ヨガインストラクターが厳選!産後太りを解消する・骨盤周りを整えるポーズ3選
「産後なかなか元の体重・体型に戻らない」そう感じている人も多いのではないでしょうか。産前と産後ではホルモンバランスなどによって、からだの状態が異なります。そのため、思うようにダイエットが進まないかもしれません。
そこで今回は、産後太り解消におすすめな骨盤周りを整えるヨガポーズをご紹介します。
産後に太りやすくなる理由
私たちの食欲には、食欲を「抑制する」「増進する」といった2種類のホルモンが大きく関与しています。
産後は、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの急激な減少に伴い、食欲を抑制するホルモンも減少しますが、逆に食欲を増進するホルモンは増加するといわれています。つまり、いつもよりおなかが空きやすく感じ、食欲も旺盛になってしまうのです。(※1)
また、産後は安静が必要だったり、育児に時間を取られたりして運動不足になりがちです。そのため、脂肪の燃焼がしにくくなってしまうことも考えられます。
さらに、骨盤の状態が体型に影響する場合もあります。
妊娠中は胎児を育てるために骨盤周りの筋肉が緩み、出産時には骨盤が開きます。その後は元に戻ろうとしますが、人によってはうまく閉じなかったり、歪んでしまったりします。すると、内臓が下がって下半身が太って見えたり、下がった内臓を守るために余分な脂肪が付きやすくなったりすることもあるのです。
基礎代謝をアップする生活習慣
痩せるためには、脂肪燃焼が必須です。
妊娠中は基礎代謝が低下し、効率的に脂肪燃焼ができない体質になっている場合もあるので、まずは生活習慣を見直して痩せやすい体質を目指しましょう。
しっかりと睡眠を取る
食欲を抑制するホルモンを働かせるためには、自律神経を整える必要があります。そのためには、きちんと睡眠を取ることが大事です。(※2)
しかし、産後は赤ちゃんの夜泣きや授乳などで睡眠不足になりがち。
十分な睡眠時間の確保が難しい場合もあるかもしれませんが、可能な範囲で日中に仮眠をとったり、粉ミルクや搾乳した母乳を活用したりして夜中の授乳を家族や周りの大人に頼んでください。そして、少しでも睡眠時間を確保して、自律神経を整えましょう。
筋肉量をアップさせる
妊娠中は運動が制限され、筋肉量が低下しがちです。筋肉量が低下すると基礎代謝も下がってしまうので、痩せにくい体質になってしまいます。
しかし、産後は運動時間の確保が難しかったり、からだの回復具合によっては運動をするのが難しかったりする場合もあるため、まずは「ながら〇〇」から始めてみてください。具体的には「つま先立ちで歯を磨く」「つま先立ちで調乳をする」などが、特別に時間を確保する必要がなく、からだへの負担も少ないため始めやすいでしょう。
骨盤周りを整えるヨガポーズ3選
ここからは、骨盤周りを整えるためのヨガポーズを3つご紹介します。ポイントは「骨盤周りの筋肉を鍛えるポーズ」もしくは「骨盤周りの硬くなった筋肉をほぐすポーズ」を選ぶことです。
ただし、産褥期(さんじょくき)と呼ばれる産後6〜8週間はからだを休めることに専念してください。また、運動を始められる時期は個人差があるため、医師や助産師に相談してからにしましょう。ポーズをすることで痛みや違和感がある場合は、速やかに中止してください。
仰向けのがっせきのポーズ
【1】仰向けになり、左右の足裏同士をくっつける。
【2】かかとをからだに引き寄せる。
【3】10呼吸ほどキープする。
腰が反ったり浮いたりする場合は、太ももの下にタオルなどをはさんでみましょう。股関節の柔軟性を高めるとともに、深い呼吸ができるのでリラックス効果もあります。全身の力を抜いて、体重をズッシリと床に預けましょう。1日1回、寝る前などに実践してみてください。
橋のポーズ
【1】仰向けになって、両手をからだの横に置く。
【2】両脚は腰幅に開き、両ひざを立てる。
【3】お尻を持ち上げて、3〜5呼吸程度キープする。
かかとはひざの下に来るように置きます。両ひざが外側に開くと腰を痛めてしまう可能性があるので、外側に開かないように内ももに力を入れてください。骨盤周りの筋力アップに効果的です。
まずは、1日5回を目標に行いましょう。慣れてきたら回数を増やしてもOKです。
三日月のポーズ
【1】四つん這いになり、両手の間に片足を置く。
【2】後ろの脚を可能な限り後方にずらす。(足の甲は寝かせる)
【3】上半身を起こして、上体が安定したら両手を天井に向かって伸ばす。
このとき、前のひざがかかとより前に出ないようにする。
【4】ななめ上を見上げて、3〜5呼吸程度キープする。
【5】左右の脚を入れ替えて同様に行う。
上体が安定せずグラグラしてしまう場合は、後ろの脚を外側にずらすと安定します。上半身を反らすと呼吸が止まりがちなので、肩の力を抜いて呼吸を繰り返しましょう。
骨盤周りの筋肉をほぐしつつ、筋力アップの効果も期待できます。また、下半身の血行がよくなるため、脚のむくみや疲労感の解消にも効果的です。
1日3セット行い、慣れてきたらキープ時間を2呼吸ほど長くしてみましょう。
ヨガで産後太りを解消しよう
産後は思うようにからだが動かなかったり、自分の時間が取りにくかったり、産前の自分とは変わりがあるかもしれません。
ヨガは呼吸にも意識を向けてからだを動かすため、肉体だけでなく、精神面のケアにもなります。
運動ができる時期になったら、ほんの少しの時間でもゆっくりからだを動かして、産後太りを解消していきましょう。
<参考文献>
※1 和泉美枝・ 眞鍋えみ子・ 植松紗代・ 渡辺綾子「産後1年における身体組成,自律神経活動の推移とその関連」
※2 独立行政法人 労働者健康安全機構 京都産業保健総合支援センター「健康情報”ほっと一息”」
PROFILE
ヨガインストラクター・ライター 高橋かなこ
2021年よりRYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとしてオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン組み立てを得意とする。自身のダイエット成功経験から、美しい体を作るためには食の大切さや思考も大切だと痛感。同じように悩む人に向けて精力的にメディアでの情報発信を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
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