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三つ子の長男が自閉スペクトラム症、と診断。あと2人はグレーゾーン。育児の奮闘は続く【三つ子育児体験談】

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クラウドファンディングで購入した子ども乗せワゴンは、三つ子のお散歩時に大活躍。

男の子3人の三つ子とお姉ちゃんの4人のママであるharuさん(36歳・看護師)。夫のヨシくん(37歳・営業職)、花子ちゃん(8歳)、三つ子の太郎くん・次郎くん・三郎くん(5歳)の6人家族です。自然妊娠で三つ子を授かったというharuさんと夫のヨシくんに、三つ子として生まれた3人の子どもたちの成長の様子について話を聞きました。全3回のインタビュー、最終回です。※名前はすべて仮名です

長男は3歳半で自閉スペクトラム症と診断

三つ子たちは2017年8月に予定日より2カ月ほど早く、3人とも2000g以下の体重で生まれました。小さく生まれたことから、「発達面の成長具合が気になっていた」とharuさんは言います。

「生後1カ月半くらいの健診で、医師からは『身長や体重の発育面では問題がないから修正月齢で考えなくていい』と言われました。でも1歳半を過ぎたころから、子どもたちの様子を見ていて精神発達面で少し成長がゆっくりかもしれない、と気になり始めました。上の子1人の成長の様子と比べていた面もあるのかもしれません。

1歳半健診などで発達の遅れを指摘されたことはありません。でも、保育園の年少クラスに上がるときに、保育園の先生が『かんしゃくを起こしやすくて集団生活が難しいところがあるから、発達検査を受けたほうがいいかもしれない』と教えてくれました。そこで、3歳半のときに3人とも発達検査を受けた結果、長男は『自閉スペクトラム症』と診断され、次男・三男は診断名はつきませんでしたがグレーゾーンのように言われました」(haruさん)

長男の太郎くんが早い段階で発達障害があると診断されたことはよかったとharuさんは言います。

「診断名がついたときには正直、ちょっとしんどいな、と思いました。でも早い段階でわかったからこそ、早期に療育手帳を取得して療育を受けられることになりました。療育を受けて、プロの先生に太郎の苦手なところを底上げしてもらうことや、得意なことを伸ばす手助けができたほうが、彼にとっていいんじゃないかと思いました。

保育園の先生に指摘されなければ、かんしゃくを起こしやすくても『こんなものかな』で終わっていたかもしれません。太郎は療育に通い始めてからかんしゃくが少し減って、自分の感情をコントロールできるようになってきていると思います。成長もあるのかもしれませんが、自分の感情を言葉で表現できるようになって、以前より自分から積極的に話してくれるようになってきました」(haruさん)

ママだけが大変にならないよう、自分のことは自分でやってもらう

三つ子たち生後2カ月のころ。お姉ちゃんの花子ちゃんが授乳のお手伝い。

三つ子たちが5歳になり変化したことはあるのでしょうか。

「3歳くらいから少しずつ自分で自分のことをできるように声かけを始めましたが、5歳になった今、子どもたちが自分でできることが増えてきました。3歳くらいから伝えていたことは、お茶や牛乳をこぼしたら『タオル持ってきてふいてね』とか、うんちをもらしちゃったら『パンツはおふろで洗ってね』など。私がやってしまえば早いんですけど、それでは私だけが大変になってしまうので。3歳を過ぎると言葉も増えて『〜して』『〜したい』ということが増えてきたので、やり方を教えて子どもが自分でできると、本人も納得して機嫌よく過ごせることが増えた気がします。

5歳になった今は『帰ってきたら保育園で使った食器を出すんだよ』『脱いだ靴下は洗濯機に入れてね』など、子どもが自分でできることが増えるように教えています。着替えも自分でできるように、後ろ前や裏表が間違いやすい肌着にはアップリケをつけるといった工夫をしています」(haruさん)

コロナ禍で大きく変わった夫のかかわり

三つ子たち3歳8カ月のころ。家族で海辺へお出かけ。

看護師として働きながら4人の育児に奮闘してきたharuさん。新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年ごろから、夫のヨシくんの働き方が大きく変わり、子育てへのかかわりも変わったと言います。

「それまで夫は営業職で早朝から深夜まで仕事が忙しく、出張も多く、育休も取れない状況でした。それが新型コロナウイルスの感染拡大以降、出張はなくなり、在宅勤務となりました。三つ子育児の様子を目の当たりにして“自分がもっとかかわるべきだった”と言ってくれ、できることを自分からやってくれるようになったんです」(haruさん)

家族とのかかわり方が変わったことについて夫のヨシくんはどのように感じているのでしょうか。

「在宅勤務になって、妻がずっと大変な思いをしてきたと気づくことができました。私が仕事ばかりやってしまっていたのは本当によくないことでした。妻は実家に頼れない状況だったので、精神的に不安定な状態で、毎日必死に子どもたちのお世話をしてくれていたんだな、と・・・気づくのが遅いですよね。妻に任せきりにしてしまって、妻だけに大変な思いをさせていた当時の自分を深く反省しています。今は自分ができることはなんでもやるし、三つ子を毎日保育園に送っていくようにしています」(ヨシくん)

現在、haruさんとヨシくんは、haruさんが経験したような多胎育児のつらさを抱える人のために、多胎児の子どもやママやパパが集まる「子ども食堂」を開いています。

「神戸市内で月1回、10人ほどの子どもとその保護者が集まる子ども食堂を開き、お弁当を用意して提供しています。3カ月に1回くらいは多胎児ファミリーがリアルに集まって、パパたちが子どもを見て、ママたちが交流する会にしています。

多胎育児は情報が少ないので、情報を提供しあったり、困りごとを少しでも吐き出して、気分を変えてもらったりするつながりの場を作りたかったんです。ママたちができるだけ子どもから離れて心のゆとりを持てる空間を作っています」(haruさん)

「妻はピアサポートの資格を取り、多胎育児で困っている人にSNSで声をかけ、オンラインの悩み相談会などを開いています。本気で困っているママたちの支援に取り組んでいる姿をすごく尊敬しています」(ヨシくん)

子ども4人が健康で笑っている、それだけで幸せ

8歳になった長女の花子ちゃんと、5歳になった三つ子たち。4人の子どもたちはそれぞれ性格も好みもまったく違うのだそう。
「花子は好奇心が旺盛で知識欲がすごい子。図鑑や辞書を読むのが大好きです。バレエの練習も楽しくやっているので応援したいです。
太郎は特性もあるけれど電車のおもちゃをコロコロしたり、ボールを転がす動きをずっと見ているのが好きな子。最近は鳥にハマっていて、鳥の図鑑と一緒に寝ています。二男は、見本を見ながら1人でパズルブロックをずっと黙々と作っていて集中力がありそう。三男はいつも陽気なラテン系の男の子で、家でずっと踊っているくらい。家族のムードメーカー的存在です。

それぞれ個性が違う子どもたちですが、彼らがやりたいことがあったら全力で応援してあげたいし、いろんな体験をさせてあげたいし、いろんな人に出会ってほしいと思います。

とくに三つ子たちは小さく生まれて、いろんな人に支えてもらってここまで大きくなってこられました。これからの3人は、人に思いやりを持てる人になってくれたらいいなと思います。
でも今は、4人が健康で育っていること、それだけで心から幸せを感じます」(haruさん)

お話・写真提供/haruさん、取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部

「今となっては、三つ子を育てているというだけで『すごいね』『えらいね』とほめてもらえることが増えてきて、自己肯定感が上がります」と笑顔で語るharuさん。自身の経験をほかのだれかの役に立つようにと活動する姿が輝いていました。

ブログ 「一姫三太郎子育て日記 2人目は三つ子」

YouTube みつごタイム /Triplets Troubles

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●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2023年3月の情報であり、現在と異なる場合があります。

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