【医師監修】帝王切開後の最初のケアで、傷あとはずいぶん違ってきます!
今や5人に1人は帝王切開という時代。
予定帝王切開の人だけではなく、お産の途中で緊急帝王切開になることもあるので、だれもが帝王切開になる可能性はあります。
術後の最初のケアで傷あとがずいぶん違ってくるので、知っておきましょう!
記事監修
日本医科大学大学院修了。米国ロマリンダ大学留学を経て葛飾赤十字産院などに勤務。よりやさしい「生まれる・生きる」をサポートするため、国や地域、医療の枠を終えて活動中。著書・監修書も多数。
帝王切開には縦切りと横切りがあります
帝王切開はおへその下から恥骨(ちこつ)に向かって切開する縦切りと
恥骨より指2~3本上を横に切る横切りがあります。
傷の回復具合はどちらも変わりませんが、縦切りはおなかの傷が引っ張られやすいので目立ちやすい傾向があり、横切りはおなかのしわに隠れて目立ちにくいのです。
しかし、どちらもすぐにケアをすれば目立たなくなるのは変わりません。
最初の3カ月のケアがとっても大事
傷は、切った直後はきれいな1本線ですが、動いたりして引っ張られると中から皮下組織が出てきて傷あとが広がってしまいます。
つまり、傷口が引っ張られないように固定すれば、傷あとはかなり目立たなくなります。
ひどくなってから回復させるのは難しいので、最初の3カ月までのケアがとても大事です。
すき間なくテープをはるのがコツ
退院後も皮膚接合用テープをすき間なくはります。
(上記イラスト参照)
体質によって合う、合わないがあるので、かぶれない厚めのテープを薬局などで探してみましょう。
テープの種類にもよりますが、3、4日~1週間くらいの頻度で取り替えます。
術後1、2カ月がいちばん傷がもり上がってくるので、3カ月間はテープでとどめておくのがおすすめです。
傷口は消毒をしてはいけません
傷口からもし液が出てきたりしても、自己判断で消毒をしてはいけません。
以前は傷口は消毒をするのが当たり前でしたが、最近は生理用食塩水で流して、自然治癒力にまかせる治療が主流です。
消毒をするとばい菌は殺せますが、それ以上に傷が治っていくのに必要な細胞も殺してしまうからです。
出産後は免疫力が下がっているので、感染の可能性があります。受診をして薬を処方してもらい、判断をあおぎましょう。
いずれ傷は目立たなくなります
なるべく傷を目立たないようにすることはできても中にはケロイド体質の人もいるでしょう。
そういった場合もあきらめないで。
傷自体をきれいにしたい場合には、形成外科を受診してみて。
ケロイドの部分を切り取り、瘢痕形成の処置を受けられます。
2人目を考えている場合は、2人目を産んだあとがいいでしょう。
そして5年、10年もたつと個人差はありますが、ほとんど目立たなくなりますよ。
帝王切開の傷あとをテープでしっかり固定をすれば、傷が目立たなくなる可能性が高くなるなんて、知っていましたか?
また、傷を消毒してはいけないのが今の主流というのも、まだ浸透していないですね。
だれもがなる可能性がある帝王切開。
もしものときに、この知識が役立ちますように!
(文/たまごクラブ編集部)
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初回公開日 2017/9/21
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。
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