産院の制約で、ママもパパも不安が増えた!?
新型コロナウイルス流行拡大の時期、多くの産院が受診時の制約を厳しくしたり、両親学級などのクラスを縮小したりしました。こうした制約は多かれ少なかれ、現在でも継続されています。
そんな状況で、心細く感じている妊婦さんは多いかもしれません。また、パパも健診に付き添えなかったり、両親学級に参加できないことで、妻をどうサポートすればいいのかわからなかったり、パパとしての心構えを持ちづらかったりするかもしれません。
そこで、妊娠生活や産後の育児への不安をできるだけ解消するために活用したいのが、オンラインによるケアサービスです。
オンラインならではのメリットがある!
コロナ禍で、対面での母親学級をオンラインに切り替えた産院もありました。
「対面で指導を受けられないのは残念」という声も聞きますが、オンラインにはオンラインならではのよさもあります。
オンラインならではのよさ
●どこにいても、何かをしながらでも、参加できる。
●スマホで参加できるので、職場にいるパパも参加しやすい。
●顔出しなしでの参加が可能なクラスもあり、気軽に参加しやすい。
●チャット機能を使用してやり取りできるので、気軽に質問しやすい。
オンラインであれば、ちょっとしんどいときでも、横になりながら参加することができます。また、産院に行かなくても参加できるので、上のお子さんがいる人でも参加しやすいでしょう。
また、実際にオンライン両親学級を開催した産院からは、「対面の両親学級よりもたくさん質問が出た。主催者側もチャット機能を使って、100%回答できたので、参加者の満足度が高かった」という声もありました。
だれでも利用できるケアサービス
残念ながら、すべての産院がオンラインによるケアサービスを実施しているわけではありません。しかし、だれにでも利用できるサービスがいろいろあります。
保健医療の専門職が、NPOや企業を立ち上げ、無料・安価で提供しているオンライン両親学級やオンライン相談もあります。
自治体や健康保険組合が行っている場合もありますので、HPや広報誌などもチェックしてみましょう。また、双方向の参加型ではありませんが、妊娠・出産・育児に役立つ講座の無料配信もあります。
参加型ではないが、だれでも視聴できる講座の例
要注意! SNSは誤った情報が含まれることも…
いまや妊娠・出産・子育てに関する情報は、SNSにもたくさんあふれています。しかし、だれでも・仮名でも発信できるということは、医学的には正しくない情報もたくさんあるということ。オンライン上の情報は、「本当に正しい情報だろうか?」と、疑う目を持つことも大切です。
情報を得るときは、まず発信元をチェックしましょう。信頼度が高いのは、以下の発信元です。
●医療関係の団体(日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本助産師会、日本小児科学会、日本小児科医会など)
●市区町村や厚生労働省などの行政
また、妊娠中の気がかりを解消したくてスマホで検索し続けて、ますます不安になってしまうこともあります。とくに、夜間のスマホは要注意! 夜は疲れや眠けで判断力が落ちています。自分の状況に合わない情報に振り回されて、不安が大きくなりがちです。
妊娠経過や赤ちゃんのことなどの気がかりは、まずは、かかりつけの産院に相談するのが基本です。その上で、オンライン上のケアサービスを利用する際は、信頼できるものを選びましょう。
取材・文/栗本和佳子、たまごクラブ編集部
新型コロナ感染対策の観点から制限されている保健指導・相談などをオンラインでフォローしようとする動きが広がっています。こうしたサービスを積極的に活用して、妊娠・出産・産後の不安をできるだけ解消していけるといいですね。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。